ロアラトリオと不感症。

mimisemi2008-07-28

ヒモのセカンドが届いたんだがまだ聴いてないっつーか都内行ってきたんだけどね、新宿と渋谷。で、ロペスのね、La SelvaだかっつーやつCDRで持ってるんだけど欲しいなとか思いつつ他のロペスのやつも探してみようかなっつーかさ、新宿とか渋谷のタワレコとかってこの辺強いってイメージがあったんだけど意外とそうでもなかったなっつーか高すぎだね。アメリカ価格に慣れちゃったからもうダメ。ロペスのストームだかっていう風のやつとか12ドルなんだけどタワーだと2500円とか送料とかってのも分かるんだけどもう無理っつー割にケージのロアラトリオをマグレで見つけちゃったんで買ったんだけどこれもアメリカのほうが安かった。Wergoのやつが廃盤でModeから二枚組みが出てるんだけど4000円もしたよ。アメリカっつーかForcedでは31ドルだった。まぁそれはともかくロアラトリオなんて前から書いてるように昔からずーーーーっと欲しいと思ってて手に入らなかったやつなんだよね。で、やっと手に入ったわけだけど、CD二枚目の朗読がジョイスのフィネガンのやつの朗読だけだったりしてCD一枚目だけで十分なんだよなーとか思いつつ凄く不毛な感じがしたんだけどやっぱ内容は良かったっつーかケージここにありってな感じ。ケージ的にコンセプトとかあるんだろうけど俺的には純粋コンクレート作品としての価値にしか興味が無いんで、まぁそういう意味だとパーフェクトだね。これは。何しろ64台のテープ使ってるからね。これ。ライナーはまだじっくり読んでないんでなんとも言えないんだけど、まぁでもあれだわ、凄いわ。これ。シャルルだかがOk Fredなんかで薦めてたと思うんだけど、たぶんコンクレートとかサウンドスケープ系が好きな人にはたまらないだろうね。まぁこれに関してはまたじっくり聴いたりライナー読んでからまたなんか書くわ。


とにかくまぁあれね、都内が思ったより楽しくなかったっつーか、ニューヨークと比べたらそりゃ見劣りするのは当然なんだけど、でも主に俺が都内に行く目的といったら前はレコードを買いに行くことだったわけで、レコードが買えない今となっては都内になんて用はないんだよね。だから行っても別に楽しくなかったのは必然だったかもしれん。まぁとにかくタワーっつーかワルシャワはある程度適正価格だと思うんだけどそれにしてもまぁーあれだわ、やっぱ送料分は負担って感じよね。だから12ドルとか13ドルぐらいのやつを2100円とかで買わなきゃいけない。大変だよね。これ。まぁ俺は昔こういう値段でも買ってたわけだよなぁー。で、ワルシャワでロペスのストームとロペスアイランドってやつを見つけて、んでまぁ試聴できなかったんでパスしたんだけど帰ってからウェブで試聴してみたらアイランドのほうがいい感じなのよ。ずーっとコンクレートがジリジリいってるだけでさ、俺が求めるような音だなとか思ったんだけど、このサンプルってのがレーベルのサイトのサンプルなのね。で、ワルシャワの別のサンプル聴いたらなんか汚い電子音なのよ。ロペスって凡人だから音響的なトリートメントに天才的な音の感性があるってわけじゃないのね。だから下手にこの人がコンクレートとかを加工すると一気にデリカシーが無くなるんだけど、ロペスアイランドはおそらくそんな作品なんだろうなとか思って買わなくて良かったなとかって思ったね。おそらく生コンクレート部分もあるんだろうけどそれが加工されたりもしてるんだろうなとかさ、この加工部分が試聴サンプルからひどいって分かるんで生コンクレート部分が良くてもパスって感じね。


ワルシャワサンプル。


http://www.warszawa.jp/cgi-bin/user/detail/detail.cgi?GID=40897


レーベルサンプル。


http://www.elevatorbath.com/MP3s.html


同じ作品だとは思えなくない?俺がビビっときたのは後者で前者にはなんとも思わないっつーか逆に聴きたくない音だね。ロペスはLa Selvaが天才的な出来なんだよな。どっかの熱帯雨林サウンドスケープなんだけど、時間とかね、例えば24時間録音してたとしたら、その時間を操作してるのね。例えば何かが森の上から落ちてきて「ガサガサ」って鳴る音だとか雨が降り出すだとか、そういうイベント的なことが作品の中で頻繁に起こるのね。実際は一時間に一回あるか無いかぐらいの音のイベントを凝縮してるっつーか、まぁテオマセロ的な仕事をサウンドスケープでやってる感じなんだけど、マイルスの作品がテオマセロの作品だとはリスナーは思わないのとは対照的に、このLa Selvaはサウンドスケープを操作しているロペスの手腕っていうところに着眼点というか着耳点が行くわけ。このリスニングのプロセスが凄くおもしろい作品なのね。これはもう普遍的なサウンドスケープの名作なんだよね。ところでこのアメリカ三部作と呼ばれるビルディングっつーニューヨークのビルの音だけで構成されたやつとかね、まぁつまらないんで持ってたんだけど売っちゃったんだけど、逆にビルディングを持ってたら三部作を完全にコレクションするっつー意味で三部作の完結編のストームを買ってSelvaを必死に探せばいいんだけど、どれも手元に無い今となってはストームを買う理由も無いんだよね。変な話だけどさ。ストームが凄まじい出来だったら買うと思うけど別にそんな感じじゃないのね。意味分からなくてごめんね。ロペスってこういうサウンドスケープの着眼点みたいなコンクレート系の作品をやらせるとおもしろいんだけど、ノイズとか電子音系やらせるとただの凡人なんだよねUntitledシリーズなんて半分以上がゴミみたいなもんだからね。ハーシュ聴きたいんだったらもっと他のゴテゴテのやつを聴けばいいし、音響みたいなやつを聴きたいんだったら特にドローン系なんてもっといっぱいいいのがあるわけで、ロペスって電子音楽の系統だとめっちゃ中途半端なんだよね。ホント、決め手に欠けるっつーかさ。そういう意味でもサウンドスケープではロペスはワンアンドオンリーなんだよね。あと手間がかかるんでフォロワーが出てこないっつーかさ、そこもまたロペスがワンアンドオンリー足りうる条件を作っているんだと思うんだけど。サウンドスケープを音楽として打ち出す作家としてはまぁいろいろいるんだろうけど、現代で思いつく限りだと水谷聖とロペスぐらいだよな。マジで。水谷さんのはあのYokosawa-Iriと丹沢山のやつは名盤ね。


http://www.warszawa.jp/cgi-bin/user/detail/detail.cgi?GID=33141


Bernie KrauseみたいなサウンドスケープとしてのCDという出し方ではなく、サウンドスケープが生のまま作家の手によってマニピュレートされたというところが重要ね。これは俺の音作りでも凄く重要なんだけど。まぁいいや。あ、んでさ、ハズウェルのLive SalvageのVol.2みたいなのが限定ヴァイナル二枚組みで出たんだよね。これはさすがに買うと思う。ラッセルハズウェル友の会会長の耳蝉としては押さえておかなきゃいけない感じね。サンプルはここで聴けます。


http://www.boomkat.com/item.cfm?id=110277


イングランドソサエティの発音とかにしてもソサエツィーなのがイングランドですよね。結局あれですね、自分で聴きたい音で世の中に無いものはやっぱ自分で作るしかないんですよね。だったら早くあれを完成させればいいのにな。俺。帰ったら終わらせようかなー。で、前に自己顕示欲がどうこうって書いたのと矛盾するんだけど、完全にこれでオッケーってのを完成させちゃって、んでどっかにデモ送って、んでダメって言われて失望してこのプロジェクトは終わりみたいな感じでピリオドを打つのがいいかもしれない。なんかズルズル中途半端に完成させないのも嫌になってきたんだよねって思うのも今が暇だから創作意欲があるのよ。でもデータが入ってる外付けのHDDが無いんで作れないのよね。で、地元帰ったら学校始まってそれどころじゃ無くなってんでまた完成しないんだよね。どうせ。やっぱ音作るのって今みたいなニート生活じゃないと無理だわ。はぁー。両立は無理だな。日々の生活の疲れとか実務みたいなのはクリエイティビティをガンガン削るわけで、少なくとも俺にとって今みたいな完全無欠のニート生活じゃないと音は作れないわけで、自活と音楽って同時には成り立たないんだよね。いや、地元帰っても働いてる人ほど疲れはないんだけど、でも単純に学校行ってんで授業受けて帰ってくるってだけで少なくとも他の事に体も脳もオキュパイドされる時間があるわけで、そういう中でクリエイティビティみたいなものを持続させるのは難しいのよね。何かを作るときって常にそればっか考えてないといけないから、余計なことが入ってくるとダメなのよね。


まぁーとにかくあれだわ、これはまぁテンポラリーね。ロペスとかに気がいってるのもニート生活が戻ってきて、んでなんか音を求めるようになったからだと思うわけ。ロアラトリオなんかもそうね。でも地元戻ったらまた本ばっかの生活になると思うのね。そんなものは目に見えてるわよ。地元に戻るとなんで本か?っていうと知識=生存みたいな図式を頭で勝手に作り上げてるからなのね。で、今は生存が親とか実家に保障されてるから、知識はあくまで趣味的になるわけ。だから今はこっちに来て買ったパゾリーニの本なんかを読んでるんだけどね。気持ちに余裕が出てくるんで音楽とか映画にもガンガン気がいくようになるわけね。まぁ前の生活と一緒ってなわけ。これは前の話と凄く通じるね。例の前の俺と今の俺とアブセンスの話ね。で、今は今の俺とアブセンスが一体化してきて、んで前の俺と今の自分とがダイレクトにつながっているような感じを受けるんだよね。まぁ簡単に言えばその中間にあったアブセンスが満たされたというか無くなったおかげで二年半前の俺と今の自分とが内省とか回想みたいなプロセスを介することなくダイレクトに繋がってる感じね。以前はあくまでアブセンスを隔てた地続きの実存だったわけだけど、今はアブセンスが消えてきている感じがするね。ロペスとかのCDを漁ったりロアラトリオを買ったりしたのも前に書いた地元のCD屋と同じようなことかもしれないなとか思ったね。


まぁとりあえずそんな感じで。ところでこっちに来てから妙にオナニーが気持ちよくなってね、不思議だね。これって。これも以前の俺との繋がりのなせる業なのかな?抗鬱剤のせいで不感症になってるとかって思ってたんだけど、そこまで抗鬱剤に原因があるわけでもなかったのね。いやー不思議だわ。


Roaratorio

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