最近読んでる本。

数学の哲学で言うとあれなんだよな、Fernando Zalameaという人が本当のちゃんとした数学の哲学をやってるんだよね。いや、数学の哲学っていうともう決まってんのよ。アリストテレスとかから始まってフレーゲとかになってラッセル、ペアノとかになってんでクリプキとかクワインとかっていうまぁつまらない論理学の延長上みたいなのばっかなんだよね。基本的にロジックがどうのっつーもんしか扱わないんで分析哲学みたいなつまらなさが特徴なんだけど、Fernando Zalameaは現代数学に立脚した数学哲学をやってるんだけどようはこの人も同じようなことを言ってて、ようは哲学者がやれる範囲の数理哲学といえば論理学か集合論的なものに限られるみたいなさ、まぁようは現代数学の知識が限られてるから手を出せないっつーんだよね。


んでもFernando Zalameaはグロタンティークとかセールとかコンヌとか蒼々たる現代数学のメンツの数学を網羅してて、そういうのも含めた中でオントロジーとか「知る」というプロセスとか形而上学的なことまで色々と論じてるんだよね。悪く言えば抽象的過ぎて何についてやってるのかがよく分からなくなるっていう現代数学にありがちなことが起こるんだけど、なんかでもいいの見つけたなぁーって感じだよね。俺って最高に適役じゃないですか?いや、んで哲学側でも定番のプラトンとかカントとかハイデガーとかも出てくるしドゥルーズなんかも出てくる。でも全然難解ではないんだよねっつーかFernando Zalameaの凄い筆力っつーのかな?いや、色々とややこしいじゃん?集合論的な枠組みでの幾何学だとかなんだとかさ、ごちゃごちゃになりがちなんだけど凄くシンプルに解説してるんだよね。


で、本は結構マイナーな出版社から出てるんだけどまぁ確かに研究する人は限られるかなって感じだよね。なんかでも凄く感動するのがさ、数学ありきなんだよね。現代数学でのリサーチで分かった事を元にそれをフィロソファイズしてるっていう、まぁこないだ書いたところの哲学→科学なんじゃなくて科学ありきの哲学っつーのかな?それにしても哲学→科学って胡散臭いのばっかりだよね。同じようなことで武道もそうなんだよね(笑)オカルト入ってたりするのが多いよね。あとは道場とかグループがカルトみたいになってたり(笑)


あ、んでまぁあれなんだよな、とりあえず最近読んでる本ってことで貼ろうと思ったんだけど、あとはFernando Zalameaのリサーチ対象でもあるAlbert Lautmanというフランスの数理哲学者が面白いんだよね。Fernando Zalameaも高く評価してるようにあの時代で(1930とか1940年とか)現代数学とリンクするような数理哲学を展開してるんだよね。当時と言えば論理実証主義みたいなのがまだ横行してる時代ですからね。いや、当時で言えばヘルマン・ワイルぐらいなんじゃないかな?現代でもまだ読めるような数理哲学のことを書いてたのは。他はもう時代と共に廃れるっつーか当時は意味があったけど今読んでもまぁ別に・・・ってのばっかなんだけどLautmanは本当に先駆けとも言える感じなんだよね。本を読んでると妥当なんだけどこれが1930年代とか40年代とかに書かれてたと思うとひたすら「凄い!」って思えるっていう。ワイルなんかも所詮はエッセイ風だもんね。Lautmanは学術レベルでの数理哲学をやってたんだよね。本当に凄いわ。44年にナチスに殺されて夭折しちゃうんだけどね。


なんかちょうどこの辺なんだよな!ってのを最近発見しつつあるね。分析哲学とか従来での数理哲学なんてどうでもいいし、あとは計算可能性とかのチャイティンがやってるような基礎論とかにはあんま興味ないし、んでもただの数学には興味が無くて、何らかのフォームとか物理的なルールとの対応関係とかっつーのをフィロソファイズするものっていうのかな。そういう意味でルーリーとか昨日書いたシェラハとかは彼ら自体が数理哲学をやってるわけじゃないけどimplicationみたいなのが感じ取れる仕事をやってるんだよね。センスが無い数学者とかは「意味が無い」とかって言うような代物なんだけど理解できないものを「意味が無い」とするのはどうかと思いますけどね。なんつーか俺的に連続体仮説とかってのはこういうところで解明されるもんなのよ。集合論的な小手先のテクニックとかではなくて。


ただまぁ悪く言えば見通しがあんまりない五里霧中みたいな分野であることは間違いない。っつーか分野としてまだ認識されてないようなところの話だからね。んでもだからこそやりがいがあるわけじゃないですか?同じテーマとかもう絶対嫌じゃん?あと重箱の隅的などうでもいいどん詰まりみたいなマニアックな数学もどうでもいいわけで。なんらかの大きなもんでなおかつ哲学的で抽象的なものじゃないですか?まさしくこないだ書いた大胆な抽象ってことなんだけど、これなんだよね。これ。なんかやっと見えてきた感じだね。色々と分散してたものが繋がっていってる感じがするんだよね。


これをまたずーっとやってるとそのうちゲシュタルト的なものが朧げながら形成されるような気がすると思ってるのね。ただこれは考えてるだけじゃダメで現代数学の俺的にホットな分野で何が起こっているのか?ってのをフォローする必要があるんで膨大な時間をそのフォローに費やさなきゃいけないんだよね。そうじゃないとただの人文系的な言いっぱなしになっちゃうじゃん?そこのエビデンスってのを現代数学に立脚させるんだよね。現代数学が出している色んな結果を感じて抽象化してフィロソファイズする感じか。で、具体的なものとして出してみるみたいなことかな。だからそういう意味でQuantum Field Theoryなんかもimplicationだらけなんで俺的にはフォローする必要があるんだよね。まぁただよく思うのがこんな膨大な範囲に渡るものをフォローし尽くせるのか?ってことなんだよね。まぁやるしかないっしょ!ってことなんだけど。んでも結構神経すり減りますよね。ストレスが無くはないかな。そんなに楽なもんではないんで。知識欲云々っつーものよりも理解するのに時間がかかるってものが多いわな。さすがにこういうレベルになると。あとは理解はできないからそういう結果なんだって知っておくっていう本質的に概念的な理解は不可能なものってのもあるわけで、そういうものの見極めも大事なんだよね。んでもその見極めの力っつーのも抽象化するっつーことをしょっちゅうやってるとついてくるんだよね。まぁこれも使えばどんどん鍛えられるようなことだよね。どんどん浮世離れしていく感じにはなるけど(笑)


まぁそんな感じで貼っとくわ。んじゃまた。




amazon.comで買った方がいいです。






↑こういうのが自然に今やってることと繋がってくる。



「数学の哲学」ではなくて「数学で哲学」なんだよね。俺が目指してるものはこれに近い。



あとこれですよね。



いや、今回挙げたような本でさ、この繋がってる感って分かるでしょ?無理に繋げてるんじゃなくて勝手に繋がった!っていうこれなんだよね!!まぁだから「この分野です」じゃなくて「こういうものです」といったほうがいいかもね。こうやって本を挙げていくと別に五里霧中でもなんでもないなってのがよく分かるね。





あとはsheaf系の本ね。





↑これが特に好き。とにかく美しい。



代数幾何なんかが極まることになるんで自ずと深遠な数論の世界にも入り込むことになる。