ウォール伝、はてなバージョン。

革命家/徳の戦士/サタニストによる日々の思索を頭をクリーニングするかの如く書き連ねるブログ。

foobarhogeさんへの返信。その3。

foobarhoge 2013/11/11 10:34


そうですね。ここでいう構造主義的なアプローチのことです。僕が言いたかったのは。数学的な概念同士がモジュールで繋がってる、みたいな感じですね。


計量ベクトル空間の件ですが、あれは圏論の層の概念に当たるんですね。今 wikipedia で確認したんですが、全然分かりませんでした(笑)もっと勉強します。


でもより高い視点からこういっていただけると、次へのステップが明確になった気がします。


まだまだ低レベルですが、耳蝉さんが言う数学が一つみたいなのは感じれるようになってきました。


っていうかすごい飛躍なんですよ。やっぱそこでいつも比較しちゃうのが高校数学や受験数学などの computation の数学とのギャップですよね。


基本的にこういうのってすごい局所的じゃないですか?ちまちましているわりに概念に直接切り込んでいかないから、全然理解できないんですよね。いつまでもやっても。


で、急に数学が分かるようになった理由って、実は数学の勉強に耳蝉スタイルを取り入れたんですよ。


数学の勉強法一気に変えてからまだ一ヶ月ですけど、今までのはなんだったんだ、っていうぐらい飛躍的に抽象化能力や数学力が上がったんですよ。端的に言うと数学の概念がよく見えるようになったんです。


具体的に何をしたかというと、


1. (基本的な部分から)本質を考える


2. 本を読むより、自分の頭で考えることを重視する


3. 難しい本を初めから読むよりも、概念が把握できる簡単な本を読んで大局観や基本概念
を掴む方を優先する


4. 定義の具体例をいっぱい自分で考える(数学以外の概念でもOK)


の 4 つですね。


これは全部耳蝉さんが過去でおっしゃってきたことですよね?Ted の "stop learning!" のエントリーありますけど、あれですね。あと "数学勉強方法について" のエントリです。


こういう本質を考えるようになってから、いろいろ見えてきたんです。あと自分で答えを見つけるようになってからですね。通り一遍の解答ではなく、自分の納得感にこだわるってのをやったんです。


それで、耳蝉さんの過去のエントリにもあるように、分数同士の割り算、マイナスかけるマイナスはなぜプラスになるのか、指数、対数、内積、とかの概念って基本すげー難しいじゃないですか?いや形式的な計算は別に全然難しくないんですけど、その本質や理解みたいなもんです。


で、結局突き詰めて考えると現代数学圏論みたいな概念に行き着くんですよね。っていうか、いわゆる圏論だったり現代数学をベースに考える方が、構造が剥き出しになっているので、理解するっていう立場から考えると楽ですよね。初等数学よりも。


僕がいわゆる圏論の層の概念に達したのも、内積の理解にこだわった結果だと思っています。最初に発見したのは、集合の共通集合とベクトルの内積を取る演算が完全に対応してたことです。だから、"ベクトル" を "シュミットの直交化で直交化すること" と、 "共通部分がある集合" を "互いに空な直積集合に分けること"、 って実は本質的には同じことをしてるんですよ。


ってこれ今から考えれば同型対応の顕著な例ですよね?いわゆる圏と圏の関手だと思います。


んで、集合論的にベクトルを見ると、距離に対応しているのは対称差の部分ですね。いわゆるベクトルの内積と距離という演算は、完全に集合論上の基本代数演算に投影できるのか!みたいな感動ですね。


ただ、それだけだと内積の加法に対する線形性って説明できないんです。考えても分からなかったからずーっと頭の隅にあったんです。で、測度論を知って "これだったのか!!!!" って衝撃が来たって感じです。で、耳蝉さんのエントリーを見て "圏論の層って概念に対応するのか!!!" って感じです。これはまだ十分な理解に達してないので、なんともいえないのですが。


遠近感ある所には全て近傍の構造が入ってる!とか、〇〇変換と呼ばれる概念は全部ただの圏から圏への関手じゃん!とか、発見いっぱいあったんですね。まぁどれも大局的な理解ですよね。高度 10km ぐらいから地上を見下ろす感じです。


逆にいうと細かいことは分からないんですよね。というか、ある数学の分野の中心となる概念掴んだら、その分野の半分ぐらいの定理は証明読まなくても自明になるので、モチベーションが下がるんですよ。多分ここらへんも耳蝉さんと同じような感じだと思っているのですが(笑)


耳蝉さんと僕が意見合うのって、基本的に僕がすごく耳蝉さんから影響受けたからんです。だから多分ほとんど意見が一致しちゃうんですよね。


マズローで言うところの「承認欲求」が凄まじく満たされたような思いをしています!!というかお金で買えない真の喜びとか幸福というのはまさしくこういうことなんだなって実感しています。僕が過去に数学に関して書いてきたエントリーを熟読してくださって、しかも実践して効果抜群!なんて正直、今死んでも悔いがないぐらいの喜びです。大げさかと思われるかもしれませんが、ここ数年、数学ばかりやってきた僕としては半端じゃない喜びなんですよ!いや「僕は嬉しいよ!」ってアピールしてもしょうがないんですが、耳蝉は凄まじく喜んでいるということを知っていただきたいので。


局所的なことをチマチマやってても何にもならないという信念がより強化された感じでもあります。なので数学の理解もなしに計算どうのっていうことばかりやっている高校ぐらいまでの数学の教育はほとんど意味がないということになりますよね。いや、実際にfoobarhogeさんがおっしゃっているように数学は何気なく「これが基本です。覚えてください」なんて教えられることが実はめちゃめちゃ難解なことだったりするわけです。logなんて最たるもんですね。ちなみに実は僕も何も考えずにパズル的に計算するのはめちゃめちゃ得意でそういう意味では死ぬほど計算が速い人間です。そういう意味では計算もめちゃめちゃ得意とも言えますが、そもそもやっても何の意味もないものに意味が見いだせないので、ようはただの計算法を暗記するだけの練習問題とか苦痛ですよね。そういう意味での計算は大嫌いなんでそういう意味で苦手だって言っているんですね。計算法だけ覚えて解くなんて誰にでも出来ることですよ。そんなことをやっても何にもならないですよね。


本当に数学をやろうと思ったら変なドリルとかやってる時間があったら概念について熟考したほうがいいわけです。やたらとりあえず手を動かすみたいな風潮がありますが、あれは本当に良くないですね。前に非可換幾何学の理論を生み出したアラン・コンヌという数学者の名前を出しましたが、この数学者が言うには本当に数学をやろうと思ったら本を閉じてソファにでも横になってリラックスしながら数学について考えるということから始めなければいけないって言ってるんですね。いや、考えなきゃ分からないし理解できるはずがないんですよ。それも無しに計算だけやるなんて論外ですね。


構造が剥き出しになっているのが現代数学ってまさしくその通りなんですよね。構造で考えるからこそ大枠が見えて楽なんです。だからこそより高度な次元のことを考えられるようになるわけです。ところでfoobarhogeさんが内積の理解にこだわったというのもこれってセンスなんですよね。数学の急所みたいなところを見抜く力があって、理解したら色んな諸概念に共通のものを見いだすことが出来るっていう。で、今回のfoobarhogeさんの色んな発見は基本的にトポロジーの発見だと思います。Topological Vector Spaceの基本概念を自力で導き出したという感じでしょうか。


Metric Spaceなんかも抽象化していくとTopological Spacesっていうことになるので、まぁ何でもトポロジーと言うと言い過ぎなんですが、こういうのって行き着くとトポスっていう現代数学の理論に行き着くんですよ。で、この辺は代数幾何学という現代数学のジャンルの基盤みたいなもので、代数幾何学と言えばとりあえず最先端の研究の一つという感じがありますね。あとこういう考え方が可能になると数論にも挑戦できるようになります。代数的整数論というこれまた深遠な世界がありまして、数を考えているだけでは到底理解できなさそうなことが抽象的なアプローチから理解できるようになります。ちなみにワイルズが証明したフェルマー予想は主に代数幾何と代数的整数論的アプローチによってなされました。


僕はこういうことを知ったときに「細かいことなんてどうでもいいじゃん」って思いまして、相当勉強するのが先のことになるだろうなーなんて思ってた代数幾何や代数的整数論をいきなり勉強し始めたんですが、抽象的なので頭に入ってきやすくて「全然出来るなー」って思ったりしたんですね。相当色んなものをスキップして代数幾何学の本なんかを読んでたというのもあって、ある意味で細かい基礎みたいなところはあんまりやってなかったんですよね。なのでここ2年ぐらいは一応基礎をやっておくって意味でブルバキなんかを読んでみたり解析学の分量が多いモノグラフなんかも読んでたりするんですが、基本、数学は原子となる基礎概念があって、それのこういうケースの場合はこうですみたいなこととか、条件がこうだった場合はこうなりますよ的なことの連続という感じなんですが、ただ一応数学は極めたいのでお勉強だと思って一応読んでいますね。


いや、でもあれなんですよ、「証明なんてどうでもいいじゃん」って僕が普段から言うのもそういうところで、大局的に理解していると細かいことはハンダ付けみたいなあんまり好きな作業ではなくなるので証明の細かいディティールまで熟読するということは全然やらないですね。大局を掴んでいれば証明というのは自明なことをある意味で凄く回りくどく一個一個数学的言語で自明性を記述していくみたいな作業なので、正直、証明には全然興味がないんですよね。昔はアカデミックに数学でやっていこう!って大志を抱いていましたが、今は絶対無理だろうなって思ってます(笑)まず論文が書けないですからね。まぁでもやっていく中で論文を書くことだけが数学なわけじゃないというのが凄く分かってきたので、その辺は全然気にしていません。


ただまぁこれは好みの問題で僕は細かい証明みたいなことがあまり好きではないので避けているというだけで必要がないと言うつもりはないんですよね。やれるに越したことはないですからね。あ、あとちなみに測度論で言うと確率論なんかも分野によっては面白いものもあるので調べてみてください。「確率もこんな風に扱えるのか!」ってまたさらに驚きがあると思います。あと組み合わせ論なんかも凄くcomputationalに見えるんですが、実際は代数構造があったりして、これも代数的組み合わせ論なんていうジャンルがあるぐらいなんです。基本的に構造そのものを剥き出しにして考える現代数学の手法にかかると色んなものが綺麗に抽象的に扱えるようになるので色々と感動することが多いと思います。


概念を掴むとモチベーションが下がるというのはおっしゃる通りで、だからこそ無謀と思えるようなぐらい様々な数学の分野や物理数学の分野にもどんどん挑戦していくということが必要になってくるんですよ。これによってどんどんまた抽象的感覚が養われる感じがしますしモチベーションも維持できる気がします。そういう意味では一つのジャンルをずーっとやるというのは僕には無理でしょうね。すぐ飽きてしまうので(笑)


あと情報理論なんかも面白いですよ。シャノンの情報理論には本当に感動しましたよ。いや、「コンピューターサイエンスなんでしょー」みたいな偏見があったんですが、実に抽象的で純粋数学的なんですよ!そんな中にエントロピーの概念が援用されたりしていて、実際の物理のエントロピーとは異なるんですが、理論的な繋がりにはイデア的なものを感じずにはいられない感じでしたね。あとlog系の話が一番分かりやすくなるのは情報理論だと思っています。


よく数学の勉強は一日かけて1ページできるかできないか?ぐらいの密度でやるみたいな話があるんですけど、僕にとってはそんなの糞食らえで、ガンガン色々読んでガンガン概念を掴むことの方が良いと思っていますしモチベーションも保たれると思っています。いや、「どうやって数学を勉強するのか?」みたいなのを述べてるものでも本当に多いんですよ。1日かけて3ページみたいなやり方が。まぁそれでやれる人はいいですけど僕みたいな人間には無理なわけですよ(笑)そういう人間は自分にとって一番良い方法であるやり方でやればいいわけで、ハンダ付けみたいな作業を永遠を繰り返すなんてことをやらないからこそ見えてくる大局的なものって絶対にあるんですよ。だからもうなんていうか無鉄砲なぐらい知識欲に任せて突き進むのが一番効果があると思いますね。foobarhogeさんには凄まじい勢いを感じるので、その勢いで色々なものを読んでみてください。Mathematical Highみたいな状態になると思いますよ。