象徴と意味。

こないだ書いたサタニズムとか反体制のアイコンとしてのパンクってまぁまさにシニフィアンだよねっていうか例のシニフィアン系の話で全部済むんだけど書いてるときに思い出さなかったんで今更書くけどさ、なんつーかまぁ普通にやってもしょうがないからもっと根源的に述べるとするとそもそも意味するものとされるものの間に厳密な繋がりなんてないよねっていうかまぁそこはもう個々の解釈に依存してしまうってのがまぁデリダ的な話なんだけども殊更アイコン的なものに関してはそれが顕著だよね。


パンクファッションってのはモロにアイコンで別に自分がパンクとしてやってるわけじゃなくてただオシャレだからっつってやってたり真似したりもともとパンクではないものがパンクを模倣したようなものとかにあふれ返るんだよね。まぁようは記号的なものが一般化されて薄まるってことなんだけどそもそも音楽における思想とかムーブメントってのは厳密なドグマみたいなのがあるわけじゃないし同時多発的に似たようなのが出てきてそれがあたかもムーブメントだったような様相を見せるっていう偶発的なものだよね。で、まぁアイコン的なミュージシャンが着ていたファッションとかがそれそのものを体現するものになってファッションと同化するっつーかまぁファッション側がそれを消費するっていう感じなんだよね。


でも表層的って意味での「ただのファッション」って言う意味でのファッションって意味だとスタイルが形骸化したりポップ化したり大衆化してただのアイコンと化すってのはどんなものでもあるよね。んでもそこで面白いのがサタニズムの場合、逆なんだよね。オリジンがそもそもただの表層的なファッションだったんだよね。見掛け倒しというとあれだけどただのモチーフとしてやってたんだけどそこでガチな捉え方をするやつらが出てきてガチなサタニズムのブラックメタルってのが形成されてきたってのがあるんだけど前にも書いたけど実際はそっち方面だとインダストリアル系のほうが早かったし顕著だったんだよね。で、まぁその独立したインダストリアル系の流れとブラックメタルの流れってのが90年代ぐらいにクロスしてきてダークインダストリアルとかダークアンビエントみたいなのになったんだけど実際にガチが増えてきたのって恐らく90年代だと思うんだよね。


で、そういうのがデプレッシヴメタルとかにも繋がってよりディープな世界になっていくんだけど普通は最初が原理主義的でラディカルなのがポップ化したりカルチャー化して軽くなるんだけどブラックメタルの場合、最初がただのごっこ遊びみたいなもんでんでガチ勢ってのが出てきてガチになってきたっていうね、でも表面だけ見ると分からないんだよね。ジャケだけ見てもどれがガチでどれがネタなのか分からない。実際は細分化してなくて同じ物として扱われてるんだけどガチなのとただのネタとかモチーフとしてやってるのと同じ感じで存在してるんだよね。


まぁCD屋で言えば同じ棚に並んでるって話だわな。でもまぁこれって結局なんつーか必ずしもガチさが音に反映されるとは限らないし本人はガチのつもりでもネタみたいな音になっちゃってるってのもあるだろうしだからまぁすげー個人的なもんだよね。分かりやすく言えばパンクやってて別に本人がパンクかは分からないからね。ただパンクの場合、迎合しない音ってのが分かりやすく出るよね。でもサタニズムとかの場合、何をもってサタニズムとするのか?とか何をもってダークネスとするのか?っていうところがあってそこはもう本当に解釈に依存しちゃうんだよねっつってもまぁ実際は明らかなレベルでガチなものとそうじゃないものってのがあるんだよね。で、まぁあともっと言っちゃえば音レベルではガチでも別に私生活ではなんらサタニズムと縁がないような感じかもしれないしただ音作りに関しては徹底的にガチになるってこともあるよね。


ただまぁこれって結局あれなんだよな、シティボーイズカセットデッキの男ってあるじゃん?転々でギターの男ってのが出てくるけどまぁシティボーイズでは何が楽しくて生きてるのか分からないような亀を売ってる店主ってのがカセットデッキの男に何らかの自分が失った情熱とか言葉でなかなか言い表せない「何か」ってのを体現してると信じていてある意味崇拝しているというかあとはまぁ自分の中の欠落ってのを反映させて自分が失うなり持ってないものとか持ちたかったものを持ちながら生きている人だって信じたかったんだよね。俺には無理だったけどマジになればあんな風な生き方もできたんだ!っていうような希望を持てる人っていうかね。ただそこでまぁ落ちとして警察署だか警官が立ってる前を通ろうとしたらボリューム下げて「えー!!」ってなったっていうさ(笑)これってあれだよね、まさに音楽と一緒でめっちゃパンクでパンクスピリッツみたいなのを体現してる人だ!って思ってたら私生活は全然そんなことなくて幻滅したみたいなさ、でもまあそれは音楽っつー幻想の中で理想的なパンクスであり続けてるんだからいいじゃん!って思いつつもでもパンクっつったらやっぱ普段からパンクであってほしいっていう願いがあるよね。従順なロックンローラーなんてありえないわけだけどでもまぁ現実はそんな人ばかりでしょう。


でもまぁそういう反抗心みたいなののアイコン的な存在ってのはそういうものにあこがれる人の投影の場だったりするわけだよね。そういう意味で構造は凄く分かりやすい。んでもサタニズムの場合、聞いてる側は本当にサタニストであってほしいなんてまず思わないじゃん?(笑)デビルマークのサインとかもまぁノリでやるもんだしそれがメタルカルチャーなわけじゃん?だからそういう意味でまぁあたりまえっつっちゃーあたりまえなんだけどパンクってのは生き方そのものが音楽性へ反映されるとか生き方に反映されるみたいなことがあるけどサタニズムに関しては全然関係ないっていうか実際の実践としてのサタニズムと音楽は必ずしも結びつかないんだよね。あと別に音楽やってても普通のテクノとかEDMやってるんだけど実はサタニストっていうようなね、パンクは反抗で反抗ってのがそのまま音に出やすいというか凄く音と親和性があるように見えるんだけどむしろサタニズムのほうがモンド的な意味でパンク以上に音としても歌詞としてもビジュアルとしてもサタニックにできるのにも関わらず実際は全くそれとは関係ないんだよね。ようはそういう作為性とは無縁なんだよね。


敬虔なクリスチャンが別にその敬虔さを音楽として必ずしも表現しないのと同じでサタニズムも同じなはずなんだよねっていうかそもそも宗教ってそういうもんでしょ。ゴリゴリのハードコアな仏教主義者が仏教的な音楽をやるのか?といったら必ずしもそうじゃないし、実際にあるニューエイジみたいなのは表面的なものばっかだよね。これって結局はエキゾチズムなんだよね。存在しなかったりするんだけどなんかその情緒あふれるっていうか雰囲気的なものに惹かれるみたいなそれこそ東洋的なものを西洋人が一括でオリエンタルって呼ぶような意味でのエスニックな感じとかさ、そういう意味でエキゾなんだよね。俺が一貫してイメージに関する音楽は全部モンド音楽だっつってる論拠もここなんだよね。異国情緒溢れる・・・なんつってもではその実際の異国とは?とか実際のその異国とされるところの音楽とかカルチャーはどんなものなのか?ってまぁ異国情緒って意味でのエキゾチズムからは何も連想されないからね。まぁ何もってことはないけど例えば「アマゾンの音楽」って存在しないじゃないですか?そこでまぁレスバクスターなんかをオリジンとするようなね、で、まぁインディージョーンズとかでも密林地帯とかの音楽って土着っぽいイメージの「ドンドンドン・・・」とかって鳴り物が鳴ってたりするようなイメージの音楽じゃん?


まぁそういう意味でそりゃまぁサタニズムの音楽なんてのも存在しないわけだけどただまぁメタルの場合、ビジュアルありきにそれっぽい音を乗せて成立したっていうビジュアルってのがあるからね。まぁエキゾ音楽もジャケってのがあるけどプレイヤーがサタニストっぽく振る舞うってのはもはやビジュアルの世界だからね。まぁしかもちゃんとした意味でのサタニズムとかじゃなくてイメージとしてのサタニズムだよね。そういうのがルーツってのが本当になんつーかモンド以上にモンド的なんだよな。でもそうなるとガチのサタニズムの音楽のオリジンは?っていうとやっぱインダストリアル系になるよね。まぁオカルトとか秘教的な感じで本当に悪魔主義かはともかくとしてまぁインダストリアルとかノイズもイメージの音楽じゃん?禍々しい音にナチス系のアジテーションを加えて強制収容所をジャケにしたりとかね、それで言うとまぁホワイトハウスなんかはやっぱオリジネーターだよねっつってもあれから一切進歩しないのがいいよね(笑)結局まぁ曲名とかベネットの叫びとかが無いと成立しないっつーかまぁあのシンプル構造がいいんだよね。ノイズ自体には何の属性もないんだけどベネットの叫びと鬼畜な歌詞が入ることで猟奇ノイズに変貌するっていうさ、あとまぁなぜか水の音が入るんだよね。あとはまぁPeter Sotosの不謹慎シリーズか。


で、まぁここ最近色々と聞いてるとさ、サタニックっつってまぁ直球のブラックメタルなりをやる場合まぁ声とか歌詞とかビジュアルだよね。で、それ以外でやるとどうなるのか?っていうとそもそも存在しないものだからイメージでしかないんだよね。だからよくあるのがチベット密教みたいなマントラとドローンとかあとはまぁ俺もよく使うけど金属の擦れる音とかね、結局まぁあたりまえなんだけど存在しないものを表現するために既存のものをイメージ的に流用して使うしかないんだよね。まぁそれしかないってわけじゃなくてそれでまぁいかにそういう雰囲気とかんでも雰囲気だけではない何かってのを出すかってことになるんだけどまぁ凄く安易で短絡的になりがちだよね。で、そう思うとサタニズムってのは置いておいてもガチであるかどうか?って結局は作り手の思想なんだよね。そこが「なんとなく」と「真面目」の違いなんだと思うねっつってもさっきも書いたように必ずしも音に反映されるとは限らないんだけどね。だからこそまぁガチの人はジャケとかバンド名からは何も判断できないしどういう違いがあるのかが分からないんだけど音を聞けば「なんとなく」と「マジ」の違いが分かるんだよねっていうかまぁ分かるはずだね。


まぁでもぶっちゃけあれだよね、ノリがいいやつってどうなの?って気がするよね。闇とかについて語ってるのに曲調がノリノリとかバリバリのロックのコードだったりとかってそれ自体が矛盾なんだよね(笑)まぁそれ言い出すとレスバクスターなんかもエキゾなんつってなんで曲調がドビュッシー風なのか?ってことになるんだけどこれを見てもわかるようにまぁそれ自体と音楽って別に実際の相関関係ってないんだよね。ただイメージで繋げてるだけなんだよね。でもまぁもちろんしっくりくるっていう感覚世界のものってのはあるんだけどそういう意味で俺は色々と自分でやりつつ色々と聞いたりしてると本当にノリが良いやつとか元気なやつにすさまじい違和感を感じるようになったよね。あとまぁ結局は「俺を見てくれ!」的なナルシシズムのやつとかね、まぁそういうのってライブとかでも大げさなことをやったりするんだけそもそも本当に闇を抱えてる人はライブなんてやりたがらないだろうし闇を表現するために大掛かりなことをやらなくても音で表現できるだろうって思うんだよね。そこをやっぱ奇抜なことやったりするってのはそういうパフォーマンスで足りない部分を埋めてるんだよね。これが本当にみっともないんだよね。


ブラックメタルってある意味流行ってるのかすげードキュメンタリーがあるんだよね。あ、数があるってことね。で、youtubeのコメント欄とかはいつも荒れまくりっていう(笑)脳筋メタルファンは「こんなの音楽じゃない!」とかって言ったりとか「悪魔主義なんて稚拙だ」とかね、まぁでも稚拙だってのは当たってるよねっていうか大体がそういう稚拙なレベルで留まってたりただのナルシシズムでやってたりするからそういう批判は的を得てるよね。いや、だからこそ完全に本当のサタニズムとサタニズムっぽい音楽とは関係ないって言いきれるんだよねっていうか別物だよね。だから逆に本当のサタニストからはファッションだけでやってるっていう批判が出てくるわけだしそれは言いえてるんだよねっつってもまぁ本当のサタニストなんて滅多にいないわけだけど(笑)まぁ別物って意味だと有名なパンクバンドとかの思想がちゃんとしたアナーキズムなりなんなりの思想に立脚しているか?とかその思想の洗練された感じと音楽性って関係ないもんね。


逆にまぁすげー思想は洗練されてるけど音楽はイマイチってこともあるだろうしまぁでもそういう意味でなんつーか別に孤高を気取るとかじゃなくてガチなサタニストになった側から見ると本当にガチなのってほんの一部だよね。量は多いけど本当なのは本当に少ない。そういう意味だとノイズにファッションだけの亜流があまり存在しないのは本当にアングラなのとあんまりやろうと思わないような形態の音楽だからなんだと思うよね。だからまぁ本当にコアな人しかやり続けないし大体はまぁ辞めちゃうとかってことになるんだよね。で、実際はブラックメタルっつーよりかはインダストリアルとかダークアンビエントも含めたサタニズム系の音楽ってアングラ度で言えば本当にノイズと同じぐらいだと思うんだよね。実際にゴリゴリの地下音源とかもあるんだけどまぁさすがにゴリゴリだから有名じゃないんだよね。ただまぁ本当にヤバいオーラって音に出るなってのはマジなのを聞いてると本当に思うのね。


あとあれ、絶望を表現しましたとかいってちょっとキレイ目な弦楽器入れたりするとか完全にありえないよね。それはまぁサントラとか形式としてはありなのかもしれないけどそれが絶望の表現なんだとしたら絶対それは嘘だし絶望してない証拠でしょう。いや、本気で絶望してたらノイズかドローンか声を潰したような声しか出ないはずなのよ(笑)そもそもキレイ目なしかも調性音楽になる時点で嘘だよね。鬱の人がキーとか音楽理論気にするか?って気にしないでしょ。っつーかまぁその鬱を表現してくださいって言われたときに頭を使って調性音楽によってその雰囲気を出そうとしないはずなんだよね。まじだったらマイクに向かって「うーあー・・・」っていうとか「死にたい」とか「なんで生まれてきたのか!神を呪ってやる!」とかね、そういうヤバさしか出ないはずなんだよね。まぁ究極的に言えば音出ないよね(笑)その表現形態は自殺っつー身体表現によって出るわけじゃん?あとまぁ遺書とか死ぬ前に書いてたノートとかだよね。本当の心情の表現ってそういうもんだよね。だからまぁなんつーか流通するようなもんじゃないし誰も読もうと思わないし聞こうとも思わないような形態のものであるはずなんだよね。


本当に引かれる気持ち悪い音楽って意味だと本当にノイズとほぼ一緒なのよね。ただモチーフが違うだけといっても過言じゃないかもね。ノイズはサタニックノイズみたいなのもあるけどまぁどちらかと言えば猟奇とかナチスとかが多いのに対してブラックメタル寄りだとサタニズムとかオカルトとかリチュアルとかってことになったりもするんだけどでもまぁぶっちゃけ行き着いたところまで行き着いたみたいな極北みたいなやつって大体ノイズよ(笑)元は一応ブラックメタルでギターとかドラムとかサタン声っていう編成があるにせよもう色々と行き過ぎちゃってノイズになっちゃうんだよね。いや、そういうもんだと思うんだよね。まぁそれは偏見かもしれないんだけどでもまぁ俺はそう思うね。


あとまぁ静かなやつでも永遠と鬱になるようなオルガンドローンと聖歌隊のコーラスみたいなのがちょっとだけ入ってるとか絶妙なやつが本当に百分の一以下の確率であるんだけどまぁそういうのには「これだよね!」ってすげー思うけどまぁ日の目を見ることはないだろうしそれでいいんだと思うんだよね。そういう意味でドキュメンタリーってレベルで追えるブラックメタルには限界があるよね。やっぱりそこそこメジャーでそれこそレコードデビューしてライブとかもやってるっていうレベルの人たちが出るから真にアングラな人たちなんて出ないわけだよね。で、にわかも含めた人たちがインタビューに答えて「ブラックメタルとは・・・」とかって語るから余計に10代のメンタリティみたいなまま大人になっちゃった痛いやつらがやってる音楽みたいな印象が広まっちゃうんだよね。


もちろんまぁそういうアングラとは言いつつもオーバーグラウンドでドキュメンタリーみたいな感じとしてまとまるものがブラックメタルって言えるんであって超アングラになっちゃうとそれは音楽ですらないかもしれないんだけどまぁでも俺はむしろオリジンよりももっとすさまじくドープなアングラ音源ってのが作られてるしネットを介して出回ってるっていう印象を持つしね、やっぱそれこそがブラックメタルなんであってドキュメンタリーとかに出れるレベルだと所詮はサタニズムの皮を被ったただのメタルだと思うんだよね。ようはオリジンのブラックメタルですよ。だからオリジナルがいいわけじゃないんだよね。そう思うとノルウェーとかの伝説になったブラックメタルっつーのもイマイチに思えてくるし実際はインダストリアル畑の人たちのほうがよっぽど真面目に真にサタニックで闇を追及してるって気がするんだよね。


あ、レーベルで言うとCold Meat Industryとかのやつね。まぁ所謂ユーロノイズみたいな感じか。まぁもちろんそういうユーロノイズみたいなのとブラックメタルが影響しあってインダストリアルと混ざったような音響ドゥームみたいなのも出てきたわけだしメジャーだけど音も真にダークでなおかつすさまじくクオリティが高いSunnとかもあるしさっつーかでもまぁやっぱSunnが偉大すぎるねってあんま神格化しちゃってもいけないんだけど特にBlack Oneにほぼ考えられる闇のエッセンスが詰まってる感じだよね。そう思うと前も書いたけどまぁブラックメタルではないけど本当に真剣に音を追及してる音響よりのバンドとしてはBorisが凄いと思うね。


まぁでもあれだね、サタニズムって意味だと本当にモンド的って意味ではなくガチでやるってことになると本当に個人的になるよね。ようはベクトルが音という意味ではなく個人世界って意味でノイズっぽい世界観になるんだよね。まぁかといってもただのノイズになってもつまらないし、そこでやっぱりある程度のメタルっつー形態を取りつついかにサタニックになれるか?みたいなところの面白さってのがあって、そういう意味でLes Legions Noiresなんかは典型的っつーかあれですよね!っていう感じだよね。ノルウェーの連中よりよっぽどファンダメンタルでサタニックだよね。俺が勝手に思うオリジンってLes Legions Noiresだと思うんだよね。それこそメタルなの?っていうようなのすらあるからね(笑)いや、それでこそブラックメタルでしょうっていう音楽っつー概念が消滅しちゃうようなのがブラックメタルだと思ってるからね。結果的にただの儀式の実況を再現しましたみたいな音になってたりとかもう音楽っつー体を成してないみたいなね、そういう意味で真に破壊的だしラディカルだしノイズですらも行き着けないような極北のサウンドっていうものの可能性ってのが一番あるものだと思うんだよね。


まぁでも世間に浸透しているブラックメタルのイメージとまぁ俺が勝手に思うこの「真の」っていう感じは隔たりがあるし埋まることはないし埋まらないからこそ真なものはアングラで居続けると思うんだよね。あとまぁノイズって変な話、ちょっと市民権得てきたみたいなところはあるじゃん?そういう意味では本当のブラックメタルってノイズよりアングラなんだよね。滅多にないけど本当にたまに普通のノイズが歌謡曲に聞こえるレベルのブラックメタルってあるからね。それは音の派手さとか音の大きさとかそういうことではないバイブスだよね。こればかりはなんつーかまぁグルーヴィーとかと同じ感じでなかなか言葉で言い表せないんだけどね。まぁそういうのを俺は真にサタニックなものだと思っていて自分でやるやつはそういうのを徹底的に追求したいなって思ってるわけなんですね。


なんかまぁ結果的にちょっとしたマニフェストみたいになったけど(笑)本当に奥深い世界だねっつーか実践者じゃないと見えてこない世界ってのがあってそれは論じられたりしてないし調べて出てくるようなレベルのものじゃなかったりするしんでも明らかに存在するんだよね。むしろそういう形のみで存在するんであってそれ以外は形骸化したものか表層的なものかメジャーカルチャーの一端でしかないんだよね。もしくは過去にブラックメタルと呼ばれていたけど今ではその定義に入らないか過去には凄かったとされていたものっていう歴史的な遺物になるっていう感じだよね。まぁあとあれなんだろうな、ある程度認知された形のものがブラックメタルなんだとすると俺が真にブラックメタルとかサタニックだと思うってものはそれとは全然違うものかもしれないんだよね。あとまぁ違うよなーってのが出てきてるってのも事実だね。白人のインテリが集まって方法論的にブラックメタルをやってるようなつまらないやつとかがあって本当に音楽的にうまくまとめようとしてたりとかまぁその体は分かるんだけどそんなattitudeでブラックメタルやるなよ!って思っちゃうんだよね。


なんかガチの悪魔主義者か本当に病んでる人以外やらないでほしいってぐらいの聖域なんだと思うんだよね。アングラってそうじゃん?ジャングルとかにしてもメジャー化したりグルーヴライダーみたいなのがセルアウトしたりするとアングラっていう聖域が穢された感じになるじゃん?そういう意味でやっぱりメジャーとかメジャーな意味で音楽的に都合がよいものとか体が良いものとはとことん相性が悪いというかね、まぁでもネット時代になったから主流ってのがなくてアングラなものも見た目だけなやつも同じ感じで存在してるし限られたオーディエンスを奪い合っているとかそういう感じでもないからまぁ本当に個人が勝手にやる時代なんだと思うしだからこそ個人が勝手に世界観作って作るものほど時代に適合したものはないって思うんだよね。そこがまぁ前に書いたデータベースの時代から色々な諸要素をパーソナライズする時代になってるってことねっていうかそれは全てがアーカイヴ化されているっていう仕組みのプロセスの中に当然あるフェイズなんだよね。そのフェイズとアングラなブラックメタルってのが凄く相性が良いんだよね。まぁあと他にも勝手にやる同人音楽とかも同じだと思うけどねっていうか所謂メジャーみたいなのがなくなってむしろ固定ファンの絶対数ってところから見るとそこそこ有名な同人音楽のほうが所謂メジャー音楽よりよっぽどメジャーだったりするからね。良い時代ですな。本当に。


あ、あとサタニズムをモチーフにしたやつとかの大半がよく言われるような逆キリスト教みたいなやつだったりするんだよね。キリスト教ありきでそれに依存し過ぎてたりするからこそナダルリバースエボリューションして十字架を逆さにするしかない!というような安易なものね。まぁキリスト教ディスることはあれそこまで実際のキリスト教なんて気にならないはずなのよ。やっぱそれを体現してるのがニーチェだよね。あと前に張ったblack metal theoryの本に載ってたエッセイでdoomな思想家って言われてたショーペンハウエルとかね、真な意味でdoomってそういうことだよね。別に音楽である必要はない。そういう意味でショーペンハウエルはめちゃめちゃdoomだよね。でも凄くそのwill powerってのが重要になってくるわけだしスピノザ的に言えば力という能力とその潜在性でしか存在は存在しえないと言うようなね、それを汎神論として解釈するとまぁ色々とディティールを端折り過ぎにしてもまぁそのままペイガニズムっつーか自然主義とかwiccaに近いものになるんだよね。もともとそういうもんだと思うのね。禍々しいものを崇拝するんではなくwill powerのためのアセンションというのを目指すっていう個人的なスピリチュアリズムとか神秘主義ってことだよね。


だからまぁ仮にdoomedであってもそれを変えられるのはwill powerという潜在性しかありえないんだよね。それを神秘主義的なレベルまでにも高めるとかなりスキゾにはなるけどバタイユっぽくなるんだよね。そういう意味であくまで理知的というかね、観念的ではあるけどそれは思想的に真摯な結果そうなるみたいなことなんだよね。あたかもスピノザが大っぴらではないにせよ遠回しにキリスト教批判をしていたというような理性の産物なんだよね。そもそも真面目だったら神なんて存在を肯定できるわけないし理不尽すらも内包するなんてじゃあなんであの人があんな死に方をしなきゃいけないのか?みたいな単純なことすらもキリスト教的な神という概念からは説明できないっつーか逆に神がいたらそれはおかしくね?ってことだらけになるからこそ神がいたとすればそれは汎神論的かアニミズム的なもの以外ありえないってことになるよね。そういう意味だと意外と神道とも相性が良かったりしてなかなか悪くないねーって感じになるんだよね(笑)教会には行けないけど神社なら全く問題ないっていうね、ましてや神道って悪霊も崇めることで祟りを鎮めてなおかつ神として鎮座させるみたいな概念があるじゃん?


別に悪魔主義ではないんだけどただ単純な善悪ではないんだよね。そこがやっぱりアニミズムと近い自然崇拝とかと似てる部分なんだよね。色々あるし色々な神がいるしいろんな場所にいろんな神がいるでしょうってことなんだよね。悪いものも良いものもあるし良いものとされていても扱いを間違えれば悪いものになるし逆に悪いとされてるものも扱いが良ければ良いものになったりあとまぁ特定の業種の人には縁起が良いとされていたりとかperspectiveだよね。そのperspectiveの層の数だけ現実があるし層の絡み合いとか成立は認識と不可分だしそれは文化然りだしまぁドゥルーズガタリ千のプラトーってそういうことじゃないですか?まぁこれも元ネタは結局はスピノザだしね。そういう生命力とか力という能産的能力とか潜在性のツリーとその構成と生成みたいなことだからね。サタニズムが信奉するwill powerってこれ以外の何物でもなくてだから全然呪いとか悪魔とかぶっちゃけ関係ないんだよね。まぁただその「力」とか「生命」ってののrepresentationってのをするとサタンとか悪魔とかになったりするってことなんだよね。ようはそういう力とかアグレッシヴさっていう意味だと所謂神聖な神々とかじゃないんだよね。んでもそういう個における神々なんだと考えると神道の神々と近い感じがするよね。


それこそ農耕における神とかさ、まぁfolklore的な感じだよね。そういう意味だと信仰というよりも近い友達みたいな感覚のほうが正しい気がするんだよね。崇拝ってことは従属するってことだしそういう神々に従属するなんてまずサタニズム的にありえないもんね。そういう従属にfuck!を言うわけでさ、まぁルシファーの精神ですよね。そういう意味で従属よりも自由を選んでそのために死ぬってことで悪魔主義ってのは自由を尊重するのもそういうことだしまぁ結局これってロックの精神と同じじゃん?だからまぁロックなんだよねっつーかボンボンしかロックをやらなくなっている昨今、本当にロックと言えるものなんて真のブラックメタル灰野敬二ぐらいのもんだろうって思うんだよね。まぁあとあれか、あんま詳しくないけどちゃんとしたパンクとグラインドコアとかハードコアとかかな。まぁとりあえずどれもゴリゴリ過ぎてメジャーにはならないよねっていう(笑)まぁでも本当の反抗って意味だとパンクもいいけどやっぱルシファーに勝るものはないと思うんだよね。自由のために神々とも戦うって反骨精神あり過ぎでしょう。実際にバクーニンだかもサタンこそが最初の革命家なんだ!みたいなこと言ってるしね、アナーキストが言及することも多々あるぐらい象徴的なわけだよね。あとプルードンもサタンに言及してたね。


あ、んで唐突だが長くなったからそろそろやめるわ。んじゃまた。