島村スカム音楽。その2。

島村スカムの続きなんだけど、じんじゃさんから書き込みをいただいて中村さんと大門さんもなかなか凄い!ということで見てはいたんだけど改めて見ると確かに凄いんだけどアヴァンギャルドというよりかはイロモノとかキワモノ感が強いなと思っていて昨日の流れには入らないかな・・・と思ってたら例のナカムラさんの凄まじい発見をしてしまって例のFXブログでもディグられていた中村さんの動画はこれなんだけど

 

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確かに杉本拓とかモートンフェルドマンを聴いてるような無を感じるんだけど

 

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プログレッシヴとでもいうのか例のナカムラさんの曲の初期バージョンがあって実質のデビュー動画があるんだけどなんとそのバージョンはビートレスでしかも異様なエコーというかリバーヴがかかってて恐ろしいアンビエントみたいになってるんだよね。独特の浮遊感があってすげーヤバい。

 

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会場の鳴りでこうなってるのかな?と思ったんだけど恐らくトラック自体がこうなんだろうな。マスターそのものにリバーヴ全部かけちゃったみたいな、マスターのFXのリバーヴを間違ってオンにしてエクスポートしちゃったみたいな音になってて元の前衛性がさらにプログレッシヴになってるんだけどそう思うと2014年バージョンはビートが入って音楽化はしてるんだよね。それでも強烈なんだけど初期バージョンはまた画面の暗さも相まってすさまじいヴァイヴスが出てるよね。音響ソングとでもいうのか。場末のモールで「はぁー疲れたー」とか思いつつボーッとしてる時にモール内で流れる打ち込み軽音楽がモールの広さと人の少なさによって天然リバーヴがかかって異様な寂しさを演出してるみたいななんかそんな切ない気持ちになる音だよね。なんかしらの幻想的なノスタルジーを感じるし何しろ凄いのがこの長さだよね。結果的にミニマルアンビエントみたいになっててハイコンテキストで言うとギャヴィン・ブライアーズのタイタニックみたいな感じだよね。

 

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もしくはWilliam Basinskiの崩壊系のテープループか。

 

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昨日からの続きで言うとやっぱり島村スカムというかすでに評価されている島村スカムも含めて特徴はただの稚拙さとかではない独特の前衛さとそれこそ一流の音楽家が色々と極めた末に達するような境地みたいなのに天然でたどり着いちゃってるみたいなところだよね。shaggsにザッパのコメントがあったりカート・コバーンのフェイバリットだったりするのもやっぱりそういうハイコンテキストなところがあるからだよね。なんかまぁ赤ちゃんの演奏とかにこれは凄い!とかって美術とか芸術とかに深入りし過ぎた人たちが感じてしまうようなアンビバレンツとでも言うのかな。なんかあるじゃん?そういうの。美術とかあんま分からんけど象が描いた絵が凄い!とかね、イノセンスが故に抽象芸術の極みみたいにもなるっつーような偶然性だよね。

 

多少の音楽的感性があると凡庸にもなりかねないような絶妙に危ういところで音楽的感性が無であるかマイナスぐらいだからこそ絶妙なアヴァンギャルドになっているというね、昨日のロンドンビートとかにしてもいきなりジャムしてああいう音が出たならともかく何回も練習しててバンドのメンバーも周りもあのアウトチューンのペンペケ音になにも突っ込みを入れないっていうのが凄いんだよね。そういう意味での奇跡というかね、逆に周りに少しでも音楽的感性がある人がいればストップがかかっちゃうような要素が天然であるがゆえに残ってるっていうか、んでも回りっつーと普通のドラム叩けてる人もいるじゃん?っていうそういうところが面白いってのは昨日書いたよね。バンドも島宇宙化してるのかな?自分のパートだけこなせばいいや的な感じなのかただのアナーキーなのか、そういう意味でタージマハール旅行団とかMEVなんかの即興性にも通じるものがあるな。まぁ即興のメソッドっつーよりかは音のベクトルだよね。

 

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これはEAST BIONIC SYMPHONIA

 

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そしてMEV

 

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こうなってくると初期ESPなんかにも通じるよね。でも初期ESPって関連付けられるようなあからさまなプログレッシヴさよりもGiuseppi Loganみたいな天然さってのが近いと思うんだよね。

 

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あとまぁこんなのとかねっつっても超インテリ音楽なんだけども。

 

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ニコ動系のMADなんかは完全のこの源流なんだよね。バカ音楽に見えてすんげーテクニカルっていうね。

 

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こういうのも高度なテープコラージュだもんな。コンテキストが違えばアカデミックな現代音楽にもなりえるような、素材が違うだけでバカ音楽になるか現代音楽になるかっていうのが決まるっていうね、まぁファクターはそれだけじゃないにしてもニコ動系のMADなんかも島村スカムと違って頭の良いやつがテクニカルに作ってるっていう意味で技巧派ではあるんだけどバカ音楽じゃん?でも手法的にアカデミックたりうるテープ音楽的であるっていうね、まぁそこも面白いアンビバレンツですわ。

 

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スネ夫EDMなんかはむしろ音というよりカルチャーをコラージュしてマッシュアップした作品だよね。サウンドコラージュ系が音だけでやっていたようなことをドラエモン+EDMっつーマッシュアップをすることで概念的なコラージュになってるんだよね。だからその文化が分からないと何の意味もなさないっていうのがまた大きいよね。日本人にしか通じない感覚というかね、ドラエモンで笑えるっていうのも文化だからね。あるある文化だよね。

 

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楽器っつーより音声をリズム化するっつーのを概念的ではなく天然でやってグルーヴ感を出してたのがゲットーハウスとかで

 

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DJ Funkを偏愛してたけど好きだったのはゲットー感っつーより当時凄まじくオブセッシヴだったコラージュ感とかサンプル感だったなー。

 

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当時は手に入らなかったけどコラージュの名作と言えばやっぱ俺的にこれなんだよなー。

 

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ただ音を繋いだだけじゃなくて本当にまりんと常盤響の音楽的センスとモンド感が出るっつーDJ以上のDJエディット感っつーのかね。

 

スカム系になるとDum Dum TVとかね

 

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んでこうなるとグラインドコアっぽくなったりもするよね。

 

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んでポルノグラインドとかにハマってた時期に好きだったのが死のバスケットとかPrincess Army Wedding Combatね。何がスカムかってトラックの半分ぐらいがアニメとかエロビデオからのサンプルだったりして

 

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エピックなのがニコ動にフルであがってるんでよかったら。音楽的コペ転が起こりますよ。

 

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1797904

 

いや、でも本当にコラージュ的なんだよね。

 

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ここまで色々挙げても初期ナカムラ音源が最強ってのが凄いよね。

 

そんな感じで今日はこの辺で。