楽器のスキルと音楽のセンスは別って話。

ジャズギターについて調べてると特にジョーパスなんかの異常さっていうか尋常じゃない感じってのが分かってきてまぁそれは一聴しても分かるレベルなんだけど分析すると理屈としてとにかくヤバいことをやってるってのが分かって愕然としたりあとそれ言い出すと楽器全般なんつーかprodigyみたいなのっているじゃん?6歳ドラマーとかっつってyoutubeとかで再生数凄かったりとかね、まぁこれ言い出すと楽器自体はそれこそ数学と一緒で上位数パーセントの天才が支配してるみたいな世界でぶっちゃけ努力じゃどうにもならないレベルってのがあったりするけど数学はともかく楽器が違うのは楽器のスキル=音楽の良さではないからだよね。

 

超絶ギタリストっつって確かに超絶だけどセンスが逆の意味で超絶的に悪くてだっさいメタルのピロピロフレーズしか見せどころが無かったりうまいんだけどエンヤみたいな胡散臭いニューエイジの音楽の上をリバーブとディレイがかかったギターのアルペジオみたいなのを弾きまくるとかぶっちゃけテクとセンスって全く別なんだよね。それは別にギターに限らないよね。クラシックの超絶ピアニストと呼ばれる人がクラシック以外での音楽コラボ!なんつって例えばEDMのダサいトラックとか一昔前で言えばトランスみたいな曲調の上を超絶ピアノ弾いたりバイオリンでもそういうのあるけどセンスが壊滅的だとこうなるよね。ぶっちゃけもうテクとかどうでもいいわっていう(笑)

 

いや、どうでもよくないけどね、でもやっぱセンスだよねっていうところだとDJで言うところの選曲だよね。ターンテーブリズム的なこととか機材を使ったテクニックってのもあるんだけどやっぱり選曲でしょ。まぁそれがありきでテクも映えるわけでクソみたいな曲かけてるDJのミキサーとかのテクニックが凄くても意味ないもんね。クソみたいな曲をかけてる時点で終わってる。でもまぁそういうのを聴く客ってのはいるしそれは一つの世界ですよね。だからなんかそれってこんなダサい曲じゃだめだ!ってことにはならなくてそういうダサい選曲をするDJと客っつー世界で終わるわけだからなんつーかセンスの上下とかじゃなくてもうそういうもんだっていうことだよね。

 

で、だから例えば天才的な楽器のスキルを一つ選べますっていうコースか音楽全般のセンスの良さを選べますっつったら音楽のセンスを選ぶよね。そっちを選んだら天才的な楽器スキルは得られないけどめっちゃ練習して鳴らしたい音楽ってのを鳴らすことができればオッケーじゃん?っつーか天才まで行かなくても凄いね!っつーレベルまでは努力でなんとかなるでしょう。でもセンスは努力じゃどうにもならないからね。ファッションセンスとかと一緒だよね。超絶イケメンかファッションセンスを選べますっつってどっちを選ぶか?っつったらこれまたファッションセンスだと思うんですよ。まぁそこそこの顔付きだったらの話だけど(笑)あ、んで超絶イケメンにせよさっき書いた楽器スキルにせよセンスは壊滅的にダサいっていう条件付きね。それだったらセンスを選ぶでしょってことなんだよね。

 

イケメンだけどダサかったらセットアップみたいな雑誌コピペみたいなファッションでカッコつけられるかもしれないけど根本のセンスがダサいと大体音楽のセンスとか映画なり趣味とかもダサかったりするわけでそれだったら超絶イケメンじゃなくてもセンスがいいほうがよっぽどいいよね。超絶イケメンは整形とかしない限り無理だし努力じゃどうにもならないけどセンスでいくらでも雰囲気イケメンになれるからね。でも別にそれって顔がそこまでイケメンじゃないのを色々盛るというよりかはあふれ出るセンスで
結果的に雰囲気イケメンみたいになるっていうことなわけで足りなさをセンスで補うっていうことではないんだよね。

 

んで楽器の場合、それが楽器だろうがっつーか楽器なわけだから音楽なんだから結局センスでしょう。その楽器でなにやるの?ってところが問題でやる音楽がダサかったらテクが凄かろうが何もかも死ぬわけよね。んでまぁなんつーかロック系っつーと語弊あるけどそんなにギターテクなくてもかっこいい音楽できるのが近代音楽だと思うんだけどそれってまぁ複雑じゃない簡単なコード進行とかでもかっこいい曲作れるっつーかカッコよさに複雑さなんていらないわけだしかといってもコード進行とかメロディがかっこよくても音色がダサいとかバンドの雰囲気がダサいとかってこともあったりして何もかもがかっこいい!ってのは滅多にないわけでそこはやっぱりもうセンスなんだと思うんですよね。

 

これってでも楽器の天才的な生まれつきのレベルに比べたらセンスが良い人って圧倒的に多いわけだよね。だからまぁ救いがあるっつーかセンスがあれば仮に機械音痴だったり音楽理論とかさっぱり分からなくても音楽できるんだよね。逆に音楽やってて機材とか詳しいし楽器もできるけどセンスが壊滅的だった場合、ただ音楽ができるってだけで良い音楽はできないからね。そういう意味でセンスが生まれつきなんだったらまぁ音楽の才能も生まれつきなんだと思うけどそれって楽器の天才とかに比べれば倍率はそこまで高くないよね。

 

あ、んでジャズなんだけどね、所謂ジャズ期っつーか特に音楽の初期ってやる音楽が固まってたりしたからセンスより楽器の上手さでなんとかやっていけたってのがあるんだけど例えば後期のウェス・モンゴメリーなんかはまぁジャズじゃ食えないっつーんでA&Mでのイージーリスニング路線みたいなのをやってたんだけどまぁ本人曰く別にそこまで音楽にこだわりはないっつーか音楽は人生における要素の一つでそれをすべてにしたくないとかって思ってたみたいでだからまぁそういう路線も金のためっつって出来たんだろうなっていうまぁなんつーか70年代とかになるとスタンダードだけやってアルバムを出すみたいなのが無くなって個々のプレイヤーがリーダーアルバムをある程度コンセプトなり音楽性を提示して作らなきゃいけなくなったっていうことでそこでセンスが露呈し始めるってのがあったと思うんだよね。そこでまぁジャズの黄金期は良かったけど例えばフュージョン路線になってからがダサすぎるとかね、ただのスムースジャズみたいになっちゃったとか色々あるわけでしょう。

 

でもそれってなっちゃったっつーより元々のセンスがそうだったんだけど黄金期はスタンダードをフォーマルにやるってのが普通でセンスがそこまで問題にならなかったってのがあると思うんだよね。クラシックとかもそういうイメージがあるよね。フォーマルに例えばバッハ曲集とかやってる分にはそりゃバッハだからいいんだけど自分のアルバム出しましたっつって変な打ち込み入ってたりクラシックをジャズでやってすんげーつまんねーアルバム出したりとかっていうのがあるよね。プレイヤーとしては凄いんだけど音楽家としては凡庸っていうね、それだったら楽器のスキルは普通でもぶっ飛んだアルバム出したいりすんげーかっこいいの出してるほうがよっぽど音楽的に成功してるってことになるよね。

 

ハービーハンコックなんかまさにそうでしょう。初期はまだフォーマルなジャズ期だったけど自分でやり始めてからのセンスがバリバリで後のレアグルーヴクラシックになるような作品群を生み出したと思えば80年代にRock itみたいなの作っちゃうしプレイヤーとしても凄くてセンスある人ってのはまさにこれだよね。でもまぁすげー稀有だわな。ジャズギターとかも俺が元々好きじゃなかったのってダサいのが多いっつーイメージがあったんだよね(笑)

 

DJ的な意味でジャズを掘ってたときにレアグルーヴっぽいかなって思って買ったらすんげーダサいジャズギターのアルバムだったとかっていう外れがやたらジャズギターってイメージがあって実際にまぁダサいの多いと思うんだけどね。あとやっぱ父が持ってたパットメセニーのアルバムかな決定づけたのは(笑)中学ぐらいで音楽聴き始めたときにジャズも聴き始めてたんだけどパットメセニーもジャズだって言われて聴いたらすんげーダサくてその原体験みたいなのがすげー強いよね。それ思うとまぁなかなかのムネアツですよね。今こうやって何年も経てジャズギター自体をディグってると思うとね。

 

まぁでもよく言われてることらしいけどジャズギターってそもそもリズム的なバッキングのものだったのがまぁチャーリー・クリスチャンによってソロ楽器化はしたんだけどそれは本当にチャーリー・クリスチャンによって確立されたジャンルぐらいのもんでようは何が言いたいのか?っていうと管楽器とかってジャズに合うんだよね。元がジャズに合う楽器ってあると思うんだよね。ピアノとかもそうだけど。んでまぁヴィブラフォンとかある種異質なもんなんだけどミルトジャクソンみたいな開拓者がいたから成立したっていうどっちかというと人工的っつーのかな?あとまぁやっぱ地味だし管楽器とかの派手さとかジャズメッセンジャーズみたいなあんなメンバーで超絶グルーヴィーなジャズを演奏してるって中にギター入らなさそうだし(笑)

 

難しいわりに地味な楽器っつーかだったらエフェクター繋いで派手にロックとかやったほうがいい感じなんだけどここがまぁテイストっつーかジャズギターってなんか枯れた詫び寂びがあるっつーか独特の味わいがあるのよね。まぁそれはやる側になってからの認識の変化なんだけどね。よくもまぁこんなジャズ向きじゃない楽器を無理やりジャズ化してるよなっていうなんかやっぱ初心者の俺だから思うのかもしれないけどギターってジャカジャカ弾くフォークとかカントリーとかコードで弾くロックとかってのが明らかになんが特化してるっていうかそういうのに向いた楽器だよね。あ、でもまぁクラシックギターがあるか。

 

でもまぁそこでさ、なんかジャズギターなんつってコードだけで誤魔化してるのとか多いけどメソッドとかを研究して単音でソロを取ったりできるってのがまぁ凄まじい技術なんだよね。あとまぁチャーリー・クリスチャンを開祖とするヘリテージというかさ、いや、高柳とかも単音を中心に演奏することにフォーカスしてたみたいだしまぁジャズじゃないんだけどデレクベイリーなんかもコードなんてやろうと思ったことすらも無いなんて言ってたような気がするしコードってまぁあれだよね、ロックとかで特にまぁアンプとかエフェクターとの兼ね合いですげー良くなるけど単体だと本当にただのコードだよね。

 

なんの音楽性もないっていうかさ、確かにそれやってれば弾けてるように見えるけどただコード押さえてるだけっていうまぁそこで歌う部分ってのがまぁ単音弾きだよね。そこでやっぱりブルースだよなって思うんだよね。ブギとかの基本リズムとかコードはありつつ歌いの部分はスライド使ったりチョーキングとビブラートでこぶしを効かせるっていうなんかそこにギターの歌があるって思うんだよね。そこに凄く魅力を感じるっていうところなんだよね。まぁロックはロックでかっこいい音が出るようにしてパワーコード弾いただけでかっこいいっていう威力がまた魅力だし高度だからいいとかってことでもないんだよね。

 

ただまぁ一つの楽器なのにすんげーいろんな面持ってるなっていうかそのversatileな感じがすげーなって思うんだよね。もちろんまぁ俺はノイズから入ってるから当然ノイズも超出しやすいっつーかノイズやるにはギターが一番だろって思うぐらいだし当然音響やらドローンやらシューゲイザー的なものからRafael Toralみたいなアンビエントまでできることが多すぎるっていうか多面的過ぎるよね。

 

で、なんかいろんなジャンルやってて死にスキルがないっていうかどのスキルもあらゆるジャンルで応用可能っていうそれ自体が一つの宇宙になってるっていう感じがあるよね。んでまぁそれプラスギターマニア的な機材的な楽しみとかアンプとかエフェクターとかさ、なんか男の趣味の極みって気がするんだけど結局なんつーかそのギターを歌わせるっていうところをコアに置いておくと他のジャンルやっても歌うよね。結局ギターが歌ってるロックをやってるバンドとかも最近のはともかく創成期のはやっぱ根本がブルースだからこぶしなんだよね。演歌のこぶしの部分がブルースの歌いの部分っつーか。

 

ジャズだとそれがまぁ単音のソロのアドリブになるんだよね。通常スピードではとても今じゃ無理なジャンゴ・ラインハルトなんかもメカニカルトレーニングみたいなのをやるよりよっぽど楽しい運指訓練ができる曲が多くて運指訓練だと思ってジャンゴの曲とかは練習してるけどね。あとまぁ前も書いたけどジャカジャカだけど色んなジャンルのストロークってボキャブラリとして持っておいていいわけでフォークも勉強になるよね。初心者にはうってつけだし。

 

まぁ基本ジャズでたまにブルースに戻って・・・みたいなのをやってんである程度上手くなったらロックに戻ってくれば相当ロックも弾けるようになるだろうなってのがあるしやっぱジャズとかに比べたら楽な曲多いでしょ。だからまぁ最初からえげつない難易度のものをやるのは悪くはないですよね。数学の時にやってたいきなり高等数学やっちゃうのと同じだわ。んでそういうのやってから学部数学とかに戻ると楽で理解が早くなるでしょ。あとまぁ限界的練習だよね。コードジャカジャカやってる分には弾けるような気になるけどそれだけやっててもそれ以上上達しないから難しいのにチャレンジしてみるっていうその難しさってのを超上級なものにしちゃえばコンフォートゾーン突き破りまくりでしょ。何しろジャズギターやるわけだからね。

 

チャーリー・クリスチャンのソロ分析とかを本で読んでるけど元々音楽やってて本当に良かったなって思うところが多いですよね。いきなりこういうのやっても分かるからね。音楽の知識があるし譜面も音符をギターに落とすのは無理だけど音符読めないわけじゃないからソロっつってそれこそ細かく分割してあるやつだとその小さいパーツだけなら練習して弾けるようになるからね。もちろん弾けました!だけじゃだめでどういう理屈でそういうことになってるのか?っていう理論的な裏付けも必要なんだけどそういうのがまぁ統合されて音楽の感覚もより養われていくんだなって思うと毎日楽しくてしょうがないですね。

 

っつーかもう寝るわ。んじゃまた。