また血盟団について。

mimisemi2009-07-31

血盟団についてまたちょっと書きたいんだけどさ、今はね、小沼正の「一殺多生」を読んでるんだけど、血盟団って右翼テロリストとかって言われるけど全然そんなことは無くてさ、実体は基本的に革命集団なんだよね。それは井上日召の一人一殺を読んでも思ったし、小沼の本を読んでいて本当に思ったんだけど、基本的にさ、みんな凄まじいヒューマニストなのね。それこそなんつーのかな?下流の人達が飢えてたりしてて街にはホームレスが溢れかえってて失業率が半端じゃないのに内閣は何もしねぇーみたいなのにすんげー憤りを感じていた若者達の集団なんだよね。血盟団って。井上日召をリーダーとした世直し集団というかさ、日召のイデオロギーっつーとあれだけど、根幹を支えてるのは法華経でさ、まぁ大乗っつーとあれだけど、日蓮なんだよね。革命家としての日蓮に価値を見いだしてるっつーかさ、結局は「善い社会」に話が行く着くよねっていうような感じっつーのかな?


血盟団を一言で言うならあれだね、行動派の革命的仏教集団って感じかな?ふつーの僧侶っつーとあれだけど、まぁふつーの坊主はさ、「嘆かわしい世の中だ」とかって嘆きつつまぁずーっとお祈りをしてるとかね、街を回って慰安するだとかさ、教えを説いて慰めるっつーとあれだけど、まぁそういう感じなのに対して血盟団は完全にインフォーマルな修行僧集団なんだけどね、行動しなきゃ何も変わらないだろ!っつーんで武装決起っつーとあれだけど、要人暗殺するべよ!っつって命を投げ出して行動するっつーか国に尽くすっつーのかな?ようはあれね、国賊を成敗するっていう発想でテロとは全然違うのね。


まぁイスラム教にしてもさ、テロとは言ってもようはさ、ブッシュが十字軍がどうのとかさ、西洋のキリスト教とかがイスラム教を弾圧してたり否定してたりさ、ようはイスラム教を踏みにじってたりするから過激なイスラム教徒は「許しちゃおけん!」っつってさ、まぁ自爆したりするわけだよね。まぁ自爆テロとかは全然容認できないしね、それは赤軍テロとかも同じなんだけど、血盟団が凄いのはさ、まぁ右翼テロリストの特徴なのかもしれないけど、ピンポイントなんだよね。一人の要人を暗殺することにピンポイントを置いてさ、絶対人を巻き込まなかったりね、無駄に人を殺したりしないのね。


そこをバカな左翼テロリストとか過激派はとりあえずビルを爆破してみたりするわけじゃない?目的が爆破っつーかなんつーか。それに比べて血盟団は目的がはっきりしててさ、国賊の討伐なんだよね。こんだけ人が飢えてるのに何もしないなんでどういうことだ!っつーさ、んじゃそれの原因を作ってるやつらは誰だ!っつってそいつを殺すんだよね。これははっきり言ってさ、まぁ刺客じゃない?テロじゃないんだよね。テロは恐怖を煽ることでメッセージを伝えたりするじゃん?で、血盟団はそういう意味でテロなんて一度もしたことが無くてさ、要人暗殺しかしてないんだよね。だから全然テロじゃないの。「右翼テロリスト」なんてレッテルは大間違いもいいところだよ。


まぁあんま美化しすぎちゃいけないけど、やっぱ彼らは国士だったよね。本当に国の事を思ってさ、自分の命を投げ出して暗殺に挑んでたわけでさ、日召もそうだし、日召の弟子達っつーか血盟団のメンバー全員がそうだったと思うんだけど、みんな目的のために死ぬ覚悟が出来てたんだよね。だから捕まった後に拷問とかを受けても平気でいるわけ。だってもう死ぬ覚悟が出来てるわけじゃん?それには警察も驚いたらしいんだけど、これが彼らの精神性の高さだよね。俺はこういうのに真の革命家の魂を見るね。「革命だぁー」なんつって暴れてた無知な左翼テロリストとかさ、自称マルキストどもとはえらい違いなわけ。北一輝もそうだったけど、血盟団がなんで右翼に位置づけられるのか?っていうとそれはやっぱ彼らがさ、日本国っつーのを軸にした「善い社会」を目指していたからだよね。プロレタリア独裁とかさ、コスモポリタン運動とかじゃなくて、あくまで日本の国体とかさ、天皇の存在とかね、日本のエトスとハビトゥスに根ざした革命運動をしていたんで、まぁ右翼になるんだろうけど、でもまぁ革命家魂って意味だとさ、まぁ彼らは最強だと思うよね。日本の最高の革命家集団だったと思う。


革命っつーとどうもやっぱマルクスとかさ、学生運動とかのイメージが湧くじゃない?でも違うんだよねー。彼らはただの騒ぎたいバカでさ、言うなればスーフリノリで暴れてただけなんだよね。逆を言えば今左翼運動がナウくてさ、マルクス持ってるだけでモテてさ、とりあえず投石とかしながら機動隊とぶつかってればかっこよかったりモテたりすればやるやつらいっぱいいると思うんだよね。マルクスとか読まずにね。そんぐらいレベルの低い運動だったわけだ。日本の左翼運動はね。ちなみにシアトルだったかのさ、なんかマルチチュード的なお祭り騒ぎあるじゃん?グローバリゼーション反対!とか言って暴れてるやつら。ああいうのも同レベルだと思うね。反対なのは分かるけど、彼らの先にビジョンは無いんだよね。とりあえずお祭り騒ぎするのが目的っつーかさ、「なんで反対するの?」って聞かれても「グローバリゼーションは世界をダメにするからだ!」ぐらいにしか答えられないモブみたいな連中が騒いでるだけなんだよね。理論なき運動なんて何の価値もないよね。まぁ運動なき理論も勝ちないかもしれないけど、そこを両立させたのが血盟団だったよね。


具体的な政治学的なビジョンとかがあったかはともかくとしてっつーかまぁあった上で革命運動にコミットしていた本当の革命家っつったらやっぱ北一輝だと思うんだけど、血盟団もさ、日蓮をバックに行動する僧侶達だったわけだよね。で、一殺多生っつーのは仏教のタームでさ、多くを生かすために害をなす一人を殺すことなんだけどね、あの船の話あるじゃん?盗賊がいる船でさ、他の船のメンバーが盗賊によって迷惑をかけられたりさ、それこそ強姦とかされてるなら仏であれば仏であるほどその盗賊を殺すんだよね。小室直樹も言ってたけど聖人って聖人であればこそ人を殺すんだよね。だから孔子は悪徳大臣みたいなのをガンガン処刑したんだよね。


流刑とかでいいじゃん?って気がするけどそこは殺すんだよね。佐藤優も言ってるように思想ってのは殺すものなんだよね。行き着けば殺しに行き当たるぐらい凄いもんが思想なんだよ。俺に言わせれば世間から気違いだ!って言われない思想なんて思想じゃないね。そんなもんフニャチンがやる思想だよ。だからさ、学会とかと折り合いをつけたり、世間とか出版社とかとの折り合いをつけて思想とかを形成っつーとあれだけど、まぁ出版したりさ、まぁそういうので思想もどきをやってる人達って本当にムカつくよね。迎合と哲学とかさ、迎合と思想ってアンチノミーそのものだからね。それをやってのけてるソフィストどもが多いんで本当に腹が立つ。彼らの生きかたそのものがもうソフィストリーだろうなーって感じだもんね。


まぁそれはともかくさ、チベットだったっけ?あのベトナム戦争だかに反対するっつって焼身自殺した僧侶ね。あの僧侶が行動派だったらさ、殺されるのを覚悟でベトナム戦争を担ってたような要人を殺しに行くんだよね。仏教と殺生って両立しないように見えるでしょ?でも俺に言わせれば殺さない仏教なんてただの事なかれ主義のさ、日和見仏教だと思うよね。本当に世の中を救おうと思うならさ、それこそ血盟団みたいに刺客になって悪徳要人に天誅を下すとかさ、そういうことをやらないとダメだよね。こういうこと書くと捕まるんだっけ?今って?情報なんたら法とかで?


それはともかくね、俺が言いたいのはさ、殺さないということを大前提にするってこと自体が間違いなのね。殺すということがアプリオリに悪となる構造がおかしい。癌で言えばがん細胞を殺すのは良いことじゃない?社会にもがん細胞みたいな連中いるよね?それを殺すことがなぜいけない?って話なわけ。「細胞も生きているんだから彼らの生を尊重しないと・・・・」とかって医師が言ったらさ、患者の家族は激怒するよね。「なめてんのか!てめぇー!」って。がん細胞を殺すのが医者の仕事ならさ、国士の仕事ってやっぱ同じく社会の癌を殺すことだよね。まぁそれだけじゃないけどね、でも俺はそう思うからだから血盟団は掛け値無しに素晴らしい仏教集団だったと思えるわけ。彼らのような連中を国士と言うんだよ。


まぁようはさ、繰り返しになるけど、要人暗殺とテロは違うからね。まぁテロの定義にもよるけど、俺の勝手な定義だとそれは恐怖なのよ。恐怖を煽ることね。いきなりスーパーで爆破があったとかさ、ビルで爆破があったとかさ、そういうので大衆の不安を煽ることで政治的メッセージを送ろうとしたりね、そういうのを利用して自分たちの目的を遂行しようとするやり方ね。それとは対照的に要人暗殺ってのはさ、例えばね、すんげーありえない常識はずれな税金を使い込みをしてなんのお咎めも無かったような官僚とかにね、天誅を加えるって意味でぶっ殺すっていうようなまぁ法とかではどうにもならないところを一般人が命とか人生を捨ててまで正義を体現させるっつーかさ、ようは変な話ね、凄まじいレイプ犯とかさ、殺人鬼とかがヘラヘラしながらのうのうと生きてるみたいなのが許せなくて遺族が人生を捨ててまでそいつを殺しにいくっつーのもまぁ天誅だよね。ようはこういうことよ。凄まじくヒューマニスティックで道理が通っている行動でさ、テロでもなんでも無いのね。それはそんな殺人鬼が裁かれずにノホホンと生きているっつーのが許せないっつって天誅を下すっていうさ、まぁある意味で現状のそいつを裁けなかった法とかね、社会のあり方に対するアンチテーゼでもありメッセージでもあるわけだよね。


要人暗殺も同じね。「ナメたことしてるといつでもお前を殺しにいくやつらはいっぱいいるぞ!」みたいなまぁ腐敗した官僚とかに恐怖を与えるっていう意味でのテロだよね。でもそれは恐怖によるチェックスアンドバランセスだよね。良い市民であればあるほど国賊を葬ることになるわけ。まぁそれは強烈にしてもさ、でもまぁコンセプトはようはそういうことね。だから全然テロとは違うし、ちゃんとピンポイントでマジでダメな官僚とかを殺せればそれは社会にとっては良いことだよね。税金を個人的なことに使いまくってたとかさ、キャバクラで税金を使いまくってたとかさ、そういうやつがいたら殺されて然るべきじゃん?まぁ俺はそう思うけど、今はそうは思わない人が多いみたいね。でも少なくとも戦前はそういう若者が多かったんだよ。で、組織の後ろ盾とかもなくいきなり自分で乗り込んでそういうやつらを殺そうとしてたりしたやつもいるとかいないとか。まぁ政治に対する危機感と憂国の意識は凄く高かったということだよね。理想的な市民と言えるよね。


仮に俺が言うようなさ、哲人政治が実行出来てもこういう暗殺集団は必要かもね。腐敗したらいつでもその哲人達は殺されるっつーね、究極的なチェックスアンドバランセスだと思わない?官僚も怖くて下手なことは出来ないっつーね、そういった官僚に対するテロはやはり必要でしょう。っつってまぁまたこういうこと書くと捕まったりするのかな?まぁ俺は自明のことを書いてるだけなんだけどね。「よく殺されないよなぁー」って人達政治家に多いよね?逆を言えば殺されないから彼らはやりたい放題を続けることが出来るんだよね。でもバカ右翼の体たらくっぷりと言えばさ、天皇を侮辱したから殺しにいくとかそんなんだもんね。本当にレベル低いよね。もっと国家単位で物事を考えろって思っちゃう。仮にその市長でも政治家でもさ、天皇を批判してたりしてもさ、良い市長だったり良い政治家だったら殺される理由なんて無いんだよね。でもバカ右翼は「天皇が侮辱された」っつーんでもう条件反射的に殺しに行ったり脅しに行ったりするんだよね。俺に言わせればあの怖いタイプの右翼のああいう脅しの感じとかさ、マジで殺されるかもしれない・・・っつーあの感じを本当の国賊に向けられれば右翼も関心されると思うんだよね。それを天皇云々とかレベルの低い話で襲う襲わないって話をしてるからダメなんだよな。


恐らくバカ右翼も血盟団のように本質的にピュアに政治とか国のことを考えれる人達がいないんだろうね。あとはヤクザの隠れ蓑っつーか政治団体って言えばとりあえずオッケーみたいなんでヤクザが右翼団体やってるとかね、そういうレベルじゃ右翼の名が泣くよね。そういう意味で本当の右翼にとっては中途半端でダメな右翼の存在は邪魔だろうなぁ。俺が過激派右翼だったら絶対邪魔だなーって思うもん。過激派っつーのもさ、本当の意味での国体維持とかね、それは右翼的なクローズドな意味じゃなくて、「善い社会」のアーキタイプとしての国体を維持するっていうさ、そういう目的で活動してたらまぁ過激派っつーんでちょっと怖いけど基本的に市民の味方だよね。だって国賊を討伐する集団じゃない?そういう意味での革新を求めない保守の姿勢は俺も理解出来るなぁー。まぁもっとも現状の社会じゃ大掃除が必要で保守もクソも無いけどね。みんなラディカルになって革命家になるしか無いぐらい国がダメになってるから。あ、んで怖くないや。だって過激派っつってテロ集団じゃなくてさ、暗殺集団だったらさ、いきなり町中で爆弾爆発させるとか無意味なことやらないじゃん?むしろ尊敬される暗殺集団だよね。怖くもなんともない。むしろ味方。怖いのはテロリストだよね。国のためを思ってるって言われても全然そうなってないし人殺ししかやってないっつーのが最悪なのね。連合赤軍みたいなやつらね。ああいうのはマジで最低だね。


ってことでね、まぁ分からん、権力側が怖がってっつーか嫌がって再出版をしてないのかなんなのか前にもオススメした今回のエントリーに出てきた井上日召の「一人一殺」と血盟団メンバー小沼正の「一殺多生」は特に現状の社会に疑問を抱いて蟹工船とか読んでるような人達にはもっと効果的な蟹工船的役割を果たす本だと思うんで、蟹工船もいいけど、この2冊を読んでくださいね。マジで。必要なのはプロレタリア革命じゃなくて血盟団のような憂国の意志だからね。「俺らは奴隷のように働かされている」っつー実存だけで蟹工船を読んでるならそりゃただの慰みだよね。オナニー。本当に国のことを思うなら井上日召と小沼正の本を読みなさいってマジで言いたい。「刺客」という概念はマジで必要だし死滅させちゃいけないワードね。


ってことで今日はこの辺で。


PS


攻殻機動隊の個別の11人がインスパイアされた革命評論っつーのがさ、まぁつまりはあれかね、血盟団で言うところの法華経なのかね?あ、逆か。個別の11人が血盟団を恐らくモデルにしたと思うんだけどね、だとしたらあの革命評論のモデルは法華経だろうね。


一殺多生―血盟団事件・暗殺者の手記 (1974年)

一殺多生―血盟団事件・暗殺者の手記 (1974年)

一人一殺 (1972年)

一人一殺 (1972年)

アマゾンで買えないとは思うけど、蟹工船もいいけど、蟹工船に感化されたんだったらとりあえずまぁ両方ともどうにか手に入れて読んでみてっつーか日本にとってちょータイムリーな本であり思想だと思うから。なんて再発されないのかがさっぱり分からないぐらいの名著だよ。2冊ともっつーか特に小沼のは半生記としても小説としても面白いっつーか文才が半端じゃないから絶対読むべし!!!!耳蝉激レコメンドです。


あと鈴木邦夫さんの血盟団についての熱い文があるんで貼っておくねっつーかまぁ前にも貼ったんだけど。


http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/2207/2007/shuchou1001.html