テクノボン再読。

mimisemi2010-09-01

いやさ、テクノボン再読終えたわけだけどさ、最初が笑えるよね。対談形式なのに「テクノはあおい」みたいなんで始まるみたいな。時代を感じさせるよね。90年代前半の香りがする。それにしてもなんか改めて読んでみて思ったのはさ、前にも書いたか分からないけどさ、テクノって過去の音楽からの歴史があるんだよね。それがまぁクラフトワークであったりファンクであったりニューウェーブだったりするんだけどさ、テクノって90年代にいきなり変な形で出てきた特殊なものっていうよりかは極めて過去の音楽を踏襲しているものなんだよね。それはハウス然りだけど。


いや、昨日書いたかもしれないけどさ、それが90年代後半ぐらいで終わった感じがあるよね。特にテクノの初期ってクロスオーバー感があるじゃん?色んなものが混ざってる感じっていうかさ、それが逆に今聞くと良かったりするんだけど、90年代後半とかになると洗練されてきてさ、まぁそれ自体が独立した音楽みたいになったじゃん?まぁ俺の印象だけどね。所謂、人間臭さがある70年代とか80年代バンドみたいなのから続いてるっていう感じがなくなってくるじゃん?まぁジャンルが独立したって感じだよね。で、まぁテクノが死んだのかは分からないけど、なんかまぁ過去のものって感じはするよね。俺の思うテクノってやっぱ初期はデリックメイからのデトロイトとかさ、あとはベンシムズとかノーフューチャーみたいなまぁTresor周辺っつーかさ、でもTresorもまぁなんつーかすっかりエレクトロニカっぽくなったじゃん?まぁ最近ってことじゃなくてまぁ2000年以降ってことなんだけどね。


で、なんか荒々しさみたいなのが無くなってさ、どれもこれもなんかイマイチ特徴が無い感じになっちゃってるよね。で、今はテクノボンの影響で色々と初期のテクノを聞き返してるんだけど、なんつーかすげー荒いんだけどカラーがあるんだよね。特徴っつーかなんつーかさ、その作ったやつが持ってる音の感覚とか音使いってのがモロに前に出てるっていう、まぁ結構プリミティブな感じだよね。あと卓球のファーストとか結構いいっつーか何気に卓球のアルバムではベストなんでは?って今なら思えるね。ベルリンがピークでそれからは80年代のエレクトロディスコみたいな路線になって全然好きじゃなくなったんだけど、卓球の時系列で言えばやっぱファーストとベルリンまでだよね。ようは90年代中盤から後半あたりまでってことね。この辺が一番テクノらしいテクノっつーかなんつーか。あとBlack Dog Productionsいいよね。Black Dogではなくプロダクションのほうね。MIDIアンビエントテクノみたいな感じのさ、一昔前のパソコンのFM音源でそのまま作りましたみたいなサウンドがすげーいいんだよねっつってもモノによるんだけどね。何人かのプロジェクトだからさ、毛色は全然違ったりするんだけど。


あとリッチーホーティンのDecks 909のやつはもう10年以上ずーっと聞いてるけどさ、あれがまぁようはなんつーかミニマルテクノの終焉って気がするんだよね。リッチーもアレ以降エレクトロニカみたいなさ、クリック系みたいなののミックスになったじゃん?俺的にはベンシムズとかキラバイトとかさ、あの辺がすげー好きなんだけどね。で、プラスティックマンなんだけどなんつーかいいよね。やっぱ。あのテケテケビートは今聞くと逆にいいっつーかなんつーか。狂った808の使い方するよねー。303よりもプラスティックマンってやっぱビートだよね。スポポポポポスポポポカラランカラランみたいなビート。


っつーかなんであんなにテクノって凄かったのかな?っていう。テクノボンでもさ、80年代とかにアートオブノイズとかなんとか色々出てきた時に卓球が「忙しくなるぞー」っつって腕捲ってたとか言ってさ、んで90年代にまた色々出てきて次は両腕を捲ってたらしいけど、確かにテクノボンで卓球が言ってるように音楽ってすげーパーソナルなものになったのは確かだよね。デスクトップミュージックっつーよりかはもうラップトップミュージックみたいな感じで。でもさ、なんか変な言い方になるけど、断絶があるんだよね。なんか俺の印象だとそういうのってもう過去からの音楽の繋がりがないっていうかさ、まぁある意味で90年代のテクノを高校生ぐらいの時に聞いてた人達が音を作ってるってことなんだろうけどさ、いや、仮にそうだとすると断絶は必然的だよねっつーのがさっき俺が書いたテクノの成熟なんだよね。


過去の音楽とは独立した感じになったテクノとかドラムンベースみたいな一連のクラブ音楽ってのを聞いてきた世代が音を作ってるってことでさ、その独立したテクノを作り上げてきた人達ってさっき書いた70年代からの音楽の流れがあって、んで最終的に独立したテクノってのを完成させた感じになったと思うんだけど、俺みたいな世代ってもうすでに過去との断絶がある音楽を聴いてきて育ってるからさ、だからなんつーかある意味で音に対して即物的なのかな?って気はするよね。まぁそれは90年代中盤ぐらいのクラブ音楽を聞いて育ってきた人達に限る話だけどね、まぁもちろん他の音楽も聴いてるんだろうけど、少なくともテクノを聞く上で卓球とか野田さんが聞いてきたようなさ、ああいう70年代からの流れって体感してないじゃん?そういう意味での断絶ってことが言いたいわけね。


テクノはあおいどころかテクノってのがある程度完成された時期に聞き始めてるわけだからさ、音楽のあおさって経験してないんだと思うんだよね。あおさを感じたいのならあえてそのあおさを聞くために過去のものをディグるみたいな感じだよね。でも卓球とか野田さんとかってあおいのしか無かったような時代に聞いてたわけだからさ、音楽体験は違うよね。


だから俺が勝手に思うにさ、卓球みたいな世代の人達ってのがすげー良い音楽体験をして育ってきた人達って感じがするよね。あとはもっとさかのぼれば坂本龍一みたいなのもそうなんだけどさ、ああいう世代の人達って音楽がどんどん進化していって変わってきているってのを常にリアルタイムに感じ取りながら何十年もやってきた人達じゃん?それこそテクノロジーの進歩とかも凄かったわけで。でも俺みたいな世代の奴らってデフォでもうデスクトップじゃん?で、今のもっと若い人達なんてデフォがラップトップだもんな。まぁ全員が全員ではないんだけど、でもまぁ言いたいことは分かるでしょ?


なんかさーテクノボン読んでると羨ましくなっちゃうんだよね。ああいう音楽経験をしてきたってなんかいいなぁーって感じなんだよね。まぁ俺は俺でもちろん良い音楽経験をしてきたけどさ、でも卓球とか野田さんみたいな世代の人達はやっぱ凄いよね。サンプラーなんてもんがあるらしいぜー!ヤヴァイ!みたいなのからさ、クラフトワークのビートでラップしてるぜぇー!すげぇー!みたいなさ、なんかそういうのだらけじゃん?凄いよね。あとノイズとかインダストリアル系とかもリアルタイムで聞いてたわけでさ、それこそ80年とかその辺でさ、レコードかけたらいきなりEMSノイズが出てくるとかどういう衝撃だったのかなぁー?って思うよね。


俺が始めてSPK聞いた時なんてさ、とっくにメルツとか散々聞いてたから全然たいしたことなかったんだよね。ようは俺みたいな世代って音楽成熟期に音楽を聴き始めたってことだよね。だからこそ初期のテクノとかはスルーだったわけだよ。だって普通にかっこいい音圧が凄いミニマルテクノとかいっぱいあったわけでさ、初期のテクノなんてスカスカでかっこわるいって感じてたからね。んでもこうやって時間が経ってさ、新しい目でなんつーかレアグルーヴっつーかモンド的なさ、古いものをあえて掘り出して聞くみたいな感覚で聞くと良い初期のテクノっていっぱいあるんだよね。あの初期の完成されてない感じとか音質がいいっていう。それはつまりは俺が原体験としての初期のテクノってのをリアルタイムで経験しなかったからだよね。音楽を聴き始めた頃にはもうそういう初期のテクノは時代遅れって感じだったからさ、だからまぁ完全にオミットされてたわけだよね。で、そんなオミットされてたものを改めて聞くとすげーいいなぁーっていう、まぁこれって結局レトロ感覚でもあるよね。


ってことでした。ある意味で聞く音楽が増えたってことで良かったのかな。オービタルとかね、今聞くと相当いいね。あれも。初期のLFOとか。



プラスティックマンのベスト盤だそうです。全部持ってる俺にとってはいらないものだけど、んでも興味があったら買ってみてください。もち耳蝉アフィ経由で。



これが例の10年間聞いてるやつね。



これめっちゃいいわけ。これがさっき書いたFM音源みたいなMIDIアンビエントってやつね。



これは言わずもがなやね。いや、Black Dogは全然前から聞いてたけどさ、上に貼ったBytesってやつがね、いや、良いわけよ。なんか言ってる意味分からなくなってきた。



これはテクノの最強ミックスの一つやね。



俺的に卓球のアルバムではこれがベストなんだって今日気がつきましたわね。今日はテクノを浴びるように聞いてたけど、なんともまぁーやっぱテクノっていいねぇーっていう。まぁこのアルバムはテクノっつーよりかはダブとか色々なんだけど、とにかくまぁオススメですね。



LFOだとやっぱこれが一番好きだな。We are backが一番好き。



オービタルとオーブはややこしいけど、まぁオーブではこれが一番な気がする。オービタルはまた今度貼るわ。今日は色々と貼り過ぎだよね。



これが件のテクノボンね。人面牛という意味ではなくて。



いや、いきなり数学なんだけどさ、これ読んでてさ、途中からさっぱり分からなくてさ、「やっぱ俺、数学向いてないのかな・・・」とかってヘコんでたんだけど、アマゾンのレビュー見たらやっぱ説明が雑っつーか相当分かり辛いみたいでさ、なんか一安心って感じっつーと変だけど、まぁあまりに「んー?なんじゃこりゃ?」って思ったらさ、自分の頭を疑うより本を疑ったほうがいいってことだね。本の内容が分からないからっつって自分が必ずしもアホだというわけではなくて、それは本の記述が分かり辛いが故にってことのほうが多いわけでさ、まぁ極端な話、ポストモダン系とかもそうなんだけどね。あれは読み手が馬鹿なんじゃなくて書き手がわざと晦渋にしてるから分かり辛いんであってさ、それは読み手の地頭の悪さではないってことなんだよね。それ自体が分かり辛いってことなわけで。いや、アフィで貼るの微妙なんだけど、まぁ参考程度に。