発振器系ノイズオリジンとしてのジミヘン。

新作ね。育毛ギターWeek3。

 

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前も書いた気がするけど音楽史としてのロックってやっぱ重要で今は好きで読んだり聴いたりしてるけど単純に教養的に重要だなと思ったね。まぁあくまで俺は発振器系のノイズが原理的にあってそっからロックへの転向とかなくてあくまで発振器系としてロックを聴いてるんだけどそこで重要なのがジミヘンですよね。もちろん前に書いた魂というところでもそうなんだけど勝手なロック学び中の俺のジミヘン論を展開するとって別に大げさなもんじゃなくて別に一般論としてあるんだろうけどノイズのオリジンとしてのジミヘンですよね。それも発振器系という。

 

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パフォーマンス的な意味だとStooges的なのが山塚EYE的というか身体性とかも含めたノイズって感じがするしまぁそれで言うとやっぱパンクロックってことなんだけど純粋に音っていうところだとまぁまだ色々と調べる余地はあるから断定できないけど極めて発振器的と言えるのがジミヘンだと思うんだよねっつーのはやっぱりフィードバック奏法を発明したってのもあるんだけどジミヘンのスタジオ実験とかどんどん音作りに凝りだして周りと合わなくなるとかベクトルが電子音楽的というかさ、ギターを発振器とした音作りっていう感じがするんだよね。

 

凄くまぁElectricですよね。電子機器を導入したっていうよりかはベクトルが極めてノイズ的なんだよね。まぁ年代はだいぶ後になるけどクラウトロックとかのまぁ所謂ドイツ系の電子機器の入れ方って電子音楽的だけどノイズ的じゃないよね。ノイズ的と言えるものもあるかもしれないけど今の観点からするとそう言えるのはないような気がしてて凄くプリミティブで原始的なノイズって意味だとジミヘンのフィードバックと爆音演奏っていうジミヘンが早死にしなかったらよりElectricなほうに進んで行ったんだろうなってのは容易に想像がつきますよね。

 

それこそエフェクター何台も並べるとかバリバリシンセ使うとかさ、まぁ生きてたらって意味だと逆にノイズ的なのに飽きて別な方向でよりElectricになってたかもしれないんだけど生きてた当時の限られた機材の中で本当にシンセっぽいことをやってたんだなっていうさ、シンセでノイズっつーとやっぱチュードアとかで音響ノイズっつーとクセナキスとかになると思うんだけど身体性が介在した痙攣系ノイズっつーかさ、グワーッとなるようなノイズって意味だとやっぱジミヘンだと思うんだよね。

 

現代音楽は進化の末に音響ノイズに行きついたとかアイデアのノイズって意味だとペンデレツキやらまぁ色々いたわけよね。んでもガーッとなるノイズってのはアカデミックな音楽じゃ当然ありえなくて必然的にロックになるんだけどそこでのジミヘンのぶっ飛びっぷりがやっぱりヤバいよね。Axis: Bold As Loveの冒頭とかそれまででも恐らく現場ではフィードバックノイズってのはあっただろうけど音楽として録音に残したって意味だとすげーなって思うよね。これをノイズを音楽に取り入れたとするかノイズを音楽にしたとするかはまぁ色々な言い方があると思うけどやっぱりノイズを音楽にしたってところがデカいと思うよね。

 

ノイズを音楽に取り入れるという意味だとそれこそよく言われるようにルッソロやら煩いノイズじゃないにしてもまぁ非音楽的なものという意味でミュージックコンクレートとか色々あるしまぁあとケージなんかもそうだよね。でもそこをブルースやらR&Bやらってのと混ぜて独自のロックにしたってところが凄いと思うんだよね。ビートルズがブルースの焼き増し的なのをロック形式でやったってのがまぁ革命的なんであればイノベイダーとしてのジミヘンはやっぱそのロック形式にノイズやら爆音って要素を追加したところだよね。ただ爆音だと他でもあり得るよね。演奏は保守的なロックでも爆音でやればノイズっぽくなるけどジミヘンのそれはノイズありきでロックがあるという感じがするんだよねっていうかまぁようはアンプを楽器として使うっていう手法ですよね。

 

ただまぁやっぱり高柳は同じような時代にすでにそういうノイズ的演奏を取り入れるどころか行きついた先にノイズがあってしかもそれが合間のギターソロみたいな感じじゃなくて純粋なノイズとしてやってたっていうただでも極めてこれはギター的なんだよね。発振器的ではない。そういう意味でノイズって言っちゃうのは失礼っつーとノイズがダメなのか?って感じがするけどあくまでジャズに包括されたノイズなんだよね。

 

そういう意味で枠組みとしてはチュードアとかクセナキスみたいな行きついた先系のノイズって意味でまぁインテリノイズっていうのかな。それに比べてジミヘンのは極めてプリミティヴだよね。そこで今俺が魅力を感じてるのは悪く言えば理屈っぽいインテリっぽいノイズじゃなくてロック的なプリミティヴなノイズなんだよね。相変わらず音的にはそりゃやっぱ高柳のノイズギターが最高なんだけど結局ノイズって突き詰めると論理として高柳の晩年みたいになるんだよね。クセナキス的な感じだよね。

 

そこをなんつーのかな、音響世代はヒップホップ的な感覚で「かっこよくね?これ」って感じで現代音楽とかフリージャズの音響的要素を再評価っつーより世代じゃないものですげー昔なんだけど超ラディカルで音がかっこいいのがあったっつー評価だったんだよね。俺もこういう感じで好きだったしハマっていったし。で、なんで今の俺がロック的なノイズにハマるのか?っていうとある意味音楽が絶滅しててロックスターなんてのも絶滅に瀕してる中ででもあくまでインテリ的なノイズの立場ってクールノイズみたいなさ、ラップトップで微動だにせずノイズを出すとかね、シューゲイザーは全くリアルタイムじゃないから分からないけどステージのプレゼンスがあんまりないクールな感じっていうところとかも音響系ノイズに繋がるっていうか90年代的ノイズってそういう感じだったと思うんだよね。

 

それに比べて80年代の日本のノイズとかはめちゃめちゃロックだよね。身体的なハードコアとしてのノイズってのがあってでもそこで90年代にクールなノイズがなんでかっこよかったのか?っていうとそれまでノイズっつーとそういうロックな感じとか身体的な感じってのがデフォだったのに対して身体性とかプレゼンスを抜きにした純粋な音響としてのノイズみたいなところだったと思うんだよね。

 

まぁ別にロックなノイズがダサいってことじゃないんだよね。すでにあったからこそフォロワーになるよりクールなノイズやったほうがいい的な感じっつーかね、あ、いやでもそこでマゾンナが海外のロック勢から評価が高いっつーのも単純にロックだからだよね。めっちゃロックだからでしょう。それで言うとやっぱボアダムスはキングって感じがするけどね。まぁそれで言うと天国注射の夜みたいなああいう前衛系っていうところになるんだけどそこでやっぱ日本が異様なのってその前衛性の異様さだよね。

 

奇抜さと奇抜なだけじゃなくてぶっ飛んでる度が半端じゃないっていうさ、音量も半端じゃないしノイズっつえばインダストリアルノイズっつってまぁTGとかSPKとかになるだろうっつってCD聴くと肩透かしを食らうっつーかさ、あくまでテクノポップとかクラウトロックとかっていうようなのを踏襲したサウンドだったりするわけじゃん?でもそこで日本のノイズってなると一気に轟音になってロック的要素とかフリー的要素とか前衛的要素がごっちゃになってるっていう凄く異様なものなんだよね。そういうのが80年代に同時多発的に出てきたっつーのが面白いよね。

 

そういう意味でジャズとか現代音楽とかロックの果てとかその中の方法論的なものではない純粋にノイズって意味でのノイズのみの音楽ってのはやっぱりオリジンは日本のノイズってことになるんだろうなって思うんだよね。まぁんでそういうノイズっつーのは90年代的な音の快楽っていうさっきヒップホップ的って書いたのはストリート的っていう意味でなんだけどね、ヒップホップの連中が難しそうなジャズとかにしても難しさっつーより普通にかっこよくね?っていう音の感覚でサンプリングするなりしてたっていうストリート感覚っていう意味で90年代的な音響の聴き方にマッチしてたんだよね。

 

その一方でまぁあくまでこれは俺の主観だけど個人的に生演奏系っつーかようはこないだ書いたような今の俺にはNaked CityとかGround Zeroが響くっていうのも音楽の中にあるノイズっていう意味で昔の自分はそういうのをフォローしてなかったっつーのとNakedにしろGround Zeroにせよやっぱり系譜がジャズなんだよね。形式っつーより系譜ね。でも当時のストリート音響的な感覚でノイズを聴いてた感じで言うとジャズっつーとまたそれとは別にクラブジャズとかが全盛期でジャズっつーと俺の中でクラブ音楽だったんだよね。

 

だからなんでジャズにノイズを混ぜる必要があるの?っつー歪な感じがあって、まぁようはガキには分からない音楽だったってことですわ。音響は楽だもんね。音がかっこいいとか面白いっつーんで聴けるから。ジャズ的なものはやっぱり深い音楽の歴史ってのがあってそれの最先端の前衛でああいうのがあるっていうところなんだけどガキだとそこまで分からないっつーかね、あとまぁあくまで音響系な聴き方だと音だけ聴いてるんじゃなくて色々と調べるにしてもやっぱり響き前提だから現代音楽とかの電子音楽に行くんだよね。あとまぁフルクサスとかね。ジャズには行かないっつーかクラブジャズとかスタンダードなジャズの敷居は低いけど本当のジャズってめっちゃムズいもんね。

 

フリージャズなんかもアイラーを聴いてたけどあれはペインキラー的な感じでグラインドコアっぽいジャズっつー感じで激しさって意味でやっぱり音響的な聴き方をしてたんだよね。まぁんでそっからブランクあるっつーかあんまり音楽に関心なくなったのがいつぐらいか忘れたけどまぁ色々と飛ばしてんでまぁ今はその高柳とかベイリー的な即興とかも含めた音楽的なジャズとかインプロっていう意味での音楽とかロックの中にある本質的なノイズみたいなのにフォーカスしてる感じなんだけどっつーかまぁ帰国後だよね。高柳の本とかを熱心に読んでたのは。

 

だからまぁそれは帰国前とかからもそのころぐらいにはフリージャズとか生演奏的な意味での前衛とかあとまぁノーウェイヴとかだよね。そういうのには関心はあったんだよね。んでまぁ数学に没頭してたっつーのがあるからまぁそこであんまフォーカスしなかったんだと思うけどまぁ阿部薫なんかも聴きまくってたのもまぁ帰国後すぐだよね。アートリンゼイみたいなギターが弾きたい!っつってギター買ったのがこの頃でまぁんですぐ飽きてやめてんで今またギター再ブームってところで次はロックが来た!っていう感じだよね。

 

新しいのが来た!っつーより既存のもので見えてなかったものの価値とかが色んなきっかけで分かるようになってるみたいな感じなんだけど、長年の学問癖ってのもあるだろうね。昔は音楽は音楽って感じだったのがだんだん理屈っぽくなってきてまぁようは学問系に手を出すと自分がフォーカスしたいと思うサブジェクト以外でもその当時の時代背景とか流れとかを知っておくってのは重要でそういう調べ癖がついたってのはあるよね。そういう中で今みたいな感じでまた音楽!ってやりだしてるからアプローチがそんな感じなんだろうねっつってもまぁ考えれば昔からそうだな。まぁそのストリート音響派だった時代にしてもすでにそうだったけどただやっぱ今はネットがあるからね。調べるのと聴くのが同時にできるからはかどり方が半端じゃないわけだよね。

 

Youtubeとかない時代は音源聞きたくても買うしかなくて勉強のために買うなんて余裕はないからジャケは知ってても聴いてないのばっかだったんだけどそこでまぁ例えばYoutube時代ではなかったときに読んでたディスクガイドなんかを引っ張り出してきて今ネットと共に再読するとまた色々発見があるよね。まぁこれも前からやってることだけどまぁ今は色々とロックをディグってる中でまぁ本当にはかどってなによりだなっていう感じなんですけどね。

 

ただまぁそこでなんつーのかな、凄く情動的なそれこそ阿部薫的な感じの激情型のノイズでなおかつノイズオンリーじゃなくて音楽になってるってのは滅多にないよね。シューゲイザーなんかは極めて音響派的だから逆に全然ロック感ないしそういう意味でこないたも書いたけどヴェルヴェットとかのアングラの60年代ロックとかの録音はやっぱり良いのが多いよね。ジミヘンにしてもよいのはもっぱらライブ録音ですよ。そういう中でのノイズってのがもうたまらんのよね。フルシアンテ然りだけど。でも別にレッチリのCD聴いてもフルシアンテのソロが永遠に続くわけじゃないからね。音楽的な趣味としてはレッチリは全然なんだけどフルシアンテのギターは好きというね、なかなか難しいよね。聴き方が。まぁだからYoutube便利なんだよね。ソロだけ見れたりするから。

 

なんかでもそこであれなんだよね、ベクトルがロック系に行ってるってのもあるのかもしれないけど理詰めのノイズとかベイリー的な脱音楽的なギターってのにはあんまり興味が無くなってきたよね。まぁそういうのはもうあるしすでに聴いてるし自分がやったところでなんにもならんしね、あとまぁ脱音楽的なのはテクニカル過ぎて難しいってのもあるんだけどそこでまぁロック的なのって例えばパワーコードのごり押しだったりっつーような良い意味でのアマチュアリズムがあるじゃん?ロックに必須ですよねっつってもまぁ今色々調べてるけどUKのプログレッシヴロックとかになると一気にエリート主義になるんだけどまぁ俺がフォーカスしてるのはプリミティヴなロックだよね。かといってもニヒリストスパズムバンドとかLAFMSみたいなスカム系とかじゃなくてノイズと音楽の絶妙なバランスがあるものだよね。

 

んでもそれがシューゲイザー的な音の要素としてのノイズなんじゃなくてロック的なノイズっていうところだよね。シューゲイザーとかってぶっちゃけ機材のリグとコード進行分かればできちゃうじゃん?音だけで言えばそれこそMaxとかReaktorのパッチとかでこうやれば音出ますよねっていうところになっちゃうよね。ここがまぁ俺的に音響系の限界だなって気がしてて仮に面白いプロセッシングの方法とかアルゴリズムが出てきても所詮はそれってソフトじゃん?そうじゃないんだよね。魂を発するノイズだよね。そういう意味でソニックユースのライブとかも相当見たけどまぁある程度のメジャー路線だからしょうがないにしても音とかノイズ的には当然ジミヘンよりソニックユースなんだけどさって比べるのがちょっと変なんだけどロック度は明らかにジミヘンなんだよね。もしくはフルシアンテね。

 

No Wave系もパンキッシュだけどやっぱりインテリがそれまでの音楽を脱構築してるみたいなポストモダン感覚があるからプリミティブさはないよね。あくまですげー知的だよね。それに比べて特にドラッグでぶっ飛んでるときのフルシアンテのギターソロとかボロボロの時のヨレヨレの録音とかこういうところに光るノイズがあるんだよな。そんな中で録音として自分が「これだ!」と思うところにフォーカスして聴けるのはやっぱりソニー・シャーロックのギターソロだね。あと最近発見したのが短いんだけどカートゥーン・ネットワークからリリースされてたやつね。

 

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あと技術云々じゃない情動と魂って意味だと阿部薫のサックス以外の演奏が今ドツボだね。

 

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あとカナダのジミヘンことFrank Marino。最高過ぎる。

 

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まぁそんな感じでこの辺で。