アシッド四方山話。その2。

ユニオンがセールだったんでまた大量に掘ってきたんだけどSoul Jazz Recordsが昔出したアシッドのコンピあるじゃん?で、あれの副題って「"Chicago Acid & Experimental House 1985-95"」なんだよね。ヴァイナルは二つに分かれててVol.2しかゲットできなかったんだけどそれ見てさ、まさにその目線なんだよね!っていうね、Experimental Houseっつーところだよね。

 

意味不明なことを口走ってるっていうかラリっててそういうことを言っているということを表しているのかめちゃめちゃなことを言っているみたいな声のサンプルとかが入りつつ普通のちゃんとしたハウスでは考えられない音のバランスとか展開のミニマルさなんだよね。初期は別にExperimentalでもなんでもなかったんだけど今聴くと実験的に聞こえるということだよね。

 

Rawなものにありがちな実験性ってテクの無さだったり模索段階だったりっていうプロセスの産物なんだけど意図的ではない分、生の実験性っていうかさ、そこの魅力だよね。元々完成されたものが好きじゃないからだからまぁアシッドに限らず前衛的としか思えないぶっとんだシカゴハウスとかが好きなんだよね俺。

 

ってことで今日のアシッドはプロディジーです。

 

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まぁただ渋谷とレコ屋と洋服屋は最高だわ。本当にリフレッシュできる。あとレコードも買い方が曲を真似るとか学習するとかサンプリングするっていう音素材っていう感じになってるよね。それこそキックだけ抜いて来てBatteryとかMaschineで置き換えてとかってのが楽だからテクノ作っててテクノ買うってのはサンプリング主体の音楽を作ってる人がネタとしてレコードを買うのと同じだよなって思ったんだよね。散々色々とサンプリングはしつつもレコをそういう動機で買ったことないからレコとしてはダメだったりDJ的に使えなくても音ネタになれば十分!っていう感じになるのがいいよね。

 

ってことで本編の続きです。

 

んでまぁその島村楽器で置くようになったアシッドマシンなんだけどデジマートで調べてたらカートに入れるって書いてあって在庫あんの?って思ったら次回入荷の予約らしくてだったらいつになるか分からんしペットロス酷いしアシッド極めたいしってことで予約するなら今でしょ!って感じで一切のためらい傷も無くオーダーしたんすよ。

 

そしたら次の日メールがあって入荷が2月下旬なんだと。え!!!って感じだよね。めっちゃ近いやん!!なんか俺ってめっちゃツイてない?っていうこれだ!って思ったことに関してのツキが半端じゃないよね。DAW関係もタイミングよく破格のセールとかで手に入れたものとか多いしミューズに愛されてるんだろう。恐らく。

 

ただまぁテクノというより一つの音楽としてアシッドを聴くようになって猛勉強する中で色々聴いてるとやっぱりRawなのが一番なのと303をいかに偏愛してるか?っていうのが出てるか出てないかで全然違ってくるよね。

 

ミニマルトラックの上に303乗せてるだけのやつはただのテクノで俺的にアシッドじゃなくてようはドアシッドなのが俺的にアシッドなんだよね。それで言うとやっぱりまぁ303一辺倒っていうか「すげーの見つけたぜ!」っつって303ビヨビヨ鳴らしてるだけの誰でも作れそうな初期のシカゴアシッドとかリバイバル期でもマッドマイクのAcid RainシリーズとかあとMike Inkよね。

 

改めて俺はドイツと縁があるなっていうか哲学にしても神学にしても親和性があるのはドイツ製のが多いしAcidlabもドイツだし何より昔から大好きなベーチャンがドイツじゃないですか?で、Mike Inkもドイツなんだけどドイツを言えばクラフトワークの国でもあるけどドイツの音って他のヨーロッパ諸国とかUKの猿真似アシッドじゃない独特の解釈と緻密さがあるんだよね。

 

でも決して細かいというわけじゃなくてまぁサウンドプロダクションは緻密なんだけど音数は少なくてシンプルですんげーかっこいいんだよね。音に一切の無駄が無いっていうまぁ初期のシカゴ勢のストリート感覚をインテリが解釈してやってる感じだけど他のヨーロッパの国みたいなスポイル感がないんだよね。独自のものを作り出してるっていう感じがある。

 

んでまぁ野田努の「ブラック・マシン・ミュージック」だけどさ、イギリスの雑誌でデトロイトとかシカゴのオリジンたちの対談の抜粋が載ってるんだけどまぁ本当にパクられまくってて例えばCJ Bolandがテクノを作っただとかクソみたいなメディアの喧伝があって雑誌とかがまだ影響力があったときにイギリスの雑誌とかも嘘ばっか書くからオリジネーター達にフォーカスされないっていうかまさに過去のブルースミュージシャン状態だったんだなとかって改めて思ったんだよね。

 

もうめっちゃテクノって黒人音楽なのに俺もまぁ今思えばケンイシイとかでテクノ入ったからっつってもまぁ日本の場合、それこそ野田氏のようなちゃんとしたリテラシーがあるライターがいたからオリジンはデトロイトとかシカゴだっていうことが教育されてたよね。

 

でもまぁガキだった俺はシカゴハウスが大好きだったし今も変わらないけどテクノっつーとやっぱR&Sとかのヨーロッパのイメージが強かったもんね。だいぶ後になってからだよね。デリック・メイとかホアン・アトキンスの偉大さを知ったのはね。まぁ映画のモジュレーションの影響も強かったよね。あれで歴史知れたってのはあったからね。んでまぁ俺が好きなアシッド以外のテクノだとハードミニマルとかだけどイギリスのマット・デイモンことSurgeon先生なんかは謙虚に自分はジェフ・ミルズのフォロワーなだけだって言ってたからね。あ、昔ね。んでまぁジェフミルズってそもそもURに居たわけでオリジネーターに繋がらないテクノってのが無いんだよね。まぁ当たり前っつっちゃー当たり前か。

 

あとあれなんだよね、303に最初にオーバードライヴかけたのってハードフロアじゃなくてLike A Timなんだってね。いや、Like A Timとかなんだよね。真のアシッドをやってるのって。まぁあとパリピになる前のリッチーホーティンも言わずもがなだけど改めて本を読んでてようは今みたいにネットがある時代じゃないから場所的なことが契機になってたりすることが多いんだよね。

 

リッチーホーティンってカナダ人なのになんであんな初期から本格的なテクノやってたんだろうか?ってのを思うと街の名前忘れたけどリッチーホーティンが住んでた場所とデトロイトが目と鼻の先だったんだよね。だからリッチーホーティンはデトロイトのクラブに通ってテクノを研究していたっていう昔ならではの地理的な話っていうかさ、フィジカルな近さってのがモロに影響してるんだよね。

 

あとまぁガキの頃は分からなかったファクターとしてテクノってのは一台ムーヴメントではあったんだろうけどそれだけで食える人間なんて少なかっただろうって中で身銭を切ってレーベルやってレコードを出してたのとか凄いよなって思うんだよね。beatportでこないだ大量買いした初期から2000年初期ぐらいまでのDjaxとかもすんげー尖ってることやってたんだな!っていうさ、ハードフロアとかみたいに決してCDとかでリリースされないリアルなアンダーグラウンドの音よね。ひたすら鳴るリズムマシンと303と狂ったサンプリングとかさ、その狂気よね。

 


こういうRawなものでもリリース出来てた時代って思ってたけど改めて俯瞰的に聴いてみると実験的なのも相当出しててさ、だからまぁカルトレーベルなんだろうなとは思うんだけど特にLike A Timは本当にヤバいね。

 

出る時代を間違えた早すぎた天才って感じだわ。ヒーロー扱いされるハードフロアって結局ファーストが一番で他は凡庸なテクノじゃん?音質はさすがだなとは思うんだけどそれ言い出すと同じドイツのさっき書いたMike Inkとかアシッドじゃないけどベーチャンとか凄い人たちはいくらでもいるからね。だからまぁ生アシッドってことよね。コンドーム無しのアシッドね。

 

ゴム無しアシッドって呼ぼうかな。アシッド妊娠させることが目的のアシッドザーメンみたいな音だよね。凄く303ってのはイメージがザーメンに近いんだよね。ビヨビヨグニョグニョしてるのが性器のこすり合いと長い音で「ビヨーン!」って音を出すと射精っぽいイメージになるしリズムマシンはセックスのリズムみたいでスケベ椅子を使ったようなテケテケリズムのトラックをPlastikmanで作ってたホーティン先生はそれを分かってたのか曲名がFukだったりするからね(笑)確かにファックっぽいリズムなんだよなーっていうね、腰がガクガクいってるファックなリズムっていう感じよね。機械の官能というかね。

 

イルさってヒップホップとかファンク系のサンプルをいじらないと出ないと思いきやリズムマシンでこそ出る黒さとエロさってのがあってまぁオリジネーター達の音は凄まじく黒いんだよね。

 

まぁあと黒さで言うと90年代初期になるけどロバート・アルマーニとかのリズムとかって男根っぽいよね。すんげーアソコが太そうな音というかさ、2000年以降のテクノがクソみたいなのばっかってのも完全にデジタル化されてただのフォームになったからだよね。んでミニマルなんつってもクリック系の音で低音がブンブンいってるだけみたいな、まぁMike InkのStudio 1とかはかっこいいんだけど問題は2000年代以降のクソテクノだよね。大御所もそういうの作ったりかけたりしてるからさらにヤバいよね。

 

だからみんな90年代が黄金期だ!って言うんだろうね。まぁマジでそうだよね。懐古とか無しに今って色んな時代のを勝手なマイブームとかで切り取って聴けるじゃん?これが今俺の中で流行っている音!っていう世の中の流行りとかと関係ないところで個人的なムーヴメントが起きているっていう中でまぁ俺の中でRawなテクノってのがマイブームなんだけどやっぱりファンクネスなんだよね。それは。DAWとかのパターン貼りつけとかではないアナログリズムマシンの強引なプログラミングと乱用からできるような乱暴な音だよね。

 

ってことで続きますんでんじゃまた。