あーあ、哀れな松井。なんであたしに勝負を挑もうと思ったのか。マイネームイズアップジョン。メテオハンマーの達人です。ここでシーンが切り替わったりすればいいんだけど実際は闘いなんてこんなもので余裕で問題は後処理なんだよね。
まずハンマーについた血と肉片を洗うのが凄く面倒。死体はそのままにしておけば狼とかが食べてくれるからいいとしてハンマーの掃除が毎回面倒なんだよね。なかなか血って取れなくて。ただまぁ鉄製だから血の匂いと鉄の匂いが混ざって分からなくなるからスメル的な部分は問題ないんだけど血がついてると練習している時におまわりさんっていうか市民が
「血まみれの鉄球を振り回している人がいる」
って通報しかねないからね。おまわりさんは武術に理解があるからいいんだよ。怖いのは市民だ。なんでもかんでも通報だ。なんでもかんでもバブルスターのCMに出ていた俳優の大半はもう亡くなっているだろうな。清く美しくバブルスター。なんでもかんでもバブルスターって言っていた半蔵さんはビルを殺そうとしているあいつの刀を作ってあげたんだよね。
夕張師匠はそいつに殺された。でも復讐してやる！ってほど夕張師匠との関係性が深いわけでもないし恩師って感じでもない。どちらかと言えば中国の黒夫人のほうが気になる。でも全然夕張師匠は黒夫人の話はしてくれなかったな。なんかもっと秘技みたいなのを習っていたんじゃないか？って勝手に思ってる。
まるで家で殺人を犯したような気分だな。バスルームで鉄球を洗うだなんてさ、肉片はまとめてトイレに流すと詰まることがあってトイレのお悩み110番みたいなところに電話したらトイレのお悩みの人が110番しそうだったので「豚肉です」とかって誤魔化したことがあったっけ。
ハンマーの練習もマンネリ化するんだよな。張り合いがある相手がいないし決闘っていう時代でもない。最近はもっぱら黒夫人の行方とか逸話について調べているんだけど中国語以外にほとんど情報がないから中国語を勉強している。黒夫人が生きてたら黒夫人に師事したいと思っている。
「あなたの夕張仕込みのハンマーは完璧ね。でもここが甘いのよ」
とかって訂正されるのが夢だな。限界までスキルを上げればなんだか生まれてきた甲斐があるというものでしょう。武器を振り回したり来る刺客とか暴漢を倒すにしても殺り甲斐があるよね。張り合いだよ、張り合いがある。最近はハンマーが命中した時に綿ロープ越しから相手の肌の張り合いとかを感じるようになった。スキンケアをしていたのだろうなとか、大体してないやつが多いし襲ってくるのが男ばっかだからね、でもまぁ年に何回かあるぐらいだから基本退屈。
夕張師匠にやっぱり鎖がいいのか？って質問をしたときにっていうか夕張師匠は生涯鎖派だったけど「そういうのは自分で考えろ」って言われたんだよね。なんでもかんでも教わるっていう態度がつくと全然武術的にダメみたいで。確かにそうだよな。今も実戦があるけど実戦が日常茶飯事だった戦国時代の武将とか中国の武術家とか、彼らのメンタルをトレスしろって言われたんだよね。おいおい無理だろって思ったけど今はだいぶ分かるようになってきたな。
夕張師匠は昔は家庭教師のアルバイトをしているって言ってました。プイグが好きで括弧無しのプイグにしたいって言っていたのは北条さんでした。あんまり北条って苗字の人に出会わないな。それで、あなたのお名前は？アップ・ジョンです。ジョン・アップダイクとかじゃなくて？はい。アップ・ジョンです。
歩いているだけでギシギシなる廊下はどうなのだと思った。バッグに入れたハンマーの重さがあるのかもしれないけど800グラムぐらいだからあんまり関係ないな。誰かが言ってたんだよね。特に襲われることはないんだけど昔だか過去だかに襲われた経験があったとか前世がどうとかで短刀を常に持ち歩いていたという記憶があって、だから今も軽犯罪で捕まらない程度の護身具を持っていると安心するって。
でもハンマーは護身具だろうか？護身具という言葉が合っているのかも分からない。避妊具みたいだもんな。具って貝って漢字と似てるなって思ったらほぼ同じじゃん。そこであたしは冷た貝売りを思い出した。そうだった、あの短パン野郎。クソ野郎。ジャケットを脱げばTシャツに短パンになるからいいのにあのジャケットがおかしいんだ。だから冷た貝を買うことになったしっていうか「ジャリッ」って凄い音がしたと思ったら冷た貝に混ざってた砂だったというね。
んであの短パンとはどうなったんだっけ？クンダリニー的に言えば霊的な種子である精液を無駄に放つわけにはいかぬとか言って我慢汁をほとばしらせながらそのまんま短パン履いて帰ってたよね。変なの。下巻が無い下巻が無いとか言いながら短パンを履いていて1円で売っているから買ってもいいんだけど送料を入れると361円とかになるからやっぱり探そうか迷っているっていうか迷っているなら探すか買うかの二択なのにそれ以前の段階で迷うってどういうことなの？
短パンとは違う中さんって人が「マンピーのGスポット！Gスポット！」って歌いまくってたんだけど中学の頃だったから意味が分かってなかったんだろうね、今だったら即座にハンマーで打ち砕くのにといっても中学の頃のあたしは夕張師匠にも出会っていなかったしハンマーの才能も鞭の才能もあるとは思っていなかったから。
短パンは誰かに似ていると思ったら中さんに似ているんだったな。でもなんの下巻だったんだろう。むやみに人を殺すべきではないし「中さんに似ているから」という理由だけで殺すんじゃ全然武侠っぽくない。あと撲殺っていうと鈍器を思い切り振りあげて叩きまくるという感じがするけどあたしが使っているハンマーの場合、分銅鎖の分銅の部分がハンマーになったものなんだからしなやかな武器で殺しているという感じがあるわけだし軟器械なんて中国では言われるものね。中国語でメテオハンマーのことを言うのはオマンコっていうよりなんか照れ臭いものがあるから言わないわ。
便器の前でオナニーをした後、その手淫の手の匂いを嗅いでいる女を見たから余計に裸になってハンマーを振り回したくなったものだわ。滅多に人は殺さないけど殺した後の血まみれのハンマーの突起の部分をクリトリスに当てながら絶頂に達するとエドワルダが神になったような気分を味わえると思ったからね。
四六時中、欲情しているとしか言いようがない。春樹村上の小説で言えばバーに行ってビールを飲んで変なつまみを食べるんじゃなくて全裸になってゲロまみれになりながらもビールを飲みながら乱交するとかね、ズボンを脱いでいるのにまだズボンを脱ぎ足りないというような感じ。
武器フェチといってもね、武器が好きでコレクションをしている人間と使いこなす人間とあたしみたいに使いこなして人も殺してそれでオナニーするっていう人間もいるっていうことを忘れないでほしい。だって予想もしないだろう？そんな人間がいるということを。
