Meditations on The Train。

ういっす。いや、外出したんでまぁ色々とまた思ったのでそれ書きますね。


ってなわけでレコードか洋服か?って迷うところですけどもね、いや、まぁ狩場は秘密だけども昔行ってたところも含めて結構回ってきたけどヤバいね。全然無いのね。まぁ当たり前なんだけどね。飽和しているという。あとモンド的なものも含めてIT化の必然で安い珍盤みたいなのが皆無になってんのよね。大体それなりの値がついちゃってる。まぁモンドバブルの時期から比べたらマシだけどねっていうか俺が掘ってた時期って恐らく一番レコードが高騰してた時期だから体感としてはもちろん今のほうが安いんだけどでもまぁ無いね。ホント。


それにしてもまぁ渋谷死んでますな(笑)いや、レコ屋って意味じゃなくて街がね、普通のただの通り道だよね。まぁいいんだけどね。そういう時代だからしょうがないし。まぁあとあれだよね、モンドっつったらもうモンド屋みたいなところに行くしかなくてそこってもうセレクトショップみたいになってるか掘る楽しみが無いんだよね。それなりの値段で選ばれて置いてあるから掘る感じがない。まぁでももはや掘る時代でもないのかな?って気がしてきたよね。まぁそんな中で通い続けてだんだん買っていくみたいな感じなんですかね多分。まぁただホント、マーティンデニーとかエスキベルとかバクスターとか全く見かけないよね。まぁもう持ってるし別にいらないんだけど掘られるべきものは掘る人によって発掘されてコレクションになっているのだろうなっていう感じがしたよね。


まぁそりゃそうだよな。レコ屋解禁!なんつってそんな都合よくポンポン見つかるわけないよね。まぁただそこで掘ってて「あーダメだなこりゃ」ってディガーの本能で分かるんですよ。そうなると頭の中で描いていた使うお金の比率がどんどん洋服になっていくんですよね。で、俺が今凄く気にしているのがバチェラー度なんだよね。モンド本とかで小柳帝とか鈴木惣一朗が書いていたように「金を持て余した独身貴族が趣味に金をつぎ込んでる感」ってのがまぁバチェラーパッドミュージックのコアな部分なのよね。だからそれはレコードっていう音楽ソフトにもそりゃ金が行くわけだけどオーディオ趣味とかになっていくわけだよね。で、いかに「これがステレオなのです!ハイファイなんです!」っていうのを良いオーディオで楽しむっていう独身貴族感だよね。Swinger的な感じね。


ももはやそれは無いんだよねっていうか「モンド」としてセレクトされたレコードにモンド感は無いわけよね。投げ売りされてたりゴミレコードの価格範囲で売られているってのがやっぱポイントなんだよね。まぁそんなのもう無いし俺が掘ってた頃にもそんなのとっくに値が付いてる時代ではあったんだけどまぁそういうのを買うのはクールじゃないんだよね。もうなんかそれはソフィスティケートされた趣味なわけですよ。ハイブローな趣味だよね。でも俺が考えるモンドって人知れずわけのわからないことをやってるとかなんでそんなにマジになってるの?っていう感じとかね、時代に迎合しない感じっつーかまぁ洋服にしてもさ、売るために「今はこれ!」みたいな感じをすげー出すわけじゃん?


だから一昔前のを着てると「懐かしい」みたいな感じになっちゃうんだよね。でもそうじゃないんだよねーっていうか「今はこれ!」ってのほどダサいもんはないわけでなんかまだね、いや、今日行ってきたんだけど普段も本読んでるわけで電車の中ですらも本読んでる必要ないなとか思って往復の電車の中で色々考えてたんだけどやっぱり自分の考えるモンドとかバチェラーな感じが大事なんだよね。凄まじい道楽感というかね、そういうものをレコードに求めるのは無理だなって思ったんだよねっていうかナイーヴ過ぎたんだよね。


いや、なんで埋もれてるとかって思ったのか?ってことだよね。そりゃセレクトされてそれなりの値段がついてるのが当たり前でしょうっていうね、まぁただこないだ行ったところは例外だったんだけどね。まぁそれは矛盾するかもしれないけどね。別にセレクトされててもっつーか値が張るからこそ独身貴族は高いレコードとかも買うんでしょう?っていうね、でもそこは違うんだよなー。路上に落ちてるようなレベルのゴミからモンドを拾い上げるというプロセス自体がモンドなわけでさ、でもまぁ今の時代っつーか特に日本みたいに文化的に先進国過ぎる場合、価値的なものが発掘され尽くしてるからゴミすらも残ってないんだよね。根こそぎアーカイヴ化されているか価値を認められて値が付いてるか?っていうところなんだよね。


そこでまぁ珍しく引用は面倒でやらないけどロラン・バルトを引用するけどね

ダンディとは(その服装だけに限定しての話である。というのも、周知のとおり、ダンディズムとはただの服装の在りかたとは別のものだからだ)、卓越した者の衣服をある絶対的ロジックに従わせて、過激なものにしようと決意した男のことである。一方で、彼はたんなる卓越化以上のことをする。彼の本質はもはや社会的なものではなく、形而上学的なものだからだ。ダンディは決して上流階級と下流階級を対立させたりなどしない。


個人と凡俗の民の絶対的対立だけが問題なのだ。いや個人というのも彼にとっては一般的すぎる観念であって、彼が自分の衣服を読ませようとする相手は、いかなる比類項もない、純化された自己自身なのだ。だから究極的には、ナルシスさながら、相手は自分自身、ただ自己あるのみなのである。


他方でダンディは、みずからの本質が、あたかも神々のそれであるかのごとく、とるに足らないもののうちにそっくり現れると言う、ここで「細部」は、いかに微細なものだろうと、もはや具体的なモノでさえないそれは、しばしばそれとわからないように巧みに普通のふるまいから逸脱したふるまいであり、衣服を破ったり、「変形」させたり、もしも誰かと同じようなところがあったりしようものなら、どんなことがあってもそれとはちがう服装をすることなのだ。


ロラン・バルトの「モード論集」からですけどねっていうかもっと長く引用すればよかったんだけど面倒なんでここでストップ(笑)


まぁ俺は所謂「おしゃれ」が嫌いだしおしゃれなもの全般が苦手で仮にそれがおしゃれだとしてもあくまで目線はモンド目線なんだよね。そんな俺がダンディズムについて語るわけはないんだけどただでもわざわざロラン・バルトを引用したのはまさにロラン・バルトの言わんとしているダンディズムが俺の思う「理想的なモンド」に通じるからなんだよねっていうのはまさにロラン・バルトが言わんとしているダンディズムが通俗的な意味のダンディズムとはかけはなれた概念だからなんだよね。そこはロラン・バルトらしいっつーとまぁ知ったかぶりみたいになるけどやっぱ哲学を経由した抽象的な概念になってるんだけど結果的に通俗的なダンディズムではない本質的なダンディズムを語れているような気がするんだよね。


ようはなんでセレクトされたものがダサいのか?っていうとそれがまさに選ばれたものだからなんだよね。もちろんセレクトショップでアイテムを買うこと自体はいいしセレクトショップ自体はいいんだよね。ようはその雑誌にせよセレクトショップの店員にせよ提唱されるスタイルを鵜呑みにしてそれに追従するほどダサいことはないってことなんだよね。ようはなんでそんなスタイルを提唱したり今これが流行りなんですなんてのに追従しなきゃいけないのか?って話なんだよね。仮に俺が気に入って着てるのがすんげー古い時代遅れなもんだとしてもそんなの関係ないんだよね。むしろその時代を表すのは古い着こなしなんであってモノ自体が普遍的にどの時代でもそれなりに良いっつーかまぁ妥当なもんなんだとすればそれ自体が古いかどうか?なんて全く関係ないんだよね。


ようは自分が良いと思ってそれを着るなり音楽を聴くなりまぁ別に時代を気にし過ぎて流行ってるなら逆に聴かないとか着ないってのも流行をある意味気にし過ぎてるっていうことなんだけどさ、まぁようは自分の絶対的な価値観を持ってるってことだよね。もちろん時代の流れとか色んなスタイルを取り入れるっていう柔軟さは持ちつつも「今それはダサい」みたいな風潮とかには全然流されないしそういう意味で「ダサい」とされていてもそれは少なくとも自分の中でダサくはないわけだからそれでいいんだよね。だからまぁそれはちょっと間違えれば本格的にクソダサいものになるんだけどやっぱそこなんだよね。無難さでもなく流行でもなく自分のテイストと価値観と好みだよね。まさにロランバルトが言うような「自分自身」なんだよね。


まぁただ洋服に関してはありがたいですよ。そりゃ。良いセレクトショップってのは本当にありがたいですよね。ただ着方まで指図すんなって話ですよね。でもこれって難しくて時代の流れとか今はこれっていう流れがあるとそういう流れとか着方に追従したセレクトになるわけだからそっから選ばれたもの自体が一方的なイデオロギーの押し付けをしかねないっていう資本主義的なロジックがあるんだよね。「今はこれです」こそ資本主義的で最悪なイデオロギーは無いでしょう。別に好きなものを持っているから事足りているから買わないということを推奨するわけじゃなくてそりゃ新しいものは着れば楽しいしとりあえず金使うことは正義だと思うんでそれはいいんだけどただ前にも書いたかもしれないけどその流れってのがすんげー強くてさ、結局それでどこも似たようなものを作るようになったり値段だけそこそこ高いままのファストファッションみたいになっちゃうっていうのは別に特定のブランドがそういう流れになっているっていうことじゃなくて流れがあるからこそそうなりがちっていうところがあるわけだよね。


ってことで長いから分けるわ。んじゃまた。