2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

行方不明の象を探して。その241。

JC優美が持っている籠の中にあるのは電球と魚肉ソーセージだった。脚フェチとしては学校の制服に紺の靴下にハイカットのジョーダンというアンバランスさがたまらなく美しく愛おしく思える。中学生の頃なんてすぐ履けなくなるからといってまともなスニーカー…

行方不明の象を探して。その240。

「何を待っているのですか?」 「象だよ」 「ここは何階ですか?」 「3階」 「身分証明書をお持ちですか?」 「免許書ならある」 「これに記入し、内容を読んでください。説明は裏面にあります」 「全てはその時の気分で」 「あなたは監視されています。気を…

行方不明の象を探して。その239。

沈黙と沈黙の間にも、言葉を通して、また沈黙と沈黙の間にも、彼の積極的な参加を疑う理由はなかったし、私は彼の献身を実際的で明白なもの、しかも義務的なものだと認識していた。そして、私たちの診察の枠内での沈黙の性質と、診察の枠外での沈黙の性質は…

行方不明の象を探して。その238。

「文化差別?」 敏夫の言葉は、筆を走らせるように現状に疑問を投げかけた。 真実の声は確信に満ちた筆致で、偏見と理解の間に立った。二人の周りでは、都市が息づき、二人の談話を反響させる生きた存在となっていた。話し言葉が歴史の重みを背負い、言葉に…

行方不明の象を探して。その237。

ドアがバタンと閉まった。私はどこにいたのだろう?私はどこにいたのだろう?パートナーが出かけた隙に誰かが入ってきたのだろうか?彼は出かけたのだろうか?私が聞いたのは静寂だったのだろうか、この喧騒、きしみ、軋み、擦れ、ゴボゴボ、モフモフ。お茶…

行方不明の象を探して。その236。

彼は彼女の言葉を繰り返した。 「どういう意味ですか?」 彼はパーソナル・コムピュータ、マイコンなどから彼女にメールを送り、夕食に誘った。そういえば私は子供の頃、息子たちと同じようなことをした覚えはない。彼らの控えめさは際立っている。何の情熱…

行方不明の象を探して。その235。

彼女がグラスを傾けるたびに、ドジョウを肴にして酒を飲むなんていうことをしなければよかったと後悔した。彼女に親身になった結果がドジョウだった。でも柳川鍋はあまりおいしくない。高級料理になってしまったのは現代であえてドジョウを食べる場合、泥抜…

行方不明の象を探して。その234。

大丈夫、一度決めたら問題ないさ。へへ、さあ、もっと理解しよう、この目尻を掘り下げよう。そう、色だ。すみません、おばさん、もう一度お願いします。名前、悩んだんですよ、かわいいじゃないですか。彼女はただのいい子じゃない。彼女はユニークで、場を…

行方不明の象を探して。その233。

男の子: ねぇ、恵子ちゃん、ぼくが手紙書いたんだよ。ぼく、泥ん中の顔して、ギター弾く藤枝くんだよ。へんな話だけど、ときどきぼく、彼のこと考えてたんだ。お隣の女の子、うるさかったね。 女の子: うん、へんだよね。救急車って何分かかるの?赤い虎みた…

新しいの出たので。

新しいの出たのでよろしく。 open.spotify.com

行方不明の象を探して。その232。

光に包まれた庭の中でテカテカジョイスについて、 「あーテカテカしてたなぁー」 っていう、ジョイスの顔がテカテカしていて、日本には脂取り紙ってのがあるから、それでテカテカを取ってあげようっていうところの話の本質はジョイスの顔が特に光に包まれた…