2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

行方不明の象を探して。その183。

じっと映画を観ていると、どうしても自然にその上に置いた鬼滅の刃のフィギュアに目がいってしまい、映画に集中できなくなっていた。でも思えば鬼滅の刃も人間とは何か?を問うような実存的要素がある作品であるし、神という題材はないものの、神なき世界の…

行方不明の象を探して。その182。

もういつの頃か忘れてしまったが、まだこの世で何かを成そうとしていた時に街を歩いていたらScelsiのMichiko HirayamaによるCanti del Capricornoが頭の中で鳴ったのである。その時何を考えていたかは忘れてしまったが、いずれにせよそれは何の実りももたら…

行方不明の象を探して。その181。

いつ買ったんだっけ、これは?こんな面倒な機構がついているものを好むわけがないので、学生時代に家族が持っていたものをそのまま使ったんだと思う。学生時代なんて言ってもほどんと授業には出ずに、今とほぼ同じような生活をしていたわけであるが。 視野が…

行方不明の象を探して。その180。

相変わらずの薄暗い部屋で僕が執筆のために腰を下ろしたとき、期待に満ちた空気に包まれたのもつかの間、ペンは手の中で震え、ためらいがちに、まるでその言葉が背負おうとしている重みを自覚しているかのように、影のベールに包まれた計画が目の前に立ちは…

行方不明の象を探して。その179。

「またマジックを披露してみて。飽き飽きしているが、聊かね。その後、また一緒に食事をしよう。ようやく準備ができたようだ」 「今日は何かに縛られているようでマジックなんてできなかったよ。見ての通りさ。ショーの時間は終わりだ。君は僕の横に座ってき…

行方不明の象を探して。その178。

主のいなくなった寝室はそのままにしてある。彼は彼女がどこか旅行にいったのだと思っているようだ。 「ホドロフスキーのタロットの本どうだったの?」 「カモワン主義者って感じだね。これ以外認めん!とかってなった時点でイデオロギー的というか、そもそ…

行方不明の象を探して。その177。

それを居酒屋でブーツにタイツを履いている女性を見つけて小さくなってブーツの中で匂いに囲まれながらオナニーしたらどうなるのか?どうなるもこうなるもオナニーだろう。あと消えたりね。透明人間になった場合、大体人が考えるのは二つだと思う。一つはお…

行方不明の象を探して。その176。

歩道も車道も閑散としている。日中、あんなにもたくさんの人間が右往左往していた同じ通りとは思えない。おまけに人間の数が多い。それにしても一番異様だったのは、同じ幻影たちのもとへと無理にでも連れ戻そうとするあの強迫観念的な執拗さで、数か月おき…

行方不明の象を探して。その175。

暗い庭に落ちている梯子から目をそらし視線は畑と低くよろめく壁、小川を渡ってさらに斜面を登り、すでに影になっている断崖と夏の空へと下りて行った。小さな陽のあたる畑とともに滑り落ち、暗い断崖に向かう山裾を苦労して登り、そこでは遠くから金槌の音…

行方不明の象を探して。その174。

リビングルーム横の和室に入り、押し入れを開けた。何もない。俺は、シャツとスラックスを脱ぎ、ジャージとトレーナーに着替えた。そして、脱いだ物を押し入れに吊す。二階に上がり、和室の電灯をつける。気がつくと、部屋中の明かりという明かりを全て灯し…

行方不明の象を探して。その173。

象はこれは分かっているのか。つまりは作品は作者の属性ではなくて、作者こそむしろ属性であって、作品という関数を決定する一つの変数以上のものではないということを。象が自分とか恐らく他の作家志望に対して「破滅するな」と警告しているのは、やりがち…

行方不明の象を探して。その172。

龍神様からのメッセージで、もちろんガチの方と師匠を介して教えてくださったのだけども、俺が「霊力開眼!」とかっつって色々やり過ぎてるんで「ちょっとボチボチ休めや。宇宙由来なのは分かるけど地球人として生まれて来てるんだから地球ペースでやったほ…

行方不明の象を探して。その171。

願わくはわれ永久に神より離れざらんことを。永遠の生命は、唯一のまことの神にいます汝と、汝のつかわしたまえるミューズとを知るにあり。われ母より離れおりぬ、われ母を避け、捨て、十字架につけぬ。願わくはわれ決して母より離れざらんことを。福音に示…

行方不明の象を探して。その170。

輝く口元のちんぽの影と海。体は後ろに倒れ、焦げたフィルムからは精液の匂い。脚が走る、黄色いシミ、黒い茂みの木々の中で少女が走る影がクローズアップされて、窓からちんぽをしゃぶる少女とハンドフィンガーファック。 カモメの手と漂白された動きの腕、…