2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

行方不明の象を探して。その219。

例のガバっぽいやつアップしたんで。 open.spotify.com ってことで続きです。 これだと全てが気になってしまう。マイホームなんだから怖いなんて思っちゃいけない!という思い。襖の先に何がいるんだろう?と考えてはいけないのに、やっぱり気になってしまう…

未発表曲集と再アップロードのやつアップしたんで。

最近また90年代テクノがマイブームでアシッドやってた頃に買いまくってたアナログを取り出してきて聞いたりしてるんだけど「これ持ってたんだ!」っていうのが多すぎでヤバいんだよね。結構もうレアでヤバ値がついてるやつがすんげー粗末な保存されたりして…

行方不明の象を探して。その218。

夜風が出てきたようだ。西側の窓にかかった白いレースのカーテンが揺れ、その裾が部屋の中へなびいている。僕はその動きを、テーブルに両手を置いた姿勢で、見るとはなしに眺めている。僕はアンモニア臭い公衆便所に一人だった。彼女は二階だ。すでに床につ…

行方不明の象を探して。その217。

あれ以来、家のディティールを思い出すフェチになってしまったと思ったのだが、空き巣フェチになるとしょっちゅう犯罪を繰り返すことになるのだけど、そうはならなかったのが本当に良かったと思う。実際は彼女のスニーカーを盗んできて、それをオカズにはぁ…

行方不明の象を探して。その216。

結局、彼女のスニーカ-を早々と愛撫して嗅いだだけでファックすることはできなかった。ペニスがギンギンにそそり立った状態でその足で学校に行き昼休みの後の授業に出席した。終日ペニスは勃起したままで他人の家に空き巣に入ることは癖になってしまうこと…

行方不明の象を探して。その215。

既存の諸形態が飽和状態に達しているのを救うために様々な技術を求めなくてはという気持ちで人々が頭を悩ましているのは事実である。しかしながら小説とはいかなるものたり得るかを知ろうとする以上はまずその基礎となるものが認識され判別されなくては納得…

行方不明の象を探して。その214。

むしろ救われたい、どんな苦悩に苛まれるのか。僕の人生には何の意味もない。赤土に押し流されるように、キラキラと冷えたミネラルウォーターの香りがする。光の加減なのか、青白い顔を見ながら踵を返した。一体、どうしたんだ?どうしちゃったんだろう?そ…

行方不明の象を探して。その213。

先回りして振り返り、彼女の手を取って握ってみる。声や声が遠ざかると、また夏か沈黙か。鳴るはずの音が、私の体から離れる。川面に広がる無数の煌めく筋が、ひとつひとつ中洲に揚がっていくのを眺めていた。彼はほとんど無言で去っていき、無言に近い音が…

行方不明の象を探して。その212。

「あたしは名声や成功を手に入れて、女たちはあたしを犯そうと必死。あたしに手を出したがる女になんて生まれてこのかた縁がなかった。さあ、何もかも手に入れたい。世界に踏み出していきたい。できる限り遠くまで。言ってること分かる?」 「うん。続けて」…

行方不明の象を探して。その211。

そういう現場があったらしいが、何も覚えていない。何も覚えていないのだ。ただ、濡れた灰色の砂浜を行き交う潮の泡のまぶしい光を延々と見つめている。何もかもが白い。すべてが白く、境界線は壊れてしまった。その日から、僕は欠かさず夢を見るようになっ…

行方不明の象を探して。その210。

煤けた街並みの幻を見ると、太陽は輝き。一片の土地は奇麗に輝いている。それは鋭く燃えていた。路面のまぶしさはグラグラとマッチングしているのだろうか?それとも、まだ夏以降の季節なのだろうか?次の霧のような日差しは爽やかで、暖かな雰囲気に包まれ…

行方不明の象を探して。その209。

「フィルムのトラブルにより上映が中断しています。 お客様にはご迷惑おかけしますが、しばらくお待ちください。別の映画にしないフィルムの交換が終了次第、上映を再開いたします。ご案内申し上げます。フィルムのトラブルにより上映が……」 君はただ別にそ…

行方不明の象を探して。その208。

物語によって沈められた現実感は、別の何かを失ってしまうのだろうか。誰もいないこの部屋に太陽が昇り、僕は自分の部屋をマイルームと呼ぶ。紡ぐ言葉のひとつひとつが、一筋の光のように揺らめいている。 デジタル的なものは一切禁止されていた。入り口でス…

行方不明の象を探して。その207。

彼女には弟がいて、ある晩、典型的なに全財産、100万ほどを盗まれてしまった。突然のことで、働く気にもなれず、ダラダラする生活が続いた。酒を飲んでは空想の世界に入り浸った。弟曰く、酒はね、現実と夢と空想の世界を曖昧にするんだよ。素面だとね、これ…