レジャーの必要性。その8。

では続きです。


まぁ大体マス的に消費されえるものってのはそもそも消費されるようなものを作っている側としてはなんかしらの新しい要素とか今までなかったような要素を取り入れて売りたい!ってのがあるから何でも取り入れるわけよね。で、まぁテクノってのがあるらしいとかジャングルってのがあるらしいってことでまぁそりゃ取り入れられるよね。まぁでもなんつーのかな、例えばハイブランドのオリジナルとされるものもまぁパクりとは別だけど例えばなんかの絵画からの色使いとかを参考にしてたりするわけじゃん?まぁ公式コラボになってんのかライセンスとか払ってるのか分からないけどぶっちゃけ抽象画をそのまま大きくプリントしてドレスにしちゃえばそれっぽく見えるもんね。


じゃあその抽象画をドレスにするっていうところがデザインなのか?っていうところだよね。何をもってデザインとするか?ってことになるんだよね。まぁそんな大胆なもんをプリントしちゃうとかドレスにしちゃうってところが凄いと言えば凄いにしてもまぁ例えばなんかの花柄とかにしても参考にしてる絵とかってあるわけよね。まぁ必ずしもあるわけじゃないしてもそもそもそれ言い出すとデザインそのものは画家がオリジナルじゃん!ってことになるよね。印象派っぽいテクスチャーの花柄のものがプリントされたドレスなんつってもまぁそもそもそのデザインということを言いだすと印象派の画家が書いた花柄ってのがオリジナルなわけでさ、結局まぁそれ言い出すとそれもコピペだよねってことになるよね。


ジャングルにしてもまぁ別にあれって33回転のドラムのブレイク部分を45回転にしただけっつっちゃーしただけなんであってさ、それにレゲエのベースっていう定番があるわけでまぁあれがフォーマットなわけよね。誰がオリジネーターかどうかってのはともかくまぁある種のフォーマットだよね。だから似たようなもんがアングラの世界で大量生産されるわけだ。だからまぁそれはアングラの時点ですでにコピーだよね。


テクノやってた人が変名でジャングル作ってたりもするわけでさ、あとまぁハードコアテクノとかって言われてたような80年代後半から90年代初期ぐらいに出てたユーロ系のジュリアナっぽいやつとかだよね。あれもまぁオリジナルっつっちゃーオリジナルだけどまぁでも似たようなもんが大量生産されたんだよね。まりんが当時の雑誌のインタビューなんかで「ハードコアテクノなんて誰でも作れますよ」なんつってたのをよく覚えてるけどまぁそれ言い出すとジャングルにしてもそうだもんね。まぁ誰でも作れるからこそ参入障壁が低いからみんなこぞってサンプラーとか機材買って作れちゃったってのがストリート音楽の良いところではあるんだよね。別に誰でも作れるからっつって良いのが作れるとは限らないわけだからね。


まぁそれで言うとまたいつもの話の繰り返しみたいになるけどDJ CamとかDJ Krushみたいなアブストラクト・ヒップホップって言われてたようなやつだよね。ネタがフュージョンだったりジャズだったりするって中でPCじゃないMPCとかのサンプラー独特のローファイなビートっていうさ、まぁなんだろう、何もかもをサンプリングとするのはアレだけどハイブランドのデザインがなんかの抽象画とかをドレスにプリントするとかってのと原理的には同じだよね。やっぱそれをトータルなドレスなりトラックとして出すってのがアーティストの力量だからね。サンプリングしてるからっつってそれってただのコピーのループじゃん!ってことにはならないよね。いや、ハイブランドのドレスは印象派風の花柄のループかもしれんけどそれ言い出したら初期のDJ Camのトラックにしてもジャズサンプルとブレイクビーツのループじゃん!ってことになるよね。


まぁでもこれって技術力が必要とされるものとは限らないから凄く印象的な質感とかレコードから抜いたループ感ってのは真似しやすいよね。まぁそれこそサンプラーあればできちゃうわけだよね。だからといって真似できるからっつってオリジネーターの価値が下がるわけじゃないのと一緒で洋服のデザインとかもそうだよね。まぁでも印象派風の花柄のプリントなんて誰でもやれるもんね。それ言い出すとウォーホールとかも同じだよね。キャンベルスープ缶のループなんて誰でも作れるよね。それと一緒でベティちゃんのループも誰でも作れるよね。


でもやっぱオリジナルって最初にそれをやったとかそういうデザインとして打ち出したっていうところに価値があるわけだよね。でもまぁそれって消費する側には関係ない話だったりするんだよね。ベティちゃんのループにしても最初にやったところのが高かったり人気があって手に入りづらかったりしたらもっと手に入りやすい価格で出してるところのを買うってことになるよね。そりゃ洋服の質とかディティールとかを見れば差は明らかなんだけどでもまぁ別に数回ファストファッションとして着る分には全然問題ないっていうさ、いや、これって中国とかで売ってるナイキの偽物とかと本当に一緒だよね。あとまぁグッチとかシャネルとかの偽物ね。


まぁでもハイブランドの場合、よく言われるようにそれ自体が誇示だったりするわけでそのブランドのロゴが入ってるってことがステータスだったりするわけだからさすがにそれでバッタもんは無いだろうってことになるけどそういう誇示とか関係ない純粋なデザインのコピーの場合、変な話、劣化が無いもんね。それこそベティーちゃんのループなんてどこでもできるわけだからね。まぁあと直接的に同じキャラクターを使わないにしても似たようなアイコン的なキャラクターをループさせるっていう手法が横行するよねっつってもそれ言い出すとアイコン的なものをループさせる手法自体はウォーホールがオリジナルだしもっと言っちゃえばレディメイドなもんを作品として出しちゃったり問い入れちゃうって意味ではデュシャンがオリジナルだしさ、だからまぁなんかデザインって何なんだろうね?ってことになるよね。いつも俺が音楽でオリジナルって何なんだろう?って言ってるのと同じようなことがデザインにも言えるんだよね。


果たしてコピーでもいいのか?って話だよねっつってもコピーであるということを判断するにはオリジナルを知ってなきゃいけないわけで相当ファッションに詳しいとか普段からチェックしてるとか意識が高いとかじゃない限りそんなに知らないよね。だからまぁそういう人がH&Mとかに行ってコピー品を買うってことが当たり前になっちゃうんだよね。実際は構造的にみんな中国で売られてるようなバッタもんを買ってるってことになるんだけどH&Mのバッタもんなら問題ないっていうね、果たして何が問題ないのか?ってことなんだけどさ、まぁ消費する側にとっては関係ないってことだよね。音楽にしたってそれがパクリでもそれが良ければ良くてそれでいいわけだよね。俺は良いとは思わないけどね。かといってもじゃあジャングルっつったらオリジナル以外認めない!っつーんでんじゃあShy FXだけ聴くのか?って話だし(笑)テクノにしてもデリック・メイとかホワン・アトキンスだけ聴くのか?ってことになるよね。


ただまぁデトロイトテクノにしても例えばケン・イシイが独自の解釈をして彼独特のもんを作ったようにコピーと影響って違うよね。あとまぁ独特の解釈って意味でBlack Dogなんかもデトロイトテクノの解釈だしさ、でもまぁそこであえてうがった見方をするとそれってケン・イシイとかBlack Dogは正統な後継者だってなんで言えるのか?って話ではあるよね。いや、正当な後継者であることに異論はないんだけど「いや、デリックメイとか聴いたことねーし」っつってモロにデリックメイみたいなシンセとかストリングスの使い方してたらそりゃ完全にコピーだろってことになるけどじゃあそれって作り手のオリジナルに対するリスペクトの違いなの?っていうとそういうわけでもないよね。


ってことで続きます。んじゃまた。