2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

久々のウォール伝。その3。

はい、続きです。 あとまぁまたベケットだけど(笑)ベケットの話を映像化したらつまんないわけですよ。あれは文字だから面白いんであってね、そこなんだよね。やっぱ。文字の芸術。文字だから面白い!というものだよね。だからまぁ映像化すれば原作の80パー…

久々のウォール伝。その2。

続きねっていうか思ったほど続きなかったかもな。いや、そのもうあれだよ、クソ仕事がAIのおかげでなくなるやったー!っていう感じにしておきましょうね。AIで置き換わる仕事の一覧表とかエゲつないじゃん?それは無くなるというより解放されるって考えた方…

久々のウォール伝。

いやー年末だねーってことでブログ的なことを書こうと思うんだけど、あれだね、ブログって自分が何をやっていたのか?ってことのメモとかになったりするから結構良いんだけど象シリーズしかアップしてなかったから何をやってたかなぁー?とかって思ったりし…

行方不明の象を探して。その195。

「だからといってボワーンから解放されるわけではないんだけどね」 「だからまぁ終わるまでそれは無限なんじゃないかしら。終わってもそれは続くような気がするけど」 「色々と書いてて思うんだ。いや、何も書けていないんだけどさ、創造ってそういうことな…

行方不明の象を探して。その194。

「前にどこかでお会いしたことがありましたか?」 それは可愛らしい色白の少年だった。中性的な顔つきで、どこか儚さを感じるような哀愁を帯びた美しさがあった。会ったことはないとすぐ答えた。その少年の存在感が考える間も与えないような感じだった。彼は…

行方不明の象を探して。その193。

「まだ出たいって思ってるんでしょ」 と優菜は言った。 「母ちゃんが帰ってきたら、母ちゃん怒るぞ」 憔悴していながらも、優菜へのリベンジが母によってもたらされることを確信していた。 「こんな長い時間、クローゼットに閉じ込めて何が楽しいの?」 と僕…

行方不明の象を探して。その192。

「どうです?、これで一つ奇抜なカクテルでも作ってみたら?僕はさっきちょっとそんな文句をここで口ずさんでみたんです。なぜって、もうこれでたっぷり一時間経ってるんですからね。そうたっぷり一時間です。僕は僕なりに自分に課せられた仕事を早くこなし…

行方不明の象を探して。その191。

ただこう言いたい。純文学がつまらないのではなくて、純文学の括りにされている作品につまらないものが多いというだけだということを。純文学かはともかく飯食って多目的トイレでファックして飯食って酒飲んで寝るというようなものは文学ではないだろう。そ…

行方不明の象を探して。その190。

「なんかでもさ、全く期待もしないでコミットもしないでも思いもよらないときに何かが来るってことはあるよね」 「あるけどそれは現象なんじゃないかしら?もちろんそれはあたしたちが持っているような問題意識、っていうと大げさかもしれないけどね、虚空と…

行方不明の象を探して。その189。

「いいでしょう?サイコーでしょう?」 彼女の声が矢のように飛び込んできて頭の中で響き渡る。 「で、なんだったかしら」 「今日はやめとく?」 その流れで。その動きと同じ。 「あたしもボワーンとしているから。でも今日やめたところで別の日にボワーンと…

行方不明の象を探して。その188。

何枚かのシャツをクリーニング屋に持っていき、何枚かのシャツを持ったまま、銀行に寄って現金を出し、靴屋に寄ってウィンドウショッピングをした。目覚まし時計の電池とUSBメモリを六個買った。必要ないのに。そして冷蔵庫の中の物を全部を全部ひっぱりだし…

長男坊さんへの返信。

長男坊 はじめまして、いつも読んでます! ほんとに最高の小説です。こういうものを評価するための語彙が私の中に存在していない(あるいはこの小説自体がそういうロゴスをあてがう評価から逃れようとしている?←的外れな感想だったらすみません(;∀;))ので…

行方不明の象を探して。その187。

扉は高くて広く、敷居も厚くて重く、縦に4畳ほど敷いてあった。縁のない畳は緑色で新鮮であった。部屋には何もなく、上に小さな机が置いてあるだけであった。ビヤホールの巨大な掛け時計の針はあと五分で三時を指そうとしていた。文字盤の下には二匹のライオ…

行方不明の象を探して。その186。

絶望というのは闇属性だし、ネガティヴな属性のものだろう。良いものだとは思わないが、心の闇から収穫できるものはたくさんある。変な話、そこから養分を得て表現活動に活かしたり何かを書いたり何かを表現できたりするのだろう。ただ観念的にはライト・ワ…

行方不明の象を探して。その185。

「一億年前には」と神奈川新聞に書いてあった。「ここに象がいた」まだ象は現れない。そういえば実家にいるんだった。野暮用で実家に帰ってきていた。でもアパートから遠くないので面倒じゃないのが救いなんだけど、問題はこれなんだよな。何かを書こうと思…

行方不明の象を探して。その184。

平坦な道が待っているわけではないし、かといってもいばらの道を歩んでいるという感覚もない。全ては自発的にやっていることで報酬はそれを掴むこと。それに尽きる。彼の父はよくこう言ったものだ。「お前には根気が無い」でもそれは間違いだ。根気が無いの…