2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

行方不明の象を探して。その91。

「なぜ俺は5年前ギターに挫折したのか・・・」 「飽き性だからでしょう」 彼女は空きのグラスを傾けながらそう言った。空きというよりも最初から何も入っていないし、そもそも彼女なんていない。小説っぽくするために適当に「彼女」を作るんだ。 「ジャズを…

行方不明の象を探して。その90。

馬鹿でね、それだけのこと。それ以外のなにものでもありませんな。そしてみんなが語ったりでっちあげたりあるいは引き出すとか説明するとかしようとしたりすることも、やはり誰でもが一目で見て取れたことを確認しただけでしてね、ほんとにただの馬鹿に過ぎ…

行方不明の象を探して。その89。

新しいので出たんでよろしく。 open.spotify.com 僕は目をつぶって空調機のシューシューいう背景音の中央に自分をおこうとする。空想の中のここは東京の街、この部屋は帝国ホテルの一室。千代田区の外套を歩く自分の姿。吐息をもらして通過する電車のガード…

行方不明の象を探して。その88。

この夜、象が見た夢。 札幌だという確信はないのに場所が札幌という設定だった。歩いている人たちが今は無きCISCOレコードの袋を持って歩いている。別にレコードが欲しいわけじゃないのに札幌にCISCOがあるのか!と感動した象は袋を持っている人に「札幌にCI…

行方不明の象を探して。その87。

シューゲイザーディスクガイドどっかにやっちゃったから買いなおすか。え?新エディション出てるって?でもあれだな、シューゲは結局、メジャーなポップスみたいなロックが多くて残念率が相当高いんだよな。ディスク時代じゃなくて本当に良かったよ。ストリ…

行方不明の象を探して。その86。

昔々、緑豊かな谷に囲まれた小さな村に一人で住んでいた優しいおじいさんがいました。おじいさんは村で人格者と崇められ、その謙虚さゆえに崇拝されていました。ある日、盗賊の集団が村に入り住民を恐怖に陥れ彼らの物を盗んでいきました。村はパニックにな…

行方不明の象を探して。その85。

ってことで追い詰められた俺はギターをやらざるを得なくなった。明日死ぬ?かまわぬ。やり残したことは?あんまりないし世界も面白くないっつーかまさかの戦争とコロナと経済停滞と何にも面白さが見いだせないし全部煮詰まってるからつまらないけどギターは…

行方不明の象を探して。その84。

こうして床に寝転んで頭の下にクッションをドーンって感じで置いておくとベッドよりもリラックスできてええ。仕事で忙しいなんてほんまに想像できへん。床に寝転んで口を開けて天井を見つめてケッタイな考えを巡らせるのが好きな自分が好き。それでええ。無…

行方不明の象を探して。その83。

あと読もうと思って気合を入れすぎて買って全く読まなかった小説はもう家の倉庫に送ってしまおう。去年はあれだったな、ずーっと書く生活を送っていて腰をダメにしたじゃん。その時に少しは小説のことを忘れて封印していた武術の動画なんかを見たら?って思…

行方不明の象を探して。その82。

中国古典全集とあたしが呼んでいるものですけどね、今日古本屋さんが発送してくださったそうですよ。本も1000冊ぐらい年始に売りましたけどね、去年の年始ですね、でもまぁ部屋は本だらけですね。でも面白いもんでもう買うのがなくなってきているから本も増…

行方不明の象を探して。その81。

新しいの出たのでよろしく。 open.spotify.com せーの!って感じで雨が降ってるな。なんでポツポツこないの?急にバケツの水こぼしたような量の雨が振るってありゃ自然現象じゃないね。意図的なもんだね。ローストビーフ食べたのは昨日だけど今日はポークで…

行方不明の象を探して。その80。

だって俺がそうしてんだろ?あー塩っ気があるやつ食べたいな。風景とか音とか身体感とか何もかも毎日同じだから違いを求めるのは味とかになるよね、でも別に食欲って満たされるとまぁ性欲みたいなもんですからね、満たされる欲望なんてのは大した欲望じゃな…

行方不明の象を探して。その79。

熱すぎるお湯がめっちゃ好っきゃねん。 待って、ダーリン、いや待って、蛇口をたらたら流しっぱなしにするから、気づかないうちにほんまに沸騰してまうやん。恥ずかしいときはちょっと目を細めるとね、そこでね、いわしてもらいまっけど、ほんの1、2秒ですが…

行方不明の象を探して。その78。

今日は三杯までしかあきまへん。これ以上は飲ませません。ママの取り成しをありがたいとも思わんと、またすぐに無視してガンガン飲んではる。ママさん、我慢強く飲み終わるのを待っとった。ママ、今日泊りたいんやけど。 「わかっていてよ」と、ミッチーはす…