行方不明の象を探して。その56。

アイデンティティと総資産をごっちゃにするほど俺はバカではないからね。金があるということがアイデンティティの何かの要素になっているやつは相当頭が悪いやつだろうな。まぁだから幸せなんだろうと思うけど。金持ちになる!とかそういうことではない幸福を追求しなければな。でも追求するものでもないんだよな。


気が付いたら30分ぐらい電気屋をウロウロしていた。凄まじいあらゆるものの新品の匂いがする。必要もない多機能な冷蔵庫とか掃除機が山のように売られている。そのうちゲーム付き冷蔵庫とか自転車にもなる多機能掃除機とか出てきそうだな。家電も大変だよな。

 

俺が描写をできないのは語彙不足があるんじゃないか?と思った。何かのへりに座るっていってもへりがなんのことかイマイチ分からないし、普段全く生活するうえで名称とか気にしない場所とか名称について書かなければならんのだろう?なんかそういうのがいっぱい載ってる辞典みたいなのを買ってきてもどうせまた読まないんだよな。つまらないから。

 

誰々はベッドから降りて洋服をなんたらの生地の洋服を着るとゆっくりとした動きでどうのこうのってコスパ・大麻の時代では飛ばされる場所だからね。いや、時代に迎合してるんじゃなくて俺が読むとき飛ばすしそういうのばっか続く小説は大体読まなくて終わるからね、だったら読まれないものを書いてもしょうがないじゃない。

 

そもそも小説は色々と今の時代、無理があるんだよな。タダで豪華な演者が出ている番組とかまぁ月にサブスク方式でお金は払っているにせよ数千円だからタダみたいな感覚で何億円も製作費がかかった映画だとかね、テレビの制作費がどんなもんか分からんけど、あとはまぁすんげー作り手が時間をかけたYoutubeの動画とかね、そんなのがゴロゴロしている中で女がベッドから降りてゆっくりと服を着る様子が書かれている本を誰が読むのか?って話なんですよ。

 

しかもだよ、Youtuberが凄まじい時間と労力をかけて作った動画ですらも倍速で見られるわけでしょ?で、数億円かかった映画も倍速で見ると。そんな凄まじい情報量を行き来している人間がベッドからどうのこうのってどうでもいい話をしている小説を読まないんだよな。

 

それはテレビとかが無い時代には今で言うところの動画配信サイトとかの役割を小説が担っていたのかもしれないよ。でも今は違うでしょ。でも同じ方法でやり続けてもさ、誰も読まないでしょ。明らかにつまらないもの。つまらなくないものですら倍速で見るんだからベッドから降りて服を着るなんていう無駄な文章を読む人なんていないよね。

 

電気屋の上にあった本屋にいる。んでそこを歩きながらそんなことを考えている。適当にパクれそうな小説でも無いかなと思って手にとっても大体どうでもいいことが書かれていたりちょっと読んだだけで眠気が来るようなものばかりでもう本当に買う気が起こらない。お金は腐るほどあるのにな。どうしよう。電車代がどうのじゃないんだ。

 

でもなんかわざわざくだらない小説の書き方講座のために外出の準備をして駅まで自転車で行って電車に乗ってきたわけでさ、何かを成したいじゃん?全く無駄というのは嫌だな。そう思って金を使うやつは金が貯まらないというけど元々金があるやつはどうなんだ?


本を手に取ったんだけどね、馬車が通り過ぎたとかっていう時代背景が古いとそのまま使えないし車が通り過ぎたってことにもならんだろうし、いや、なるんだろうけどだからなんなんだ?って話でさ、あーもうダメだ頭がグワーン!ってなってきた。嘘でもいいからさ、「これだ!」ってネタにできそうな本があってそれ一冊でも買ってさ、んで帰ってパクろうと思ってじっくり読んでみても意外とそうでもなかったとかでもいいんだ。

 

外出の意味があったってことになるだろう?手ぶらで帰るんじゃあんまりだ。コンブレーの長話をしてるヤツの小説の別の訳者の本を買おうと思ってもスワンの方へぐらいの一巻ぐらいしか置いてない。さすがに全巻置いてない。棚を圧迫するからだろう。本屋の検索エンジンでコンブレーの長話のあいつについて検索をしても「プルースト論」とかそういうのばっか出てくる。で、大体ああいうのは値崩れしているからアマゾンで中古で買った方が安い。

 

最悪だったのは中国語の辞典だ。なんで中国語の辞典を定価で買おうと思ったのか。10億円あるとかってのは関係ない。マーケットプレイスで見たら500円で売ってた。6000円ぐらいしたぞ。あれ。アンチアマゾン!っつってなるべくリアル店舗で買うようにしよう!と思ってもここまで値段の差があるとな、スピリチュアルコーナーで買ったヒーリングの本も4000円ぐらいしたけど帰ってマケプレで見たらKindle読み放題に入ってた。だったらスマホを持ち歩いて本屋で調べれば?っていうともうリアル店舗の意味がなくなるじゃんか!

 

やべーよやべーよ、マジで行くところねーよ。行く道どこ。来た道どこ。来た道は明らかだ。家からだ。でも行く道が分からない。行く末はみんな分からないだろうけど10分後の俺のリアルが頭で描けない。ヤバい。何かを買うということでとりあえず納得することをやめにしたほうがいいのは分かっているんだけど、だとしたらウィンドウショッピング?っていうかあれってショッピングじゃないだろう。

 

ときメモのヤリマンっぽい鏡さんだっけ?趣味ウィンドウショッピングって趣味がウィンドウショッピングのやつが容姿について色々言ってくるのは納得がいかねーな。色々考えてたら喉がカラカラになってる。今は何もかもが便利だな。下の電気屋で自販機あったもんな。店内にベンダーがあるんだもん。でも置かれているドリンク類がなぜかマイナーなものが多いんだよね。とりあえず炭酸だ。10億円あるから炭酸を二本買った。ダイエットっつーよりそもそもこんだけ歩いてるし考えてるからバリバリ糖分が入った炭酸飲んでも誰も文句は言わないだろう。