行方不明の象を探して。その242。

こうしてすべてを疑問に投じたあの大激動の突発にうながされてこの本を書き始めたのだった。泥沼のように足を取るさまざまな障害からこの激動は解放してくれたのだ。乱脈はこの本の持ち前のものだ。あらゆる方向へ向かってこの乱脈さは限度を知らぬ。それらが目的を持たぬことを愛しているのだ。できるだけ単純に恍惚を見出すに至った過程を他人にも同じ方法で恍惚を見つけることができるように願いながら語ろうと思う。

 

一人の作者が自分の書いていることに対する無関心に苦しめられながら書くということは喜劇に見えるかもしれない。しかしこの喜劇を見出す精神はみずから他の喜劇に関わり合っている。全くおなじぐらい虚妄な、しかし無自覚の素朴さに支えられた喜劇に。この喜劇をまぬがれた真実には容易に達せられない。

 

というのはそれに達する以前に、われわれはただわれわれの喜劇を諦めなければならないばかりでなく、全てを忘れもはや全くの無知にならなければならないからである。「さてはさてはさての神」とおじいちゃんは間を埋めるときに口癖のように言っていたのだが、それが何の神だったのかを聞けないままじいちゃんは死んでしまった。墓参りに行くとたまに思い出すことはあっても、実際はそんなに例の神についてはあまり気にならない。大抵の場合、墓の周りに生い茂る雑草を刈る作業に没頭しているからだ。

 

僕は、かつて僕の家として知られていたところでで何が起こったのか見てみたいという衝動に駆られ、街を漂って過ごした早晩、存在しない通りへの道を人に尋ねるゲームに興じた後、結局、家に帰ることにした。墓の周りの雑草はまたどうせ伸びているんだろうなと思うと、時間を無駄にできないなと思うわけで。

 

家に帰る途中の街角で倦怠が俺の顔を歪ませた。裸になるかな。バーでウィスキーを注文し一杯飲んだら結構酔っぱらってしまった。酒を飲まなくなったからすぐ酔うになったんだろう。適当に街を歩いていたら日が暮れていた。倦怠感が俺をすっかり酔っぱらわせた。しかし酔っているのに全く楽しくない。人気のない通りで裸になってみた。腰を動かしてペニスで「パチンパチン」という音を出してみた。思ったより楽しくなかった。街で全裸になるとは言ってもこの程度なのかと落胆した。

 

そこでふたたび倦怠と疲労、ということになる。精神生活に限らず日常生活にいつもつきまとっているあの退屈感、虚無感があり、それが倦怠と疲労というと立役者の影に隠れてこのときとばかりにのしかかってきたのかもしれない。われわれの人生は要するに退屈である。

 

物音がしたので洋服を着た。街を歩いた。夜が好きだ、夜は自由だ、誰にも見咎められることはない、他人の眼は一つも気にしなくていい、普段のしがらみを全部取っ払って大暴れしたってかまわない、むちゃくちゃしたいよな、せっかくなら。この男は知ってるよ「シェル」のガソリン・スタンドに着くほんのちょっと前の右へ曲がる最中の道をいけばいいんだ。

 

例えばもし今日が明日だったら。あなたは覚えていないでしょう。借りた事すら。背筋が凍る思いでしょう。その悪魔のような心は企んでいるのか?んん・・・んん?そして、そこへ、そこへ。世界中に広がる。こんなの初めてだ。クソッタレだ!こんな女がモテるわけがない。嘘つけ!おい!ああ、君たちか。どうだった?私があなたを殺さないなら彼女の夫が殺すだろう。認めざるを得ないな。いいケツしてるよな。彼女の作るカプチーノがうまいんだ。一杯どうだ?ありがとう。

 

でも彼とちょっと・・・。紅茶を。実は・・・ひどいお茶だったんだ。ひどいお茶だった。ひどいというのは・・・その表現は不適切だ。あなたが言ったことは真実じゃなかったのか?"そんなこと言ってませんよ。彼らは真実だったのか?なんだと?ああクソ! 誰なんだ?消えちゃったんだ。なかなか消えない。話した方がいいんじゃない?今がその時かもしれない。え?どうしたんですか?酒に強い助手がいれば。はぁ!?

 

エゴだ。とにかく、この小説は完成には至らなかった。小説が完成する前に何かが起こったんだ。何かが起こったんだ。よくわからないんだけど。なぜ完成しなかったんだ?でも僕は書けない。座ってくれ。では。どういうことなんだ?


そうだな。広大なネットワークがある。ネットワークがあるんだろ?可能性の海だ。犬が好きなんです。昔は象を飼っていました。昔から動物が好きで。私は象が理性的であるのを見てきました。神経質なんだよ、俺は。自分の行動には結果が伴う。暗い、そうだろう、そして・・・。逃れられないなぜ、苦しむ必要性を煽るのか?彼は・・・彼はそこにいるのか?ああ 聞いてるああ、もう辞めちゃうの?夕食を一緒にどう?これはいい酒だ。いい火ですね。


金属にこんな文字が書いてあるんです。あの小刻みに震えるやつ。あなたは夢を見るでしょう。ある種の眠りの中で。腕時計をしてないとダメなんだ。そして・・・その穴から・・・。


聞いてますか?今から出掛けるんだ俺は15歳の時、人の目をくり抜いたことがある。15歳の時だ。レイプされそうだったんだ。犯されてたんだ。俺の足を押し広げようとしたんだ。レイプなんて考えもしなかった。泣きながら。赤ん坊のように泣き叫んでいた。お前はなんてクソ野郎なんだ。そう言ったんだ。タマを掴んでそして引き裂く。彼は泣き叫んでいた。ざまーみろ。


赤ん坊のように。隅っこで泣いてた。泣いていた。クソだ。チャンスはいつでもある。
君のようなおっぱいの持ち主ならね。ありがとうございます。おっぱいです。おっぱいとお尻。いいねぇ。見せてみろ。きれいだねぇ。いいね。かわいい。ありがとう、みんな。

 

おっぴーぱいおつちんちんアナルなんでもカモン!日々、どういう風に質感が変わっていくのか?あの子のおっぱいの味は?あの子のザーメンの味は?言い忘れていたけど俺はバイセックシュアルだ。ソダッソサンバソダッソサンバーバイバイバイって歌あるだろう?バイバイ言われるから思春期にはどちらかというと男のほうが好きだったからああいう曲がかかると恥ずかしくなったものだ。俺のことを言われているようで。そんな俺が金玉引っこ抜いてやったのさ!

 

ペニスがまんこやアナルに入るまでの質感やタイム感を性欲に任せずに、性欲で満たされた空間がありつつも常に第三者的に見続けること。そうしなければ性欲がすり抜けて行ってしまう。アンディ・ウォーホールだったか忘れた、セックスをしているときに「なんて動物的な動きをしているのだろう?」と冷めたらしいが、それは第三者的に見続けるところで止まっているからだ。

 

そこから性欲が漏れないようにするという観察の点が抜けているともはや人生全般において何の意味も見いだせなくなるか、ドラッグをキメてセックスをするぐらいしかやることがなくなる。それはそれでいい世の中かもしれないがね。あ、女性が潮を吹いた。AV以外でも潮吹く女性はいるのだな、と観察すること。小さな少女のように。それは潮を吹いているのではなくて潮が女性に吹かしているかもしれないわけで、彼女とファックする前は

 

「あーどうもー」

 

なんてちょっとばかり天然入っているような女の子を演じていたのか、あれもこの子の一部なのか、中身を見て見ればとんだ潮吹き女だったってわけだ。そのギャップがたまらない。潮吹きそうな子が潮吹いていたって、だからそれはなんだというのだ?という感じだけど、オマンコすらしなさそうな女性がドスケベだったときのギャップに大半の男性は興奮するんだろうが、俺は違うね。逆なんだ。潮吹きから逆算すること。潮吹きから潮を吹かなさそうな彼女を想像して舌を喉に入れるぐらいの勢いで彼女の口を俺の口で犯すこと。