ロシア帝政時代。

mimisemi2007-03-07

ラガジャングルが思いのほか好評だったので、これからはデイリーで今まで作った割とわかりやすい
トラック物をアップしていこうと思います。ロシア帝政時代から僕を知っている人にはおなじみの曲ばかり
ですが、はてなから僕を知った方々にも聞いてもらいたいと思った次第であります。

まず第一弾はNovel'n'bassシリーズからです。このシリーズのコンセプトは、言うまでも無く
メインネタはサウンドノベルってのがこのシリーズのコンセプトです。このシリーズのコンセプトというと
たいそうなものみたいに聞こえますが、ただ作っていたら乗ってきたんで、そのまま何個か出来ちゃった
みたいな、出来ちゃった結婚的な感じです。ラップは僕の知り合いのビースティーボーイズが
協力してくれました。音ネタ系は知ってる人なら知ってるやつばっかです。サンプリングのみで
作ると、自分のトラックって言い切れない何か吹っ切れないような残尿感がありますね。
まぁいいか。そこを吹っ切るとかなりのトラックがあります。なので、今後はデイリーザーメンな感じで
アップしていきます。書けないときの言い訳にもなっていいですね。ただサブウェイに乗りつつ、
あーまたブログアップしなきゃなーっていう、ニューヨークな風景と自分の頭で考えていることの
ギャップが物凄いなって毎日感じます。ニューヨークに来たから垢抜けてニューヨーカーなんてのは
本当に馬鹿げた考えで、境セイキという人が言っているように、別に気負う必要なんて無いと思うんです。
自然体でいればね。まぁお金はかかるんで、なんともいえないところなんですけど。親の金でこうやって
暮らしていると、ホント、将来、あんじょーやらなあかんなーって思いますね。

http://mushroom.cage.to/mp3/novel_and_bass.mp3

ところで自分の曲が「音響系」と呼ばれるのが恐ろしいって書いたけど、なんでおそろしいかっていうと
そう聞こえかねないからなんだよね。自分でもそれは分かるし、だからこそ「俺の曲ってたいしたことないかも」
っつー確信に変わっちゃうわけね。もし自分の曲に自信があれば、音響系って言われても「いいよ別に」
って言えると思うんだけど、「そうかもなー」っていう部分があるから、俺も否定しきれないっつーかねー。
難しいところですよね。だから音響系という評価は全然失礼だと思わないというよりかは、その人が率直に思った
ことに関しては、何がどうであれ人へのバッシングにはならんと思うのです。「この映画クズ」って俺が思った
としても、その映画への非難にはならない。非難というのは悪意を込めたものを言うと思うので、感想としての
キツイ批評というのは全然ありだと思うんです。だから音響系だのエレクトロニカだのといわれるのが怖いんですが、
そう感じる人が多いのは確かなわけで、これは明らかに俺の曲のたいしたこと無さを表してると思うんですね。
幸いここでコメントを残してくれている人は人格者ばかりなので、安心なんですが、ネットに上げるだの出すだのっていう
行為は、必ずしも自分の音が良識ある人にばかり聞かれるとは限らないので、だから変なやつから否定されたりしたら
すげー嫌なんですね。矛盾してますけどね。世に出すっていうのはそういうことだから。

ただね、俺が言いたいのは音楽を聞くということに対して主体性があることが凄く重要だと思うので、そういう観点から言うと
mp3というのは主体無しにワンクリックで聞けるので、なんというか音楽に対するのめりこみが少ないと思うのね。
例えば自分の話で言うと、ずーっと探してたレコードなりCDを手に入れたときは、もう嬉しくてしょうがないし、なんつーか
そういうレコードなりCDを探している時点からもう「聞く」という主体性のある行為が行われているわけね。で、見つけてから
急いで家に帰って、ただちゃんと聞く用意をしたいんで、シャワーを浴びて飯を食ってから聞くとか、こういった一連の行為も
聞くということの一部なのよ。で、レコードだったらレコードをケースから出して針を落とす。で、聞くと。その点、mp3というのは
こういった行為が一切省かれてしまって、ようは消費物と同じなんですよね。良かったらリストに入れて、悪かったら捨てるみたいな。
ただレコードとかCDだとこうはいかないわけよ。悪くてもせっかく金を払ったんだから良さを見つけようと努力してみたりするわけで、
こういう聞く媒体によって音楽への接し方は明らかに変わるわけ。MP3ってのは便利でいいけど、かなり盲点が多いもので、リスナーの
音楽への能動性が無くなるわけね。なんつーかだから俺は仮に自分の本当に良い作品があったら、それはマジでCD化して、ちゃんとした
デザインを作ってパッケージしてそれを買ってもらって聞いてほしいわけよ。まぁ今は経済的に無理だけど、仮に若干稼げるような仕事に
就けたらもう自主制作しようかなって思ってるんだよね。素材はいっぱいあるし、CDを作るのには十分なんで、ホント、現実的な話だと思うんだけど。
本当はレーベルから出すのが一番楽でいいんだけど、もうメール送っても一切返してこないレーベルが本当に多い。デモポリシーみたいなのを
掲げてるくせに、メールでの質問にすら答えない。こりゃーどうかと思うね。んだったら最初からデモ募集とか書かなきゃいいのに。あとデモ募集って
書いてるレーベルって大半がクズなんだよね。そこそこいいレーベルだと、もう出すやつの予定が2年先ぐらいまで埋まっちゃってて、とてもじゃないけど
俺のなんて出せないってところが多いわけ。ある良心的なレーベルなんかは、俺の作品を聞いて良かったし出したいぐらいなんだけど、もうリリース予定が
パンパンなのと予算の都合もあって出せないっていうところが何個かあったね。特にアングラな電子音楽みたいなのはまともなレーベルが限られてるから
逆に競争率が高いのかもしれないんだよね。そんなこんなでもう自分で出すしかないかなーとか思ったりね。しょーもないレーベルはいっぱいあるんだけど
そういうところから出すっていうメリットはさっぱり無いってのは散々分かったし、これを読んでる人がいたら、もっと志を高くもってほしいと思う。
なんて偉そうにいってみたり。しょーもないレーベルから出せるぐらいのしょーもないクオリティの音楽を作るんじゃなくて、そこそこのレーベルから
出せるぐらいのクオリティになってから、世に出すことを考えるっていうかね。なんかねーもうネット見てると酷いわけよ。とりあえず作ってみたみたいな
気合の入ってないのをネットに上げているわりに、なぜか出してくれるレーベルを探してますみたいなことを書いてたりして。作ったのを聞いてもらいたいから
アップするっていうのはいいと思うんだけど、宣伝用にアップするってどうなのかね?んだったら最初からレーベルに送るなりすればいいのに。
レーベルといえばこんな回答もあったかな。聞いてないデモ音源のダンボールが山ほどあって、今、仮に受け取ったとしても、聞けるかどうかは分からないってのも
あったね。ただ俺の曲のクオリティがダンボール云々に関わらず、レーベル側がすぐ出したいっていうクオリティじゃないってのが一番の問題なんだよね。まぁようは
曲が中途半端でしょうもないから、他を当たってくれみたいな。まぁいいや。まずは勉強をして仕事を探さなきゃな。人生長いねー。マジで。やることだらけじゃん。
ニート時代とは豪い違いだ。未来への願望が。

ところで今日凄いことがあったわけね。結局、プレゼンがあるのにも関わらず、あまりにも風邪過ぎるので学校休んだのね。で、ほったらかしにしてた
アクエリアスとかを入れるような水筒っつーかボトルの中身が亀の甲羅みたいな臭いがしたんで、殺菌しようって思って、鍋で熱湯を作ってそこに入れて
煮込んでたのね。哺乳瓶的な発想ね。で、例によって火をかけていることを忘れちゃってて、何時間後かに変な臭いがするんで、おかしいなーと思って
臭いをたどっていったら台所で、鍋を見たら鍋に入れてた熱湯は全部蒸発してて、ボトルは現代芸術のオブジェみたいに溶けちゃってたのね。こりゃーすげーなと。
臭いはなんかあのビニール袋を燃やしたときみたいな臭いで、外は氷点下なのにも関わらず、部屋中の窓を開けて換気して、そりゃー大変だったね。風邪で休んだのに
後始末が学校行くより面倒みたいな。結局、鍋は捨てたんだけどね。オブジェとして飾っておくのもいいんだけど、部屋に余裕が無いんでね。

んじゃ今日も短いんでウォール伝からのサンプリングで終わりたいと思います。あー体がダルい・・・。なんでこうもテストやらがあるときに風邪を引くかねー。
困った体だな。性欲は強いし。

俺は顔がオヤジ似で長いので帽子が極端に似合わない人なわけだけど、さすがにニューヨークは寒すぎて、似合う似合わないの次元の話じゃなくなってきた。
ルームメイトから「いや、似合う似合わないの問題じゃなく」と言われたことがあったんだけど、実際、そうだね。マフラーしないとか手袋しないってのは
忍耐でなんとかなるけど、頭は命より大切な髪が抜けたら大事だから、似合わなくても買おうと思ったのね。もう乾燥プラス寒さなんて最悪でしょ。
で、古着屋みたいなところで買おうと思ったんだけど、所謂、お洒落アイテムとして帽子をかぶると失敗するのは目に見えているので、適当にその辺で
みんなかぶってるニット帽を買おうと思ったのね。ただ普通のやつとかカンゴルとかのではヒネリがないんで「CCCP」って書いてあるとか「Liberate」って
書いてあるとか、もしくは赤い星マークがあるようなのを探してたんだけど、まぁ無かったわけね。で、見つけたのが「スカーフェイス」って書いてある
ニット帽。アパレル系の会社が映画会社に許可を取って「スカーフェイス」なる種類の衣類を作っていて、Tシャツとかカバンとか帽子があったりするんだけど、
まぁそれの一つみたいな。「Say hello to your little friends」って書いてあればよかったんだけど、スカーフェイスってドット文字みたいなので
書いてあって、トニーモンタナらしき影がマシンガンを持っているという意外と地味なものなんだけど、「スカーフェイス」って書いてあるだけ十分かなと
思って。店員から「値札取る?」って言われたんだけど、「いや別にいいや」って言われたのは、とてもその場で買ってかぶっていく勇気が無かったからだ。
家でちゃんと鏡を見て、かっこよくかぶるというよりは、なるべく変に見えないようなかぶり方をする練習をしなきゃいけないと思ったわけね。でも基本的に
俺は帽子全般が全て似合わないので、もうかぶったら相当間抜けで、さらにメガネが間抜け度を高めてるんだけど、「そうだ!」って思ったのが、あるとき以来
人目を気にせずウォークマンのヘッドフォンにしているゼンハイザーのデカイヘッドフォンなのね。帽子だけかぶると凄まじく変なんだけど、ヘッドフォンすると
変どころか割といい感じになったわけ。ようはデカイヘッドフォンがバランスを整えてくれてるのね。帽子と顔のバランスが悪い分、ヘッドフォンもドデカイんだけど
それが逆にバランスを中和してるっていうかね。まぁーでも派手な格好してないけど目立つけどね。コールドカットかウディアレンばりの黒縁メガネにスカーフェイス
書いてあるニット帽にゼンハイザーのドデカイヘッドフォン。まぁーいいけどね。ニューヨーカーとかに染まらずあくまで俺色な感じで。これもこっちだからまだいいので
あって日本じゃ「変なやつ」扱いされるに違いない。もう電車なんかでは目立っちゃってしょうがないだろうに。いやーやっぱ日本は住みづらいだろうな。
もうゼンハイザーのヘッドフォンはずせないからね。もう必須アイテムだから。でも帽子似合う人って羨ましいんだよなー。なんであんなに似合うのかなーって
ぐらい似合うからね。ベスト帽子ストの通称はキング・オブ・ビギンに決まりだね。色々試してみたけど、基本的に冬なら許されるって感じかな。似合わなくても
寒いから・・・という理由で許されそうな感じ。ただあんまし関係ないシーズンもお洒落としてやってるともう最悪。それこそロードアイランドとかと変わらない感じ。
でもヘッドフォンって以外にアクセントになってんなぁーって感じね。俺の顔がデカいので、ヘッドフォンが抑えてる感じ。今度、ちゃんとした帽子屋に行って
こようかなー。このニットもまぁいいんだけど、なんつーか、サイズが小さいし、ちゃんと合ったのをかぶりたいね。これが数ヶ月ならいいんだけど、
寒さはまだまだ続くからね。いやー困った。それにしても色々調べてたらブランド物の帽子ってすげー高いのね。もうブランド物買うのがバカバカしくなるぐらい
あいつら余計な値段つけてやがんなーって感じ。ホント、これからはデザインで買うことにしよう。好きなブランドが無いわけでもないがブランド買いだけは
絶対避けたいね。バカバカしすぎる。まぁ服買う機会なんてないけどね。

それにしてもSaloonっていう雑誌だかなんだかが発売したビデオがあって、Notoやら竹村やらOvalやらのインタビューで構成されてるんだけど、半野なんたら
っていう、前々から嫌いだったやつがこれに出てて、当時買ったときから嫌いだったんだけど、なんで嫌いかっていうと、あの衒学的な喋り口。
インテリぶって「女の人に四声、四和音のミサ曲みたいなのを歌ってもらって、ただそれはプロセッシングするためのあくまでの素材としてのものであって、
それはプロセッシングするために必要な素材なんです」なんていうバロウズのカットアップ並のわけの分からないインテリぶった話し方をしてるんだけど、
当時、MAXを使えるやつ=頭のいいやつだと思ってた俺にとって「あーこいつも頭いいのかな。気に食わないけど」って思ってたけど、なぜかYou Tube
見る機会があって、改めて見たらただのバカだね。一時期坂本龍一なんかと一緒にやってたみたいだけど、ホント、俺が前に書いたエレクトロニカなんかを
センスと才能のない作曲家タイプの人間が吸収して二番煎じを作るというような典型の人なんだよね。サトル君もモロそんなタイプだけど、まだ
ヲノサトルはセンスが無いながらもアプローチが面白かったりする部分があって、B級音楽として聞ける部分があるんだけど、半野のやつはシリアスに
笑えないのばっかだね。あれだけの亜流も珍しいね。いや、Saloonのビデオでの半野のインタビューは必見だよ。あの喋り方。で、小難しそうな顔をして
MAXをいじりながらやってるライブ映像。ただ噂によると8割ぐらいのMAXのパッチは本人が組んでないものらしい。うわー最悪。俺こういう人間が
本当に許せない。ほっとけばいいんだけど殴りたくなるぐらい中傷したくなるね。まぁあくまで俺の意見だけど、こういうペダンティストが作る音楽ってのは
ロクなものが無いと思うよ。カルちゃんの「インテリジェンスは病気だ」みたいな発想こそ21世紀だと思うんだけど、インテリぶった連中ってのは
多いんだよね。本当に。

カルちゃんと言えば、カルちゃんは本当に自分に忠実な理論家でありアーティストで、俺が散々色々やってきた挙句の果てにノイズをやっていると言ったのは
まぁあってるっつっちゃーあってるけど、そりゃ冗談もあるね。それは当然、色々やってきた挙句、ノイズが残ったというほうが正しいわけで、まぁ
そんなことはあえて書く必要もないとは思うんだけど。特に最近、印象的だったのがカルちゃんがどっかの大学のラジオに出たときに色々話していたこと
なんだけど、カルちゃんはかなり自分がやっている音楽に対して意識的なのにも関わらず、自分が意識したりコントロールしきれない部分というところを
物凄く重要視していて、本当の意味での実験音楽家なんだなっていうのが分かったわけね。特にライブなんかではカールスティンニコライとか池田りょーじの
ことをまぁ軽く批判してて、彼らはポピュラリティーがあるからこそ、まぁなんつーかライブでもただファイルを再生しているだけでコンサートが成り立つけど
そんなのは馬鹿げてるし、もっとタチが悪いのは何かをやっている風に見せていて実はもう出来上がった曲を再生しているだけのライブとか、なんとなく
イメージだけど、クリストフシャルルとかそんな感じっぽいね。でもカルちゃん曰くライブ、特に実験音楽では成功するかしないかが問題ではなく
そのプロセスと出た音が重要なんであって、例えばそれはあらかじめ15分後にはクラッシュするって分かっているソフトをあえて使ってみたり、まぁ
15分後にクラッシュというのが分かっているのは、まぁある種のコントロールの前提に立っているわけだけど、なんというか試みなんだよね。台本そのまま
じゃなく、フォークダンスのコントみたいな、ある程度のシーケンスはあるけど、それを壊したりリアルタイムで変えてみる実験性。そこがやっぱ重要なんじゃ
ないかみたいなことを言ってたわけね。いや、別にカルちゃんがフォークダンスのコントを例に出してたわけじゃないけど、いいたい事はわかるべ。
俺が基本的にライブ嫌いなのは、こういった試みのライブなんてのはほとんど皆無で、大抵はカルチャンの言葉を借りると「昔からのロックバンド」と
同じやり方で、曲が決まっていて、ただそれを演奏するだけっていう。またハードコア系になってくると話は違ってくるけど、所謂昔ながらのロックバンドの
ライブの魅力の無さってのは、俺にとってそれは全般的な話なんだよね。音楽に対する主体性が欠けているような気がするっつーのも、基本的にテープ音楽の
ライブにしても、本人はいなくてテープを送ってそれを流すだけとか、ロックバンドにしてもある曲を今まで通りに演奏してそれを楽しむっていう行為は
完全に娯楽的で、かなり音楽とかけ離れたものだと思うんだよね。エンターテイメントなんだよ。ようは好きなロックバンドのメンバーが生で目の前でオナニーを
している・・・じゃなくて演奏をしているという部分の満足度が高くて、実際、音楽的にはただライブハウスの鳴りとか生で音が出ているという部分だけで
根本的なコアの部分は録音作品と全く変わらない。これはDJにも言えて、全く実験性がない、ようは盛り上るためだけのパーティーってのに全く興味がないのは
騒ぐとか踊るっていうところに焦点がいっていて、音楽なんてどうでもいいんだよね。とりあえず音がデカくてベースが聞いてて踊れる曲ならいいみたいな。
そこに音楽的なこだわりっていうのがないんだよね。まぁDJもコマーシャリズム化してるってことだね。俺はDJってすげーアーティスティックだと思ってるんで
所謂ダンスだけが目的の音楽なりDJってのには全く興味がないんだよね。まぁCDで聞くならBGMでいいんだけど、パーティーとなると凄く嫌。別に俺はそこまで
踊るのが好きじゃないし、社交的な目的でクラブに行くなんてありえないし、だからなんつーかニューヨークに来てもさっぱりクラブに行く気がしないんだよね。
元々別に俺はクラブ好きじゃないんだってのも凄く分かったしね。DJやるのは好きだけど、自分が聞きたいDJってのは限られた本当に尊敬しているDJか、自分の
DJだけだもんね。まぁ自惚れるわけじゃなく、自分は自分が好きなレコードを持っていて、それを元に選曲するわけだから、自分の選曲が嫌いなわけがないんだよね。
だから俺がクラブに行くとすれば、それは自分がやるときなんだけど、まぁそんな機会もないだろうし、なんつーかクラブっていうスペースに期待できるものって
かなり少ないんだなって思ったね。ポテンシャルが低いっていうか。そう思うと音楽的には好きじゃないけど、ライブであることが重要な音楽っていうのは
例えばオフサイトでやっていたような即興音楽とか、SachikoMとかとしまるさんみたいな、コントロールしきれている部分が半分ぐらいで、他はアクシデント
といったような、まぁ昔から言うところのライブエレクトロニクス系の音楽だよね。そこで傾向は違うにしても、カルちゃんは、例えばとしまるさんが
フィードバックミキサーをコントロールしきれないのと同じように、コントロールしきれない不憫なソフトウェアとかパッチをあえて使って、そこで出てくる音が
ライブ音楽になるといったことなんだよね。そういえばカルちゃんが曲を作るときってのは、全くアイデアなんてない状態で、色々なソフトを立ち上げて、ソフトを
いじくることから作曲が始まるんだそう。これはちょっと以外だった。前にまぁ冗談交じりでカルちゃんの作品はイージーゴーイングなところがあるみたいなところを
書いたけど、それはあえて自明の中でやってるんだよね。あえて複雑にしないということの難しさは最近凄く感じているので、余計にカルちゃんってすげーって
思っちゃうわけ。俺は割と堅物なんで、アイデアが元になって曲を作らないと、それはただ俺が機材をいじった音で音を作ってるだけであって、そこに作り手がいない
って書いたけど、カルちゃん的な正反対の発想を聞くと、また色々考えることがあるね。はたしてアイデアとか閃きみたいなものをそこまで重要視する必要があるのか?
っていうね。まぁバランスは必要だけど、アイデア無しでは作るべきじゃないっていう、ある意味、凄くクローズな考えは良くないなって思ったわけね。
ある意味でアイデアありきで作るべきなんていう発想はお堅い発想で、ある意味、アイデアにリミットをかけていることにもなりかねないんだよね。ソフトをいじくることで
出てくるアイデアなりってのもあるわけで、そこをどっから来るか分からないようなひらめきにばかり頼っていては、なんというかそれもいいんだけど、ある意味で
リミットをかけているということにもなりかねないと思うんだよね。だからとりあえず気が向いたら作ってみるっていう、その作るという動機に関して観念的になりすぎるのは
モノづくりにマイナスだなって感じたわけ。とりあえずいい音があったらいい音を使ってみるとか、ちょっと短絡的だけど、そっからアイデアが生まれたり膨らんでくれば
それは動機として十分なわけで、最初の取っ掛かりに関してこだわる必要はないんだよね。こんなカルちゃんからヒントを得た認識からというもの、ここ一ヶ月で20曲ぐらい
作ったね。いやー今までいかに変にこだわり過ぎていたかっていうを実感したね。リミットを外せば発想なんて全部自由だって思うと、これこそが本当の意味での発想
なのかなって思ったりした。作ることってのはスキルや知識もさることながら、こういった作ることに対しての意識というのが物凄く深く関係していて、たぶん本質は
こういうところにあるのかもしれないね。スキルとか知識なんてのは、まぁある意味、ソフトウェアとか楽器みたいな、作品全体で考えると、ほんの一部分を構成している
部分なだけで、コアの部分ってのは、もっと作り手の個人的なアイデアとか動機とか閃きとか考えかたとかなんだよね。で、やっぱ今の音楽ってのは完全にこういった
核の部分が無くなっていて、だからなにもかもスッカラカンなんだろう。ジャケは派手だし、プロモーションビデオや宣伝は派手だけど、音楽はスッカラカンっていうのは
本当に多い。まぁこの手の商業音楽なんて元々そうだけど、所謂、今までオルタネイティブだったような音楽にも同様のことが起こっているような気がしてならないんだよね。
それは前に書いたエレクトロニカというタームがネガティブなものになっているっていうのと同じ事で。結局、ある程度ポピュラーになると、本質的な部分っていうのは
少なくなってきて、もっと上辺だけの綺麗さとかリズムだとか見せ掛けだけのメロディとか、そんな感じなんだろうね。そういえばMarzっていう、あのエルクハルドなんたら
っていう綴りが全く覚えられない例の観念的な電子音楽を作る人の別のプロジェクトがあって、なんか二人組みでやってるらしいんだけど、レーベルがKaraoke Kalkってのと
このエルクハルドなんたら絡みだったんで、前から気になって買ってみたんだけど、もうギャグだね。これは。Amazonのレビューなんかを見ると良いとか、ネットの
CDレビューをしているようなサイトでも平均的に評価が高かったり、無人島に持っていく音楽とまで書いている人がいるんだけど、これこそまさにエレクトロニカ
スポイルされた結果のつまらない音楽の代名詞って感じだね。まぁ百歩譲ると音楽的には悪くないかもしれない。そこまで。ただ俺が一番嫌だったのはあのボーカルね。
ユキヒロさんを真似したような、あの歌い方をドイツ人がやってるともう鳥肌がたってしょうがない。悪い意味での悪寒的な鳥肌ね。ユキヒロさんのボーカルは好きだけど
Marzのボーカルは最低だな。もう。ただなぜかスケッチショーだかのリミックスに参加しているのを見ると、ユキヒロ本人もユキヒロジュニアとかって思ってるのかも
しれないね。分からんけど。でもあれは酷いよ。音楽は明るいんだけど、フォンテーヌを聞くよりもっと気分的に暗くなるね。ここ最近買ったやつで一番失敗したCDだね。
これは。無人島に持っていくやつの気が知れない。だったらスケッチショーのほうが全然マシだと思う。Marzはギャグです。はっきりいって。インテリがちょっと
分かりやすい音楽のアプローチをしたいっつってやったインテリのマスターベーション的な音楽だね。実験音楽のことをマスターベーションっていう言う人もいるけど
それは何も実験音楽のことを分かってない。実はオナニー的な音楽ってのは身近に流れているものとか、Marzみたいな大衆を意識しているようで実はオナニーみたいな
そういった音楽に多いんだよ。ホント、音楽を聴くにもリテラシーが必要。Marzはまさしくさっき書いたヲノサトル系のアプローチだね。だからエレクトロニカっていう
タームがどんどん悪くなっちゃう。まぁ別に元々エレクトロニカ好きじゃないんで関係ないんだけど、不純物が多くなったもんだなーって感じるわけね。凄く。
エレクトロニカやら音響系やらで電子音楽も一つの音楽のスタイルとして確立された感じがあるけど、実際、本当の意味での電子音楽なんてめっちゃ少ないわけよ。
っていうのも電子音楽なんて大衆に支持されるような音楽じゃないんだよね。それこそSubrosaが出した例のコンピみたいなのが電子音楽なわけで、エレクトロニカ
電子音楽的なエッセンスを持った大衆音楽に成り下がったわけだ。あ、そうそう。最近の作品はどれもこれも気に入るのがないんだけど、メルツある意味で物凄くピュアな
電子音楽家だと思うね。あとテムリッツとか、もちろんピタとかカルちゃんね。あとヘッカーとか、まぁ結局こんな感じでマニアックになってくるわけだ。
もちろんカルちゃんはキングオブエクスペリメンタルでありマスターオブエレクトロニックミュージックだけどね。そうそう。テムリッツの新譜は日本盤なんで手に入らない
んだけど、ハウスやってるみたいね。ただいろんなコンセプトが裏にあるみたいで、観念的な音楽は避けたいと思いつつも、ウルトラレッドとかテムリッツ関係のものは
徹底的にバックグラウンドを理解して、その音楽を骨の髄までしゃぶり尽くしたいわけね。まぁ別に彼らがゲイっていうこととしゃぶりつくすっていうのをかけてる
わけじゃないけどね。でも顔射ってお肌に良さそうだよね。コラーゲンだもんなー。

そうそう。クソ硬派なコンピューターミュージックといえば、カルちゃんとkasper t. toeplitzのLe Depeupleurだね。こりゃーすげー。別に音が凄いんじゃなくて
あまりにもストイックでコンポーズされたコンピューターミュージックなんで驚きだったわけですよ。コンピューター音楽の欠点ってのは、音が派手じゃないっていうのが
あるんだけど、これがまた前に書いた二つの意味ね、まぁ全てがコンピューターで成されていて、全てがコンピューターでジェネレートされた音のみで構成されている
という、前に書いたコンピューターミュージックとコムピューターミュージックの違いみたいなもんなんだけど、これは凄いよ。マジで。このユニットのセカンド
割と電子音響作品としても聞けて、まぁ電子音楽好きならそこそこ楽しめる音だと思うんだけど、凄まじいのが2006年に出た3rd。かなりマイナーなドイツのアート系のレーベルから
出てるやつなんだけど、なんたらっていう人が作ったJitterのパッチで作った音のみで全てを構成したらしいんだけど、もう凄まじいのが、ずーっとホワイトノイズなのね。
最初は短波ラジオのノイズみたいなのから始まって(もちろんそのパッチでジェネレートされた音)、ジワジワと音のコントラストが変わってきて、固めのホワイトノイズに
変わってきて、最終的にビットレートを落としたようなホワイトノイズになっていくっていう、ホワイトノイズ、ブラウンノイズ、はたまたピンクノイズだけで作られたような
音で、最初聞いたとき愕然としたね。なんちゅーストイックさなんだって思ってさ。これこそやっぱ実験音楽だしコンピューターミュージックだよね。まぁ万人には進められないけど
本質的なことを分かっている人には物凄く響く音だと思う。ってなるとゴダールの「マルクスとコカコーラの子供達」みたいに分かるやつしか分からないんかい!みたいな
閉鎖的なものになりかねないんだけど、まぁ元々商業音楽じゃないんで、そこは大衆だの人に理解されるだの人との関わりがあるだのっていうのとは全く別の問題なんだよね。
だから俺はこれは凄まじいマスターピースだと思うわけ。こんなの分かりきってる人じゃないと作れない。恐らく大半の人はオナニーって言うだろうけど、これは所謂
垂れ流しの砂嵐系のハーシュノイズでもないし、ただ出た音を録音したやつでもない。凄まじくコンポーズされてるんだけど、そうには見えないみたいなね、まぁ結局
分かりづらい電子音楽なんだけど、俺にとってはマスターピースね。カルちゃんはクセナキスに師事していたということもあって、クセナキスがもっともカルちゃんに影響を
及ぼした音楽家らしいんだけど、物凄くコネクションを感じるね。音の異化なり、計算された音なり、コンポーズされた電子音楽なり、一見全然違うけど、内面的に
相当コネクションはあるね。あとサンフランシスコだかのマイナーレーベルから500枚限定で出たカルちゃんのintensifierっていうやつ。これはフランスでのライブ録音
なんだけど、もう凄いよ。かなり前に書いたLe Depeupleur的なアプローチなんだけど、ビットレートを落としたホワイトノイズっつーか、なんつーか具体的に言うと
FF6の波の効果音みたいな音が嵐みたいに上から下から鳴ってるって感じなんだけど、このアンビエンスの感覚とシンプル過ぎる音処理でここまでいい音を作れるなんて
カルちゃんは職人だなって思ったわけ。ある意味、怖いと思うんだよね。リスキーっていうか。だってやってることはシンプルだし、特にややこしいプロセスは踏んでない
んだけど、この音だけで勝負してるってのが凄いね。41分ぐらいなんだけど、凄く気持ちいいホワイトノイズが波打ってるみたいな音で無機質ながらも情緒的なんだけど
やっぱ俺がビンビンに勃起するのはこの音の質感と、コンピュータープロセスがさほど複雑じゃないっていう点ね。何回も繰り返すようだけど。それこそ複雑系だと
ラニュラーを使って音をグチャグチャにしてリスナーをかく乱させて、俺は凄いことをやってるんだぜーみたいな、そういう見せ掛けだけのコンピュータープロセスの音楽は
本当に多いけど、中身がスッカラカンなのは言うまでもない。ただカルちゃんはこんなシンプルなプロセスでこんないい音を作ってるんだからもう凄いよね。
格が違うっていうか。あーこの人本当に分かってる人なんだなーってカルちゃんのを聞くたび思うわけね。そういえばSubrosaから出てるOne and Manyってやつは普通に
ハーシュっぽい感じなんだけど、なかなか快感なノイズなんでこれもオススメよ。ただ難点は後半に音がドローンっぽくなってきて、静かになってきたときに急に
凄まじい音量のノイズが数秒入ってきてまた展開が変わっていくっていう、何回聞いてもビックリしちゃうところがあるんで、なんだか何回も聞けない感じね。
これのサウンドソースは短波ラジオらしいんだけど、プロセッシングは完全にコンピューターで、なんというかティピカルなカルちゃんのノイズって感じね。
また音の質感が最高なのはいうまでもないね。最近、俺の中でカルちゃんはハズウェルを超しつつあるね。まぁサタンズトルネードとか考えるといい勝負なんだけど。
ただHeckerとのVoice Crackのリミックスの修正版ね、前に書いたMegoからのやつ。いやーこりゃ凄いよ。もう。もうやられたって感じだもん。俺がこんな音をちょうど
作りたいのにやつらはほとんどやっちゃってる。まぁここで前に書いたようにやられたからってやらないんじゃつまらないんで、俺は俺でやってみるけどね。ただそれは
このリミックスからの影響ではなく、あくまで元々作りたいって思ってたのをやるだけで、まぁ結果的に部分的に似るとは思うけど、それは結果だからね。
なにしろ面白いぐらいこのリミックスは俺が好きな音が詰まってて、困ったもんだって感じなのね。あー色々書きすぎた。もう寝るわ。そういえば額が広くなって
来てるので、いとうせいこうみたいに前髪をそろえるっていうスタイルが俺にとっては最善だって思ったわけね。それは去年もやってたけど、また今回もやろうと思うよ。
予想以上に額が広いので。明日散髪に行ってくるよ。でもニューヨークの美容院ってなんか響きが青山の美容院みたいな感じでかっこいいね。まぁどうでもいいけど。

そうそう。↓このCDの二枚目、SlimzeeのMIXは最強。UK産なんで給料一か月分ぐらいを叩かないと買えないけど、すげーいいよ。特にJon E CashのKettleって曲が
マッシヴ過ぎ。2000年ごろのR&B調な2Stepは今でも好きだしたまに聞くんだけど、この2Stepからのブレイクスってなカテゴリの音は男気溢れる曲が多いのね。
絶対、女の子聞かないなみたいな。ラガジャンみたいなもんね。基本的にUK産ってのはムンベの国ってのもあって、ベースを大切にするよね。ベースがいい曲は
俺基本的に好きだからね。動画はDANIEL MENCHE(マイクのほう)のしょーもなさに大注目。思わずYoutubeでpoorの投票をしてしまったぐらいしょーもないです。歴史的に
しょーもないライブだと思う。DANIEL MENCHEって色々な顔を持っていて多彩とか書いてある文が多いけど、しょーもない。マジで。多彩な人はこんなライブやらない。
「カルちゃんとダニエル」っていう一回きりのコピーバンドを組みたいぐらいしょーもないなー。そりゃーボトルが溶けるわけだ。

Smoove Presents Street Beats

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