小旅行。

mimisemi2009-01-19

例のっつっても誰か分からないかもしれないけど、たまに一緒にどっかに行くウォール伝上の呼び名で言う「例のキャリアウーマンの人」のお誘いがあって、んでビエコンだかベーコンだかっつーとこに行ってきたんだけどね、経緯としてはあれなんだ、これまたウォール伝読者にしか分からないかもしれないけど、前の英語学校のインテリ先生ね、このキャリアウーマンの人は俺が通ってた英語学校に通い続けていて、んでインテリ先生の授業とか受けてたんだけど、そのインテリ先生がなんかね、授業中にもったいぶって「私のお気に入りの美術館がある」とかってすんげー言うらしいんだわ。「モマなんてクズだわ。あんなものアートのカタログみたいなものよ」なんて言いつつ、なかなかその時運の「お気に入りの場所」を明かさなかったらしいんだけど、これまた定期的なウォール伝リーダーにしか分からないかもしれないけどね、あのお父さんがトロツキーの知り合いで、んでソ連の政府の情報機関に勤めてたっつー何気に超エリートのおばあちゃんがさ、インテリ先生に「いつもその美術館の話をするけど、どこか言わなかったら誰も分からないじゃない」なんてちょっとキレたところ、まぁインテリ先生は「他のクラスの人とかに言わないでよ!」とか口止めしつつ名を明かしたんだけど、そこがまぁビエコンだかベーコンのDIAっつーメガテン系の回復魔法と同じ名前の美術館だったんだけど、まぁ名を隠すほどマイナーな美術館じゃなくて、有名な美術館なんで「なーんだ。そこか」ってことらしかったんだけどっつーのがまぁ前置きですわ。


で、まぁそこに行くことになったんだけど、場所はニューヨークのアップステイツっつーのかな?マムハッタンからだいぶ上に行くともう田舎じゃない?ニューヨークっつってもマム以外は全部田舎なんだよね。ニューヨーク州ね。で、あのドッキリで有名な(違ったっけ?)グランドセントラル駅からチケットを買って、んでまぁ偽新幹線みたいなので1時間半ぐらいのところなんだけどね、行ったら割と驚きだったのがすんげー田舎だったんだよね。それこそ母親の実家の秋田を思い出すような田舎。温泉がありそうな田舎でさ、山とかふつーにあるのよ。電車からはリスとか鹿みたいなのが普通に歩いているのが見えたし。


で、キャリアウーマンの人にかなりガランドゥーな駅周辺の写真を撮ってもらいましたっつーか自分でデジカメ買って撮れよって話なんだが。







で、これが例の美術館っつーか入り口しか撮らなかったんだけど。


http://www.diabeacon.org/


で、その件の美術館なんだが、蛍光灯だけの展示とかスクラップメタルのコラージュとか、なんつーか60年代以降の現代アートみたいなのばっかで全然面白くなかったのね。インテリ先生がモマを批判してまで素晴らしいと評価する美術館だったんで期待をしていたんだけどスカシカシパンでした。美術館内は撮影不可能だったんで作品の写真はありませぬ。まぁあとはヨゼフ・ボイスのやつとかあったけど、コンセプトとか読まないとそれだけじゃさっぱり分からないようなのばっかだった。ダダってさ、コンセプトもあるんだけど、コンセプト理解できなくても「うわーすげー!」って感じるようなアウラがあるじゃない?俺って作品全般そうなんだけど、この「うおっ!」って思うようなアウラを感じないやつには全然興味ないのね。だから現代音楽なんかと似ているんだけど、コンセプトを理解しないとさっぱり良さが分からないっつーコンセプチュアルアートみたいなのってあんまり好きじゃないのね。作品単体で楽しめないと俺にとってそれってあまり興味のあるものではない。


あとはまぁロシアの構築主義だったかがやってたようなホワイトキャンバスにさらにホワイトで白を塗って、さらにまた違うホワイトで白を塗って・・・みたいなやつとかね、キャリアウーマンの人と「なんだこれぇー」みたいなことを言いつつ俺はいつもの調子で「こういうのはそもそもですね、過去に何度も試みがあったようなコンセプトで・・・」みたいな知ったかぶったような口調で批判を重ねてたんだけどっつーかまぁ知ったかぶりではないんだけど、どうも俺って口調が普段は本ばっか読んでるのもあって活字体になっちゃうんだよね。ウォール伝は逆なんだけどね。モロに喋り体。でも俺が喋ると活字体になっちゃうの。変なのぉー。


結局、美術館ではインテリ先生の話ばかりをしつつ「結局、先生は孤独に悩んでいる哲学者崩れで、一人でこんな場所に来るなんて相当病んでいる」だとか今思えば色々と酷いことを言っていた気がするんだけど、このキャリアウーマンの人からインテリ先生の後日談っつーかクラスでの話とか色々聞いたら結構俗物っぽいんだよね。俺は凄く評価していたけど、実はかなり典型的なアメリカンウーマンっつーかまぁ平均的なインテリアメリカンウーマンって感じかもしれないのね。俺のインテリ先生の思い出をぶち壊すようなエピソード満載でゲンナリしたんだけど、まぁいいや。まぁ俺の結論としては、インテリ先生は中途半端に左翼的というか反抗的なんで、メインストリームのものを批判することで自己陶酔をしていて、こういうマイナーに見える美術館を褒めることで、自分のオルタナ感を強調しようとしているみたいなことだったんだけど、まぁこれって典型的な俗物だよね。いや、本当に先生がここを気に入っているというか、作品を気に入っているならいいんだけど、どうもそうは思えんのよねっつーのはこの手の作品ってモマとかあとモマの別館のオルタナ館であるPS1なんかにもあるしさ、ましてやモノによっては一時的にモマに来てたやつなんかもあるんだよ。特にヨゼフ・ボイスの意味不明なオブジェとかってモマにもあるしね。モマってようはアート史みたいなもんでさ、モマ批判するってことはもうそれってアートへの批判なんだよね。これってなかなか成立しないっつーのはモマは色んなのを包括してるんで、モマ全体では批判のしようがないんだよね。そんなインテリ先生への矛盾を感じつつ、まぁ我々一行といっても二人だけど、この美術館のカフェでコーヒーを飲んで休憩しつつ、ギャラリーが点在するこの街のメインストリートなる場所に行くことに決めたのでした。


で、問題のメインストリートなんだが・・・・


ムムッ!なんか予想と違うぞ!とか思いつつ、永遠と続く田園風景を歩いた末にたどり着いたのは、アメリカのゴーストタウン化した郊外の典型みたいな街なんでした。我々一行がベーコンっつーかビエコンに期待してたのは郊外にある独立したお洒落な、まぁ若干劣化したボストンみたいな雰囲気の街で、お洒落はメインストリートにはアートにまつわるショップとか、ギャラリーがいっぱいあってもうどこに行っていいのか分からない!って困るぐらいの場所だったんだけど、実際はもうあれですよ、マウスオブマッドネスのホッブズエンドみたいな感じね。あの主役が「アメリカンメインストリート!」って馬鹿にしてたようなメインストリートでした。氷点下14度ぐらいのランドスケープを堪能する余裕も無かった我々一行は、メインストリートを馬鹿にしながら練り歩きつつ「もう都市が恋しい」とか言いながらもまぁ一応来たんだからっていうことで、メインストリートの果てまで行ってみたんだけど、果てにあったものは・・・!!Chaseバンクでした。ってことで寒さに耐えられないというよりかは田舎堪えられない我々はマムハッタンに戻ることにしたのでした。


で、また一時間半かけてマムハッタンに戻ったんだけど、戻った感想は「やっぱ都市っていいねぇー」でした。日本に帰ったときに母の実家の秋田に帰ったときもそうだけど、高速とかでもずーっと田舎の風景が続くじゃない?で、行きはいいんだけど、帰りとかもうゲンナリしてくるんだよね。で、ちょっと風景が都市っぽくなってくると「帰ってきたぁー!」って気分になってきて、んでレインボーブリッジとか東京タワーが見えるとすんげー安心するのね。


で、美術館でインテリ先生に関して展開した理論があるので勝手に披露するわっつーのはね、インテリ先生は「私はロス出身だけど・・・」とか「ニューヨーカーの私は・・・」とかってやけに言うらしいんだけど、キャリアウーマンの人が言うには「自分からニューヨーカーとかって言う人ってどっから来たの?って感じ」ってことなんだけど、これって俺の田舎=都市理論なんだよね。ようはネイティブニューヨーカーはニューヨーカーであることが当たり前なのであえて言わないんだけど、特にお上りさんみたいなのは田舎からニューヨークに来たことでのアップグレードを経験しているので、そのアップグレードを自慢したがるんだよね。東京に田舎者が多いっつーのはだいぶ前に書いたからもう繰り返さないね。


で、俺はインテリ先生がなんでニューヨークに来たのかが気になったので、キャリアウーマンの人に尋ねたんだけど、なんかね、インテリ先生曰く速いスピード感が良いらしいんだわ。すんげービジーなスピード感がいいらしい。でもさ、これってのもさっきのニューヨーカーと一緒でさ、最初からビジーな人はそれがビジーって感じないよね。田舎から来た人は都市の速いスピードに感心するのかもしれないけど、それって差異あってのスピード感だよね。スクーターしか乗ったこと無い人が、すんげー速いバイクに乗った時に感じる違いと一緒だよね。ってことでインテリ先生はすんげー田舎モノっつー結論に至ったわけだね。いや、ニューヨークも俺から言わせればゆったりしてるよっつーか俺はそこまでの都市育ちじゃないっつーか育ちは東京の郊外の田舎の日野でまぁ小さい頃からしょっちゅう新宿やら原宿やら都内の色々なところに親父が連れて行ってくれたので都市の感覚ってやっぱ小さい頃からあるんだけど、ニューヨークのスピード感って東京に比べたらたいしたこと無いよ。っつーか東京がビジー過ぎてニューヨークなんてゆっくりに感じるもんっつーか余裕があるよ。東京なんて悪い意味で人々が死にそうなぐらいビジーでしょ?まぁ良いスピード感ではないんだよね。忙し過ぎるって意味で速過ぎる。なんで別にニューヨークっつっても別に対したこと無い。


話がだいぶ逸れたな。で、まぁマムに戻った後は「どこに行こうか?無駄に時間が余ったね」ってことでさっつーか行きのグランドセントラル駅では帰りの電車の心配とかしてたんだよ。色々と楽しみすぎて電車を逃したら大変だ!ってことでさ、最終電車とかチェックしてたぐらいなんだけど、実際はもう美術館行ってメインストリート歩いて、んでとんぼ返りだからね。これにはウケたよね。で、まぁこの後はまぁ俺の提案っつーか俺がただ行きたかっただけなんだけど、紀伊国屋に行ったりしつつ、でももう俺の体力が限界だったんでねっつーかこの日は寝てなかったんだよ。まぁ言うまでもなく夜起き昼寝のサイクルだったんで、朝10時にグランドセントラル駅集合とかまず寝てたら無理っつーか俺にとってはそれって夜の10時にグランドセントラル駅集合じゃない?で、夜中に美術館に行って、深夜にメインストリートを歩いたって感じだよね。結構な距離を歩いたんで、運動不足の俺はマムに着いた頃には冷えもあってか腰が痛くなってきちゃって大変だったね。すんげー眠いし疲れてるし。


で、キャリアウーマンの人の提案でダウンタウンウクライナ料理の店に行くことになったんだけど、ウクライナで例のビデオを想像してしまったのは言うまでもない。まぁでもあれなんだよね、でもっつーのはおかしいけどウクライナ料理すんげー気に入ったんだよっつーか基本的にロシア料理みたいな感じだったんだけどね、でも寝不足っつーか体の疲れもあってか前菜のサラダとパンだけで腹一杯になっちゃって、メインディッシュだったビーフシチューみたいなのが食えなくて、んで今夜の夕食はドギーバッグでお持ち帰りのオザケン状態になっちゃったんだけど、ウクライナ料理を満喫した後はもうさすがに俺は帰って寝たかったんでね、もう帰りましょうっていう法案になっていたんだけど、帰り道にキムズがあってさっつーかなぜかキャリアウーマンの人とどっかに行くと必ず俺の場所であるNYU8st駅に行き着くんだよね。ほぼ例外無く。結局最後はここかよっていうね。


で、キムズが閉店セールの最終日だったんで、キャリアウーマンの人がキムズをちょっと覗きたいっつーんで行ったんだけど、俺は紀伊国屋ですんげー高い本を買ってたしさっつーか二冊で84ドルとかだったんだけどね、高いっつーか元の本の値段が高くて、んでまぁ送料が上乗せで10ドルぐらいになってるから84ドルになっちゃってたんだけど、面白かったのがさ、紀伊国屋でね、なんとね、ムフの民主主義の逆説が4冊もあったのよ。棚に。「えー!!!」とか思ったんだけど、これがウォール伝波及効果だったら嬉しいね。以下のような図式で。ニューヨーク=ニューヨーク情報=ニューヨークに関するブログ=ウォール伝=耳蝉がムフファン=紀伊国屋の店員が必死にムフを入荷みたいな流れで。まぁ無いけどね。でもいいことだ。ムフの理論が特に合うようなニューヨークって場所でムフの本の在庫が無駄にこれだけあるっつーのはいいことだねっつーかまぁウケるよね。まず店頭には一冊でいいじゃんっていう。で、売れたらまた補充すればいいのに、なんで本棚に同じ本が4冊もあるんだっていう。まぁいいや。俺は凄く嬉しかったよ。で、俺が何を買ったかは内緒ね。読んで良かったらまぁ後でこれについて色々書くからっつーか本について書いてたらまた長くなって年明けなのにまた年が明けちゃうからね。


で、キャリアウーマンの人とキムズに行くと俺がオススメを選んでキャリアウーマンの人がそれを買うっつーのが定番のルーティンになってるんだけど、今回オススメしたのはね、っつーかブシェーミのIn The Soupとかドッグビルとかナチュラルボーンキラーズとかさ、まぁ今回は一本だけっつーのと、なるべく英語のやつでっつー縛りがあったんで、この3つのどれかっつーので迷ったんだけど、迷ってたらヴァギナデンタータのTeethが売れ残ってたんで、俺はもう何も買うつもりは無かったんだけどこれを買っちゃったんだけど、まぁこのTeethを手に取りつつ、オススメをどれにするか迷ってたらクライテリオンからの死刑台のエレベーターが売れ残ってたんで「フランス語だけどこれだ!」と思って今回のオススメはこれにしたんでしたっつーかもう体力的に限界だったけど、キムズに行くとまたパワーが戻るね。で、死刑台について残っているパワーをフルに使って熱烈に説明をしつつね、まぁこんな感じで「マイルスの即興演奏とノワールな手持ちカメラによるモノクロ映像とジャンヌ・モローが街を彷徨う映像がもたらす絶妙なハーモニーはヌーヴェルバーグの最高峰です!!」とか説明しつつね、まぁ俺のレコメンドにはハズレが無いからさ、っつーかこのキャリアウーマンの人も関心してたね。まぁ俺の解説はまぁティピカルなもんだけど「よくもまぁ色んな映画について細かいところまで覚えてるね」って関心されちゃったっつってもまぁ映画オタクってみんなそうだよね。好きな映画に関しては何回も見てるから覚えてるんだよね。好きな映画って何回も見るから必然的に細かいシーンまで覚えちゃう。


って感じで激しい一日が終わりましたね。一年分ぐらいのエネルギーを一日で使い果たしてしまった感じでした。いやぁーでも楽しかったな。また3月にどっか行こうって話になりました。あ、んで別に俺とこの人とは別に恋愛関係にあるわけじゃないですからね。ニューヨークのベストフレンドっていう感じです。ってな感じで今日はこの辺で。

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