高木センセの解析概論を買ってみたヨx∈高木センセの本 P(x)。

mimisemi2010-09-08

いや、もうしばらく本は買えないとかいいながらさ、マーケットプレイスでちょっと色々買ったねっつっても全部千円以内なんだけどさ、あれってどれも多分送料250円じゃん?だからまぁ大量に買うと凄いことにはなるだろうけど、んでもまぁ安さがありえないような本が多いからつまりはあれで買っちゃえば相当経済的に良いってことだよねって分かってたけどさ、今回買ってみて改めて思ったね。まぁ今後どうするかは分からんけどね。でも本屋に行くといつも万単位になるからさ、だからやっぱまぁ本屋には行かないほうがいいなと。レコード屋と一緒だよね。


まぁんで何を買ったか?っていうとさ、もう読み終えたんだけど木村俊一っつー俺と名前だけ一緒の人がいるんだけどさ、この人の講談社のメチエのやつなんだけどね、タイトルは「天才数学者はこう解いた、生きた」ってやつなんだけど、メチエに数学があるなんて!って思うじゃん?で、まずなんつーか著者の写真がさ、俊一繋がりで数学だからなのか分からんけどマッシュルームカットなんだよね。で、太めの人でまぁ見た目芸人っぽいっつーか。でも経歴が凄くてさ、学部東大でそのまま修士取ってシカゴ大学でPhd取って、んでその後MITとかユタ大学とか恐らく研究員とかなんとかで転々としてたっていうさ、まぁすげーエリートだよね。


で、見た目がまず面白いじゃん?で、書き方もやっぱ面白いのよ。見た目に対応してる書き方っていうかすげーユーモアがあるんだよね。この本自体は方程式の歴史みたいになってるんだけど、まぁそれを軸に数学史とかさ、まぁあとは数学者の数奇な人生とかが語られてたりさ、エンタメ的なんだけど学術的なんだよね。面白いからついついどんどん読んでいってしまうっていう感じで読んでると数学の理解とかやってられなくなるからさ、そういうのも配慮してか難しいやつは別の図になってたりさ、あとは巻末の付録みたいになってたり、まぁすげー良い配慮があるんだよね。いや、俺は最近っつーか本当にここ最近だけど「配慮」ということが凄くキーワードになってるんだよね。


前に数学書マニアになったかもしれんって書いたのもつまりは読者への配慮がなされているか?というところなんだよね。それを見るのが面白いっつーか勉強になるっていうかさ、数学っつーサブジェクトだからこそその配慮がキーワードになってくるっていう。まぁそれは単純に読み手って意味でもそうだし、あとは一般向けだったら素人のことを考えてるのか?ってこととかだよね。で、この木村俊一っつー人の本なんだけど、特に数術師伝説ってやつが面白いらしいんだけど復刊してほしいよねっていう。まぁ俺はマーケットプレイスで買うと思うけどね。まぁとにかくすんげーこの人のファンになったってことね。書き手として優れているということにまぁ最近俺は凄くなんつーか感銘を受けるんだよね。


内容だけだったらまぁそれこそ知識ってことで変な話、ウィキとかでも済むようなことも多いのかもしれないけど、パブリケーションっていうパッケージングされた中で伝えようとする力っていうかさ、まぁ前に書いた伝達力だけどさ、そういうのに俺は憧れるんだよね。最近。俺に凄まじく足りないものだなって思うところでもあるし。まぁとにかく買ってみてくださいね。木村さんの本。あの調子だとどれも面白いはずなので。予備校教師とかが面白おかしく数学を語ってるとかじゃなくてさ、プロ中のプロが面白いアプローチで書いてるんだよね。それが凄くかっこいいんだよな。数学者としては凄くてもさ、伝える力がなかったりするとまぁそれは数学者としては凄いけど書き手としては凄くないってことじゃん?まぁ数学者であるということに対しては別に書くということは二次的なもんだからいいのかもしれないけどさ、それが見事に一流な感じで書き手としても学者としても成立してるってやっぱ最高にかっこいいよね。専門性が高まれば高まるほど書き手としてのスキルっていうかさ、決して上手い感じではないのが増えるじゃん?専門書ってそうだよね。


概念が分かりづらいっつーよりかは書き手がプロじゃないただの学者だから伝わり辛くなってるっていう。専門的だから分かりづらいってことはないと思うんだよね。極めて専門的なものを扱ってる人達の文章力がイマイチってのはあると思うね。だから数学ライターみたいなのが書いた本のほうが面白かったりするんだけど専門性があんまりないっていう。そのジレンマを木村さんは完全に超越してる気がするんだよね。こういう人って凄く希有だなっていう。まぁまだ一冊しか読んでないけどさ、まぁーとにかく面白いっていうかさ、いや、本当に文章が上手いっつーかさ、いや、読ませるんだよね。ユーモアとかが無さげな世界にユーモアがあったりするってのがまた凄くいいわけで。


あ、んでね、あとマーケットプレイスで買ったやつとしてはさ、前に散々「古くないの?これ」って言ってた高木貞治の解析概論を買ったんだよね。61年のハードカバーのやつで立派なやつなんだけど500円だったんで。で、最初のほうはまぁ、数の概念の定義から入るんだけどいいんだよね。これが。「座右の書」みたいなクリシェは関係無くなんつーか体系化されてる本でこういうのは貴重なのかな?って思ったよね。実数の概念の中にデデキント切断とかが出てきたりして俺好みな感じなんだよね。意外と図も多いしさ、なんつーか難しいっつーかさ、挑戦するみたいな世界の本だと思ってたからさ、さぞかし威厳があって大変そうな本なんだろうなって思ってたけどさ、いや、全然親しみやすい本だよねっていう。まぁ俺がある程度色々読んだからそう思えるのかもしれないけどさ、んでもまぁ読み進めるのが楽しみになる本だよね。


で、俺が思ったのはさ、こういう解析概論みたいな本を写経しようかなって思ってるんだよね。仏教の写経ってさ、まぁ単純にコピーっていう目的もあったのかもしれないけどさ、やっぱあれだよね、文字で書いてあるけどさ、読んだだけじゃ分からないから自分で書いて感じるみたいなさ、そういう修行的な要素ってあるんじゃないかな?って思うんだよね。まぁそんなのググればでてくるんだろうけど。あ、写経の意味ね。で、数式とか数学ってまぁそういうお経みたいなもんだよね。パッと見で分かるようなもんじゃないっつーか俺は数学的な天才じゃないから分からないことだらけなのよ。でもそれを写経することで感じ取ることができるっていうかさ、それはなんつーか数式を書くことで納得するってそれはコミカレの最後のセメスターで取ってたMATH056で思ってたことなんだけどね。


別にまぁ写さなくてもいいんだけど書いておくかなっていうさ、その書くって行為から得られるものがあるんだよね。ガロワみたいに全部頭でできればいいけどさ、でも大枠はできても細かい所はやっぱ無理なんだよね。そういうのも含めて写経して理解して全部頭で展開できるぐらいになればいいなと思って。まぁ坊さんが写経してお経を何も見ること無しに唱えることができるのと一緒だよね。まぁ暗記すればそりゃー誰でもできるんだろうけど、暗記ではないさ、般若心経なら般若心経を理解しながら唱えるっていうさ、それができるようになりたいわけだよね。まぁ数学ってそういうもんだと思うんだけど。


あ、んでさ、解析概論批判なんてしないけどさ、俺は高木貞治のことは大好きなんだよ。高木貞治のエッセイは大好きなわけでさ、まぁ大ファンだよね。でも数学者としての高木貞治って解析概論とかのおかげで過大になりすぎてる気がするんだよね。なんかバイブルって言われ過ぎだろうっていう。それがまぁ前に書いたことと一緒でさ、まぁ昔はそれしかなかったからそれがバイブルにならざるをえなかったんだけど、今って違うじゃん?もっと分かりやすい現代的なものってあるはずでさ、まぁ一冊であそこまで書かれてなくてもさ、色んな現代的な本を読むことでもっと楽に知識を得るっつーか数学を理解することって可能じゃん?


でもなんかさ「高木の解析概論」みたいなさ、「カステラと言えば文明堂」みたいなブランドっつーか決まり文句っつーかさ、そういうのが好きじゃないんだよね。まぁ俺は今後部分部分写経しつつ解析概論を読み込んでいくけどさ、でもそこにあるのは俺なりの解析概論の評価だよね。世の中で名著だと言われているとかっていう事実は関係無いわけで。ただまぁ最初の文とか読んでてもやっぱ高木貞治のエッセイっつーか文章って好きだから引き込まれるしさ、数学的にも俺が好きなのが最初からいっぱい出てくるからだからまぁとっかかりはバッチリって意味でいいんだけどね、んでもなんつーか「解析概論やろう」みたいな感じではないよね。そういう意味での「解析概論」は関係無いっていう。あ、思いついた。言わばライ麦畑みたいなもんだよ。中学生になったら読むものみたいなわけのわからない言われってあるじゃん?いや、俺は俺がライ麦を読むよっていうさ、別に中学生になったらみたいなクリシェ関係ないよっていうさ、まぁ俺は別にライ麦畑好きでもなんでもないんだけどね。


あと何かな?まぁそういうのってあるじゃん?大学生になったらこれを読みなさいみたいな。まぁそれが本当にいいものであったらまぁそりゃーいいけどさ、ライ麦畑とか意味分かんないじゃん?まぁ中学生とかってああいうメンタリティに一番共感を得られやすい時期だから読んでおくといいのかもしれないけどさ、でも個々って当たり前だけど個別なんであってさ、誰に対しても中学生の時にライ麦畑を読むことが良いことであるわけではないじゃん?


いやね、で、解析概論はああいう数学の分野においてあそこまで完成度が高い体系的な本が日本語でなかったからさ、理系の人の座右の書みたいになってたわけでさ、まぁ今はそうじゃないじゃん?今は名残だよね。昔の詩人と言えばこの喫茶店に通ってたみたいなのを盲目的に追従してその喫茶店に行くみたいなことだよね。それってまぁすげー盲目的なわけで。自分にとって詩でも小説でも書くのがはかどる場所って別に作家がたむろするような場所とかさ、たむろしていた場所とかなわけじゃないじゃん?そこをなんかさ、作家と言えばこれだろうみたいなさ、そういうのってあるでしょ?それと同じなのが解析概論なんだよね。理系と言えばこれでしょうみたいな決まり文句っつーかなんつーか。それがまぁすげーバカバカしいってことなんだよね。まぁいいや、俺はまぁ今後読んでいくことにするけどさ、まぁ面白かったーってことにはなると思うけどね。


なんかさ、斜陽族における太宰の斜陽とかさ、ニューアカ時代の構造と力みたいなさ、なんか小脇に抱えてるとかっこいいみたいなさ、そういうのもあるんじゃないの?解析概論って。その定番な感じが凄く嫌いってことね。それは別にだから解析概論は関係無いわけだ。そういう風になってる雰囲気ってのが嫌なだけで。


あとどっかのいつだかのバカが言ってたことなんだけど「美大とかに入るとゆきゆきて神軍って見るじゃないですかー」みたいなさ、俺が批判してるのはこういうところね。何それ?って感じでしょ?美大生のゴダールみたいなもんだよね。理系の解析概論ってそんなもんなんじゃないの?っていう。それ自体がなんか歴史があってかっこいいってダメだよね。そういうのが判断基準になっちゃダメだ。本当にこれが解析の名著なのか?ってのが重要なわけで。


あとはまぁ自分にとっての名著なのか?ってことだよね。みんな名著って言ってるから俺もそう言っておくみたいなのだとマジでダメだよね。みんな小脇に抱えてるから俺も小脇に抱えるみたいなさ、そんなのアクセサリーだからね。ただの。まぁもちろん俺にとってかっこいい本ってあるけどね。まぁダントツでシュトラウスのOn Tyrannyだけど。まぁシュトラウス系は俺にとってはかっこいいよね。まぁでもそれは主観的なものだよね。だからいいのよ。見せびらかすかっこよさじゃなくて俺がかっこいいなって思うかっこよさなんであってさ、それが重要なところだよね。まぁあとアランブルームのプラトンのRepublicとかね。あれもかっこいいな。


まぁそんな感じなんですよね。今日は。ってことでまぁ木村さんの本とか在庫ないのもあるけど一応アフィっておきますですよ。あとね、ビヨビヨ3o3ミックスなんだけど音量調整とかミックスしなおしたんでね、まぁ実質的な差はないんだけど酔狂な人はまたダウンロードしてみてください。いや、もういいやって人はいいんだけどね。全然そんな差はないから。


http://waxdj.com/djs/3044/


あとあれなんだ、猫の世話の時に横になりながら猫をなでながら読んでたPDFがあって、望月さんのPDFなんだけどここの


http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/papers-japanese.html


多項式の解の近似がとりもつ数論と幾何の関係」ってやつがあんま基礎知識なくても面白い感じでさ、なんつーか俺が数学に感じているビジュアルな感じってのをすげーよく表してるなっていうか、まぁ本質ってこれだと思うんだけどねってまぁ素人の俺が言うのもなんだけども、まぁとにかくエキサイティングな感じなんで読んでみて。他の論文はまぁさすがに難しいのばっかだけど、これは読みやすいと思うんで。小冊子になって出版されてもいいのでは?って思うんだけど、望月先生の数学の入門書みたいなのを読みたいって思ってる人は俺だけじゃないはずだよね。「見えてる人」が見えているビジョンってのを素人が見る機会ってのがあってもいいぢゃん?そんなのを実現してるのがこの「多項式の解の近似がとりもつ数論と幾何の関係」なんだけど、他にもここの


http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/research-japanese.html


そっくりアニメのやつとかも面白いんだよね。凄く。まさしくビジュアルなんですっていう。






読みやすい定本なるものがでるそうな。



高木センセの本だとこれが一番好きだな。エッセイなんだけどすげーいいね。思うに数学系って良いエッセイスト多い気がするね。それは数学ライターとか数学者含めてまぁ世界的にね。チャイティンとかも書き手としてすげー優れてるし。




いや、広中センセのもいいんだよねぇー。凄く。