レコハン記。その12。

勢いだけの練習ミックスガンガンアップしてるんで。

 

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はい、前回の続きで、んでV.Valeがいつ頃Re/Searchを手放したっつーか恐らく手放したんだと思うんだけどとりあえずまぁこのIncredibly Strange Musicに初めて触発された世代の音楽ってことで喧伝されてたTipsyという俺が大好きな音楽ユニットがあるんだけどうろ覚えのライナーによるとRe/SearchのV.Valeの膨大な変なレコードコレクションの支援を受けてようはまぁモンドのサンプリングよね。それで独特の新たなモンド作っちゃったっつー個人的に歴史的名盤だと思っているのがTipsyのファーストなんだよね。

 

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Space GoldのPVとか90年代後半にやたらCGだCGだっつって深夜とかにCGアーティストの作品なんつってテレビで流れてたようなのを思い出すおっさん世代も多いはず。

 

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ウゴウゴルーガのオープニングとかね。

 

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テクノみたいな音楽とウゴウゴルーガ的な尖ったサブカルが混然一体になっているカオスってのが普通にテレビで放映されてて当時小学生とかだった俺なんかが毎日見ていたという衝撃ね。

 

あとミルクちゃんとかね。

 

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なんかこういうのが深夜で流れててCDはまりんのファーストとかが入りっぱなしで永遠それ聴いてたりとかしていたっていう環境とかね。

 

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んでドリルキングアワーとかを聴きつつ卓球のミックスをエアチェック!みたいなね、卓球とDazzle-Tのミックスはもうそりゃありがたく聴いてましたよね。

 

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Dazzle-Tのほうは貼ったのトラックだけど当時は情報無い中で限られた輸入盤のジャングルとかドラムンベースのレコードを聴いては「どうやってこのスネアの質感を出すんだろう?」っていうのにMPCと向かい合いながら格闘していたっていう話とか本当に感動するよね。今は全部完成されたプリセットとかなんでもあるけど当時はスネアの音作りから限られた情報の中でやってたっていうね。ちなみにDazzle-Tとは六本木のクラブで客が疎らなイベントの時に店の備え付けのプレステでソウルキャリバーで対戦したことがあるんだよね(笑)もちろん面識なんてないけど。

 

なんつーかまぁおっさんの懐古とは言い切れないアウラがあるでしょう。音への飢えとかね、スタイルの模倣でも死ぬほど時間かけて作る!とかね、掘るということにしてもそうなんだけど努力とはまた違う手間よね。そこの苦労にクリエイティヴィティの重要な要素が介在するっていう、かといっても別に今の便利な環境が悪いというわけじゃないんだけどスネアの音作りからやっていたっていう時代があったんだぜ!ってことよね。まぁ別に知ってる人なら若い人でも知ってると思うけど。

 

あ、今日はこの辺でいいや。んじゃまた次回に。

 

ってことで本編の続きね。

 

まぁんで話を戻すとそのヴァイヴスの話なんだけど逆にまぁよく洋服店へのディスであるようなのはただの布にまずイケてる立地っていう雰囲気と店構えと当然ブランド名と雰囲気と・・・っていう謎の付加価値をつけて売る罪深い商売みたいなところなんだけど(笑)洋服屋が過剰にそういう雰囲気を重視するのは本質的に売ってるものがただの布切れだからだよね。まぁ俺はそういうの買わないしそういうのを売ってる店には行かないけど(笑)場の雰囲気ってまぁつまりはそういうことだよね。

 

ただそこでレコードの場合、どんだけ店構えなり雰囲気を良くしたところでクソみたいなレコードを結構な値段で売ってたりすると化けの皮が剥がれるからね。でもアパレルとかだとその化けのみでやってるようなところもあるわけで(笑)ようはただのイメージよね。イメージに金を使うみたいなそういうレベルよね。でもそれ言い出すと音も音像というある種のイメージなわけで観念よね。

 

P. Kotler教授の“Atmospherics as a Marketing Tool,”という論文でっていうか元読んでないけど(笑)まぁ言わば俺がここで言ってるヴァイヴスが醸し出す購買意欲っていうところだよねっつっても今じゃ当たり前だけどこの論文は73年だから40年以上前のやつだよね。ようは俺が言うようなヴァイブスみたいな曖昧で時に非合理的なものに客は左右されてモノを買うことがあったりするっていう心理作用よね。

 

だからまぁセクシャリティ的な部分でもレコードっつ性別関係なさそうなものを買う時でも売ってる子が可愛いと買った後の満足感が倍増するっていうことだよね。まぁそういうなんつーか心理学的立証とかが無い時代から看板娘みたいな言葉はあったわけである種の普遍性みたいなもんだけどそこでまぁアパレルとかはさらに売る人の雰囲気もさることながら店の雰囲気とかさ、あとまぁバーとかもそうよね。所詮はただのアルコールを売るだけだから雰囲気とかで差をつけるしかないよね。

 

そういう意味だと人はヴァイヴスに金を払うと言えなくもないよね。もしくは買うだけだとつまらないからサービスとか似非VIPとか似非セレブ気分を一時でも味わいたいとかその反面には日常の虚しさってのが絶対あると思うんだけどモノが簡単に手に入ってなおかつ過剰な状態だと逆にそういうファジーなものでしか差が出ないというかさ、通販は通販で楽しみがあるけど洋服やら外観に関するものとかの場合、やっぱり店舗に行ってみないと分からないっていうときに店のヴァイブスっつー付加価値を買うみたいなね。

 

サービス然りなんだけどまぁそこで過剰にサービスって言い過ぎていつも言うように従業員の精神労働の割合が多くなり過ぎちゃうとアレだけどでもまぁどこでなんでも買えるという状況だとそういうところでしか差がつかないよね。「あそこに行けば何かあるし店員さんは詳しいし親切だし・・・」っていうそういう信用よね。

 

特にまぁ金額がデカいものの場合、通販で虎舞竜するよりも手間だけど店舗で買ったほうがいいものもあるよねっつってもまぁ家電とかは通販のレベルでのアフターサービスとかまぁサービス面よね。そういうのを売ることで付加価値をつけてるっつーかそこで買おうかなー?って感じになるっていうようなことになってるから一概に店舗vs通販っていうことでもないんだけどまぁでもホスピタリティですよね。

 

音を媒介として脳内のイメージなり感覚が刺激されて音が想起されるっていう音が音そのものに内在しているというよりかはイメージとして心に宿ってるみたいな一種のイデア論と似たようなところでもあるんだけど逆説的に結構良いオーディオシステムにしてレコードを聴いてみるとその想起のコントラストがクリアになるから想起させられるもののディティールが細かくなる結果、音像が化ける場合もあるっていうことがあるということなんだよね。

 

もちろん音楽って心と直結してるから昔聴いた音源を今聴いたら印象が変わってたとかってのは当然あるにしても昔というほど昔じゃないにしても昔のアベレージかそれ以下の貧弱なシステムで聴いてたらそんぐらいのレベルの音像だったっていうコントラストが変わるっていうことはあるよね。

 

だからなんつーか洋服にしてもパーツx他のパーツのコンビナトリックスが成立するように音にしてもそのオーディオシステムxレコードなりCDなり音源っていう音のバリエーションが可能世界的に存在することになるんだよね。もちろん化けないものもあるし逆にそこに熱を入れすぎるっていうのもアレだけどまぁそれが熱狂レベルの趣味になる分には全然いいんじゃない?っていうむしろ音源が有限だからシステム側をいじって音源の量を増やすという考え方にするとオーディオへの投資ってのも一概にただの酔狂な趣味とも言えなくなるんだよね。

 

でもそれって好みのものが有限だ!って気がついた後の絶望から来るものであって(笑)俺が好きなのはっていうか買うようなレコードは古いもんばっかだからそりゃもうその時代に出た音というのは当然有限よね。いや、逆にね、そのリアルタイムにっていうかキッズの時にディグってたときは過去の音源でも発掘されてないのがまだまだあるとか今買い直してるようなコンピとかがあらゆるジャンルでブートも含めて色々出てたから無限に感じられたのよ。あと今みたいになんでも検索できるとかストリーミングなんて無いからね。

 

んでまぁ改めてそのディグってた時期ってのを思い出してみると音源を掘るのに大変だった!っていうそればっかでさ、んでも今はそれが有限だってのが死ぬほど分かるわけでしょう。もちろんね、コンピとかでもいいから掘ろう!と思ってるソウルとかディープファンクとかにしてもそりゃ有限だからね。

 

だからまぁそれをなるべく無限に近づけて行くには?っていうのがオーディオシステムだったりすると思うんだよねっつってもまぁデフォがある程度決まった時点から聴いたらそれはそれでもう一つで終わりじゃん?ってことなんだけど音源を追うのに必死だった頃にはできなかったささやかなオーディオ関係のバージョンアップってのはなんつーかまぁすんげー音がエンハンスされて聞こえるとかね、ベースとかスネアの音がヤバいとかまぁそりゃオーディオマニアの世界だろって話なんだけどマニアまで行かない手前のところでの基本はレコード大好き!っつーところに軸がある感じだよね。

 

そこでまぁレコードをヘッドフォンで聴くのに特化したシステムをビルドしよう!みたいなのはまぁ明らかに無理なハイエンドの世界とかは別として可能なまぁaffordableな範囲で時間をかけてビルドしていこう!ってのも楽しみの一つですよね。何よりさっき書いた音像のディティールの拡張による気づきってのを考えると逆にある程度投資しないと分からない世界もあるだろうなってのがあるんだよね。

 

ただまぁそれにしてもあれだわ、散々過去にディスったから蒸し返す必要もないんだけど俺がディグり始めてた時代って所謂「レア盤!」とか「誰々プレイ!」とかジャズの理論とかも知らない癖に「モーダル的な」とかなんとかっつーポップっつーんだっけ?レコード屋が乱立してたからレア盤を扱うDJ向けの店とかも多くて当時から「レアだからなんなの?」って思ってた俺の怒りたるやね・・・っていうかまぁ俺も踊らされていた一人だけどカモになるほどの金が無かったんで良かったんだけど(笑)

 

所謂90年代のDJとか今とは違うアナログブームみたいな時の「レア盤」という言葉は本当にマジックでセンスっつーより盤の希少性みたいなただのマネーパワーっつーかね、権力を振りかざしてマウンティングしてるような今ではもう老害扱いされてシーンから恐らくいなくなったようなDJとかが幅を利かせてた時代でレコ屋とかも当時の裏原とかのショップの店員とかの態度がすんげー悪かったっつーのがレジェンドみたいに語られるようにレコ屋もそんな感じだったんだよね。

 

「金無いガキが来るなよ」感満載っていうかね(笑)まぁこんなにちょっと先になって消費がクソ冷え込む時代が来るなんて思いもしてなかっただろうから売る側の天下というかさ、あとまぁ裏原とかにしてもその辺で売ってそうなTシャツにデザイン性もクソも無いようなcreativityのかけらもないようなロゴとかイラストをいれただけのTシャツが「どこどこの」とか「誰々の」とかデザイナーだとかブランドっつーのが空虚なシニフィアン的な感じで空回りしてたんだけど当時を懐古するなんつって良い面だけじゃなくてこうやって懐古も長くなるとそういう劣悪で最悪な面とかも思い出したりなんかすると今の方がそりゃまぁ健全なんだわな。

 

今って何十年も経ってようやくブラック企業とかが匿名にしろ名指しで批判されたりとかすっぱ抜かれたりとかさ、ただまぁ俺がディグり始めた頃ってバイトにしてもブラックがデフォで某チェーン店のコンビニでサイコパスみたいな店長にゴミみたいな扱いをされてサービス残業させられてたとか散々書いた気がするんだけどまぁそういう原体験があって「そういうのは否応なしにファック!そんな店長殺されても文句は言えぬ!」みたいな強烈な怒りになって後にウォール伝で爆発するようになるんだけど今はその役目も終えましたね。ウォール伝(笑)

 

まだ完璧じゃないにせよ怒れる市民が増えたおかげでっていうか俺の手柄みたいに言うのもアレだけど(笑)ただまぁそれを「前衛だ!」っつって言うっつースタイルが成立しないぐらい文句を言うのがデフォになったっていうか文句っつーかまぁ単純に違法ですよ?っていうことだよね。

 

そういうアタリマエのことができていなかった時代が特に俺のまぁ二十歳前後とかでっていうかまぁそれ以前もそうだったんだろうけど何が言いたいか?っていうとなんかそういう社会の不健全なところってのが至る所にあってレア盤とかでマウントを取るような老害とかレア盤自慢するディスクレビューを書くクソDJとかそんなのを本にしちゃう出版社とかクソなことだらけなんだけど今やったらそんなの炎上するに決まってるじゃん?っていうなことを平気でやっててんでまぁ出版物とかってヘタに残っちゃうじゃん?だからこんなクソDJがレア盤自慢してたんだなっつーのが黒歴史になっちゃってそれでも中古とかでそういう本とかを買う人がいてレビューでボロクソ書かれるとか良い時代になったよね。

 

ってことでそんな感じで続きますんでんじゃまた。