アシッドのファンクネス。

新作作ったのでっていうかアシッド三昧過ぎて全然DJやってねぇーわ(笑)まぁ良い意味で予定してたのと違う感じだけど楽しいからいいや。ただまぁ憑りつかれたようにやるから丸一日やっててその後めっちゃ疲れが来て鬱っぽくなるっつーサイクルなんだけど日中に気分のジェットコースター状態があるっつー感じやね。まぁマッシュアップ毎日作ってた時とかこんな感じで1年半ぐらい続いたからそんぐらい続けたいなーとか思っておりますね。

 

退屈しないし日々のつまらなさからくる虚無感とかもないし飽きなければアシッド職人になりたいなとか思っておりますね。買うレコードもアシッドものが大半になってきたわ。なんかあれなんだよね、テクノの曲に303とか303的な音が入ってるってのとアシッドって違うんだよね。アシッドって303メインであとやたら音量がデカいリズムマシンとかである種の究極的なミニマルっていうか逆に実験音楽っつーかExperimental Technoみたいな感じでどっちかというと聴くベクトルが音響寄りっていうかね、まぁ凄い発見ですね。個人的に。

 

いや、それもまぁプラスティックマンをDJでかけてて前立腺マッサージを受けたときのような(受けたことないけど)前立腺がムズムズする感じがあったってのもまぁ天啓ですよね。キッズだった頃は寝る前にプラスティックマン聴いてたんだけど聴き方的にアンビエントだったからね。全然DJでアレコレする発想ってのは無かったんだけどね。

 

ってことでデイリーアシッドをっていうかデイリーっつーと毎日一曲上げなきゃ!っつープレッシャーが来てメンタルダメになりそうだから(笑)まぁ出来たらアップする感じで。

 

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ってことで本編なんだけどさ、アシッドってようはゲットーまでいかんけどすんげーストリートミュージックなんよね。それ言い出すとデトロイトテクノもストリート音楽で両者に共通するのはオリジネーターが黒人ということなんだけど今の俺がアシッドに異様にハマり出してるのはファンクとかソウルへの目覚めからの地続きなんだろうなって思ったんだよね。Well-Madeなものではなくて凄まじくストリート臭いプリミティヴな音楽ってことだよねってことを言い出すと俺の音楽的オリジンの一つであるシカゴハウスに結びつくんだけど基本的にもう俺が黒人みたいなもんだよね。恐らく。

 

アフリカンアメリカン的なヴァイブスってのに異様に反応するんだろうね。あと白人ブルジョワ的音楽が大嫌いなのとプロダクションとかにこだわり過ぎてるやつも嫌いでゲットーなやつらが「ゲッヘッヘー!これファンキーだぜー!」なんつってトビながら作ったような原始的なものに惹かれるんだよね。

 

結局、perfectionってのは一種のイデアで終着駅って同じなんだよね。上手く作ろうと思うとつまらなくなるのはもう上手くできてるやつがあって上手くする段階で個人の個性とか良い意味でヘタな部分とかが無くなっちゃうからだよね。

 

ヘタな部分は「ここがヘタだ」といって完璧なものを参考にするから結果的にどれもこれも同じようなものになるとかね、まぁそういう意味だとパンク精神っつーかね、DIYでテクニックとかくそくらえ!っていう作りが凝っているというより衝動みたいなものが純化されたまま形になったようなものがいいんだよね。

 

Madlibが曲は10分ぐらいで作るっつーかそれがヒップホップだろ?なんて言ってたのを思い出したけどまさにそれよね。浮かんだらバァーッっと作って細かいところとか気にしないままRawな部分を意図的ではなく素で残すんだよね。そこに微妙なズレとかヨレとかってのがあってグルーヴ感になってたり他とは違うような個性になったりするんだよね。

 

ライブラリ音楽とかB級映画のサントラがかっこいいのもハリウッド映画みたいなしっかりした演奏じゃないからだよね。微妙に下手だからかっこいいっていうね、そういうのばっか聴いてるとブルーノートとかのちゃんとしたやつを聴くとオシャレだなーとかって思っちゃうんだよね(笑)荒さが無いというか黒人音楽のようで白人音楽っぽいっていうかね。こないだそれに気が付いたんだよね。

 

レアグルーヴ全盛期の頃に出てたブルーノートのコンピみたいなのをレコードで何枚か買ったんだけど所謂レアグルーヴ的観点から選ばれたものでもちゃんとし過ぎてて荒さが全然ないんだよね。

 

物凄く物足りない感じになっちゃうっていうかさ、そういう意味で一発屋っていうかその45以外出してないみたいなファンクバンドとかの演奏って本当にかっこいいんだよね。まぁそれは完璧なものってのがデフォとしてあるからこそヘタウマみたいなものがかっこよく感じられるっていうことだと思うんだけどまぁでもぶっちゃけどっちがかっこいいか?っつーと明らかに荒いほうだよね。録音とかも割れてたりするほうがかっこいいしね。

 

DJ Shadowとかもすげー言われてるよね。初期作品は神がかった感じだったのにAbletonだかのデジタルプロダクションになってから他と似通ったようなものになったっていうね、まぁテクノが最たるもんだと思ってたけどあらゆるジャンルがそうなんだよね。そこがまぁ前に散々書いたインターフェースが規定する音とか結果ってことだよね。

 

便利は便利でいいんだけど音は実際かっこよくなってるのか?っつーところだよね。実際まぁもうミニマルテクノ一直線になってから死ぬほどテクノの12インチ聴いてるけど圧倒的にかっこいいのは90年代のテクノなんだよね。大御所も含めて2000年以降になると落ち着き過ぎてたりいかにもパソコンで作ったような音になってたりしてつまらないのが多いんだよね。

 

ただそれに比べてそこまで深くディグってるわけじゃないけどハウスとかはそうでもない感じがするよね。ただまぁLofiハウスみたいな初期回帰みたいな音はだいぶ多いけど他の元がプリミティヴだったようなものに見られるようなデジタル化した結果、大幅に劣化したみたいなのが目立たない気がするよね。

 

あと最近ハマったのがURなんだよね。俺がテクノを聴き始めた頃ってもう時代的にハードミニマルの時代だったからURって古臭い印象しかなかったんだけど今聴くと超かっこいいのね。これぞテクノ!という感じがするしURというぐらいで反骨精神凄いしね。レコードに「仮にこのレコードが大型チェーン店とかで売られてたら買うのをやめて個人のローカルストアとかで買ってくれ」って書いてたりするんだよね(笑)

 

テクノってなんかそういう反骨精神とかさ、黒人のパンクっていう感じがするよねっていうかそこなんだろうなって思うんだよね。基本俺は根が左翼だからそういう部分とかヴァイブスに共感するのと基本の音楽の軸がブラックミュージックなんだよね。もちろん原理主義ではなくてアシッドの模倣なんだけどそれを極めたハードフロアとか初期ケンイシイもオリジナリティ半端ないけどやっぱりまぁデトロイトテクノの影響があるわけでしょう。何かしらのその根が黒人というところに反応してたんだなって今までの自分の音楽史を俯瞰して思ったんだよね。

 

アシッドテクノも変に上手くなってるやつより初期のプリミティヴなやつとかダンスマニアとかのレコードに入ってるような手抜きっぽいアシッドトラックが一番かっこいいなって思うよね。で、別に選んでるわけじゃないんだけど結果的に作者が黒人なのがダントツ多いんだよね。やっぱりモダンミュージックってのはルーツが黒人だしグルーヴってのも黒人が生み出したものだからやっぱりルーツなんだよね。

 

だからなんかミニマルでもジェフミルズとかの初期にファンクネスを感じるのってそこなんだよね。ホアン・アトキンスとかデリック・メイ然りだけども。テクノって一般的に有名なのが下品なユーロテクノとかトランスだったりするんだけどファンダメンタルなルーツってすんげーストリート音楽でドープなんだよね。

 

ドープだからこそマニアックなんだけどそれはファンクの45とかが究極のファンクネス!みたいなのと同じだと思うんだよね。商業主義とかとは関係ない音の快楽とかグルーヴ感を求めただけのものっていうね、特にその思想の無さとかはゲットーハウスに顕著だけどね。デトロイトテクノとかは思想バリバリあるんだけど。

 

あとまぁ初期のテクノって機材のシンクとかの問題だったり録音がリアルタイムだったりするモタつきとか人為的な操作っていうか人間臭い操作が入ってるじゃん?完璧なプログラミングのオートメーションとかではない操作ってのが結果的にグルーヴ感を生み出してるんだよね。ただこのグルーヴって感覚的で言葉にできないものだからなんとも言えないよね。 

 

ってことでまぁ今日はそんな感じだわ。アシッドライフが日課になることを祈りつつんじゃまた。