行方不明の象を探して。その74。

でも俺は武器を尖らせる刺客じゃない。あくまで儒者兼侠者だ。得物の選択はセンスの問題だ。というか得物というのは得意な武器のことを意味するから、何が得物なのか?ですでにセンスが決まっていると言える。俺は自分のセンスを信じている。前に書いたよね?大勢の食客を連れた刺客の話。

 

その刺客のシンパになって食客になったはいいけど数が増えすぎて一つの軍隊のようになってしまって、結局、ステルスを好んでいるその刺客は食客そのものを武器にしたというね、食客には武芸の達人もいなくはなかったけど大体はただの流れ者とかギラギラした浮浪者みたいな輩が多かった。だからとりあえずそいつらを突っ込ませて戦わせるというよりかは、例えば5人ぐらいで襲撃できそうな相手でも20人ぐらいで囲んで圧死させるというのがその刺客の暗殺の方法になっていた。

 

だからもはや暗殺ではないのだよね。食客による圧死。狭いところに人が大勢来るもんだから押されて死んじゃうっていうね、エレガントとは程遠いんだよ。それに比べてハンマーはどうだい?日本刀みたいな美学を感じないかもしれないけど圧死に比べたら悪くはないだろう?あと中世の僧兵みたいな撲殺ではないからね。ディティールが分からない人はGoGo夕張とかって検索すれば夕張師匠の戦い方と武器の使い方がよく分かると思うんで検索してみて。

 

もっと文学の偉人とか言われているやつらのことを冒涜しないと。でも言うほどプルーストは悪くありませんよ。問題は長さだな。でもプルーストがいたからプルースト尺度というのが俺の中に生まれたわけだから感謝しなさいよ。床屋に行くのが面倒で伸ばしている髪を洗っていると本当に時間がかかるって思うし、そういう時にプルーストのことをディスり過ぎたとかって思いが過ると髪を乾かすのも時間がかかるから坊主にしちゃえっていうのは飛躍なんですよ。

 

またそれで寝るでしょう。そうするともう脳をフル稼働しているもんだから12時間とは言わず13時間ぐらい寝ちゃうわけよ。そうすると寝起きじゃなくて若干のラグがあって頭が痛くなるんだよね。鉄のヘルメットを無理やりつけられてるような締め付けられてるような痛みがする。

 

「警察に見張られている淫乱なヤリマンと、しかも革命家と、これ以上関わりを持つな!」

 

なら俺は烈士だ。革命家じゃない。あの時代の連中が色々適当に書いても現代のわれわれにとっては新鮮なことがあったりするだろう、例えばボートに乗るだとか、今だったら一瞬で治る病で療養しているだとか、教会でお祈りをしているだとか、しまった、19世紀に意識を向けているとまた頭痛がしてきた。頭痛薬を飲もう。頭痛薬って言っても鎮痛剤だけどね。あー目の奥が痛い。文字主体の生活になるといつもこのパターンだ。慢性的な眼精疲労と頭痛に悩まされる。慢性的じゃないけどね。

 

だったら映画を観れば?映画にならないような映像化不可能なものばかり読んでいるから映画って言われてもね、書きすぎていると風呂を忘れるから臭くなるでしょう、だからシャワーを浴びたらスッキリすると思ったらまた頭に色々と浮かんだものを強迫的に全て書かなきゃって思うともう終わりが無くて、この終わりがないっていう感じが幸せんなんじゃない?でも本人的に「幸せだなー」って感じるような幸せじゃないんだ。普段なら「幸せじゃないんだよね」って書くところを「だ」にすれば若干文体が変わったような錯覚を覚える。

 

ダメだ。またあれだ、スイス人と結婚してどうのだとか俺の環世界外で起こるようなことっていうか起こってそうなことは無理だろう。スイス人と結婚だって?そしてそのスイス人の夫人となった人は遺産として別荘を譲り受けてとか別荘とか遺産とかロスジェネの申し子みたいな俺の世代にとっては関係のない話だ。ロスジェネは別荘を持たないし譲り受けることもない。結婚したとしても日本人だし相手も世の不況を受けてそんなにお金があるわけでもない。

 

でも少しでも結婚生活を良くしようと思って彼は彼女に花束を渡した。こういうのもまずありえなくて今時気持ちを表明するのに花束を渡すような人間はいない。リアリズムが四畳半の中の生活みたいな中で起こることと言えば何も起こらないんであって、あ、でもあれだ、こないだサメを刺す用の銛の先っぽをハンマーみたいに使ったじゃない?んで調子に乗ってたら膝に当たって流血したけどハンマーと違って刃物だから流血したんでしょう?ハンマーが膝に当たるほうが痛いんだけど流血っつーと出るのは鮮血だからジャージが血まみれになって見た目は派手なのにあんまり痛くないというのはどういうことだ?

 

暗器と油。そして木の匂い。いいなぁこれ。アロマ的な効果があるんじゃない?でもそういう意図で作られているわけじゃないからね。また頭が痛くなってきた。少しは休みなさいよって言ってもそれが仕事だったら仕事熱心なのに全く金にならないことを必死でやっているっていうところにリスペクトが払われないというのはおかしいと思う。

 

仕事っつってじゃあ闇金とかも仕事だから取り立てを熱心にやってればリスペクトされるのか?人の血を吸うような商売をしやがって。商売じゃないよ。あんなの違法だもん。商売している人に失礼だ。あんなものを商売って言うなんて。でも彼ら曰くあれだよね、普通は借りれない人に金を貸しているわけだからそれなりのリスクを背負う仕事だなんつっても実態は数か月泳がせておいて高い利子を吸い上げれば元手も回収できるし飛ばれても問題ないぐらいの利益が出てるからかまわないんだよ。

 

へぇそうなんだ。あこぎな商売だね。いや、だから商売じゃないって。違法なんだから。麻薬の取引は商売じゃないだろう。違法なんだから。じゃあハンマーで人を殺すのは?それはアップジョンとかに聞いた方がいい話だな。それは義に関わる話だろう。その話は今はいいよ。

 

腰痛はどうなった?仄めかしか?ほとんどの時間座っているから。俺は侠者。故に俺も腰痛持ちにならなければいけない。やっぱりまた海を走ってこよう。腰痛持ちになるためにね。英雄がいない代わりにヒロインもいない場合、特に水を飲む人が長続きする話を読んだことが無い。一筆書きではないんだな。