長男坊さんへの返信。

長男坊

 

はじめまして、いつも読んでます!

 

ほんとに最高の小説です。こういうものを評価するための語彙が私の中に存在していない(あるいはこの小説自体がそういうロゴスをあてがう評価から逃れようとしている?←的外れな感想だったらすみません(;∀;))ので、私が感じたすごさをうまく言いあらわすことができませんが、もし無理やり出力するとしたら、こういうふうになります。まず私はよく「寿命から逃れさるには結局どう考えても格好つけるしかない」ということを考えます(ありきたりかもしれません)。

 

そしてそういうときによく思い出すのが村上春樹氏の構え方です。完全な私的言語(唯一無二だから格好がつく)と、世俗の記憶(ビールだのサンドイッチだのセックスだの……)のはざまでどうにか自前の文法を作り出し、そこで出力し続けて日々溜まり続けるエネルギーをやり過ごすというのは、寿命との調停案としてとても秀逸で気が利いたものだと思います。

 


だから私は村上春樹氏の小説を折に触れて読んでいるのですが、彼と年齢が離れているせいかうまくフィットしないときがあります。ですが耳蝉さんの小説はフィット率が異常で、それがとても最高です!!私の考えでは、それは耳蝉さんがゲーム好きなことが関係しているように思います。

 

耳蝉さんの過去の普段のブログも気になった物から見ていってるんですが、文学哲学思索芸術音楽映画ゲームアクティビティそしてユーモア、どれをとっても一級のディグの深さで、常人では脳のキャパ的に疲れてしまって到達できない領域にあって、世の中にそういうことを言いあらわす客観的なパラメータが存在しないので私の独断でしかないですが、耳蝉さんを人類きっての先駆者だと考えております(こういう言い方がお気に障ったら申し訳ないですorz)。そしてそのディグの動機の汲み方に、ゲームのいわゆる「やりこみ」と共通点があるように感じます。すべてのパラメータを最大まであげ、全キャラ全武器全クエストをやり込む、みたいな……。

 


……なんだかうまくまとめることができませんでしたが、とにかく春樹的な小説観と、耳蝉さん自体のすごさが合わさった「行方不明の象を探して」は私にとって世界で最も最高の小説です!!ゲーム好きの子供のままどこまでもいけてしまうその強靭な脳とその“速さ”、最高にカッコイイです!!大好きです!!

 

長男坊さん、はじめまして!書き込みありがとうございます!

 

僕が書いているものが「評価から逃れようとしているロゴス」になっているのだとしたらそれは感激です!僕は計算高く色々とやれる人間ではないので、ただ自分がやりたいと思うことをやると言うこと以外、ほとんど何もできない人間なので、副次的にでも、書いているものにそういうようなロゴスの要素が宿っているのだとしたら、とてもありがたいように思います。


「私的言語」というのも物凄く嬉しいです。僕は色々なことにどうでもいいとか思っている反面、やっていることには自意識過剰なところがあって、主にそれは自分が最も恐れている「凡庸なものになっていないだろうか?」というところなんですよね。でも意識したところでどうにもならないし、なんかを作為的に作ったら僕みたいなタイプはアウトなんですよね。

 

それこそアウトプットが凡庸なものになると思うのですが、そういうところに一切、妥協をしていないので、客観的にそういう意見がいただけると「間違っていなかったな」という確信が得られます。これは本当に励みになります!基準が良い悪いではなくて、自分主体でやりたいことができているだろうか?なので、ある意味、判断基準は自分しかないわけなのですが、長男坊さんのような客観的に意見を頂けると、やはり落ち着くんですよね。その良かったーっていう意味で、です。

 

「やり過ごす」というのもまさにそうですね。ただ生きているだけというのが不可能な人間にとって人生をなんとかやり過ごす方法って絶対必要なのですが、その「やり過ごし」もできているのだなと思うと凄く安心します。

 

ディグに関してはまさにおっしゃる通りです!ハマり癖があって、ハマるとまさにゲームで言うところのコンプリート率100パーセント行かないと納得がいかないか、あとはその手前で飽きるか?っていうところなんですが、色々とハマり倒してもうやることないなーっていう中で唯一続けられているのが書くことで、しかも文学関係に関しては他のディグってきたジャンルと違ってまだディグりが浅いので、まだまだディグれる領域だなと思っているんですよね。で、書き続けてきたおかげで、例えば何かをインプットしたらそのままアウトプットするということが凄く簡単になっていて、特に気合を入れなくても書くことができるようになっているというのが変な気負いのようなものがいらなくて凄く気楽だなと思っていて、だからこうして「やり過ごし」ができているのだなと思っています。

 

長男坊さんのご感想は本当に励みになります!今後も永遠と更新していくので(笑)今後ともよろしくお願いします!