自虐史観回顧展初日。

mimisemi2008-06-16

リア二千との大恋愛というか、一方的な恋愛は今思うと自分史に確実に刻印された大きなイベントだったな・・・と、そこまで前のことでもないのにも関わらず回顧するようになったのはやっぱり歳取ったからだろうな。少なくとも俺のメンタリティはすでにおっさんか爺さんなわけだ。だから特に日本人の普通の若いやつとかと話してても全く会話が弾まないというのはメイクセンスだね。だって俺は若者の皮をかぶったジジイなわけだからね。リア二千にはそんな爺臭さを見抜かれていたのかもしれないっつーのはまぁジョーダン23にしても、大恋愛回顧展ということで、非常に短い間というか、昔の大失恋の時のような日数で終わってしまった往復書簡のやりとりを晒してみようと思う。往復書簡っつーかメールだけどね。俺ってこうやって自虐的なことをネタにすることでカタルシスを得ているというか、心のバランスを保っているというか、ただ単に書くのが大好きっていうか、基本的に主観に埋没しきらない冷めた視点というのが俺の実存を規定しているのだなと思うとそんなカタルシスをインスタントに実行できるブログっつーかネットっつーのは俺にとって必須なんだなって何気に思ったり思わなかったりね。


さぁーでは自虐史観回顧展の始まりです!


事の発端は言うまでもなく、まぁ例の大泥酔を超越した俺が改めて悟った恋愛の虚無感の認識によって煩悩を克服した後、「もういいや」って思ってたのにも関わらずリア二千が「一緒に帰りましょう」なんつってサイコロジーのクラスの後に初心な童貞の俺を誘惑してきたりなんかして、なおかつリアの提案によってメールアドレスの交換をしたということが今回の回顧展の酢豚を切る中華包丁なわけだけど、まずは俺が最初にリア二千に送ったメールから見てみよう。

from Bill
差出人: Imako Shunichi (匿名@リサーチ.佐野.jp)
送信日時: 2008年5月7日 14:08:57
宛先: リア二千@クオリティの高い外見.com


やぁリア二千!サイコロジーのクラスのビルだよ!もちろん僕のことは覚えているよね?


ところで実際僕の名前はシュンイチ・イマコって言うんだけど、でもこっちの人が僕の名前を発音できなかったりしてその度に嫌な気分になるんでビルなんて名前を勝手に自分に命名したんだけど、あれなんだよね、ビルって物凄くアノニマスな感じがするだろ?だから僕は今までの自分と違ったアバターとしての「ビル」を自称しているんだ。ってことでビルって呼んでおくれよ!もしキミがビルって呼ぶことに抵抗を感じるんだったら、僕のリアルネームで呼んでくれてもかまわないよ。


ところでキミに強く薦めたい映画があるんだけど、タイトルが「変態のための映画ガイド」って言うんだけど、これはスラヴォイ・ジジェクというラカニアンの精神分析家が映画を分析したものなんだけど、「ラカン精神分析」という響きとは対照的に、彼の映画批評はとてもシンプルで分かりやすいんだ。ジジェクが僕を魅了する理由は色々あるんだけど・・・でもその一つに彼のストレンジなパーソナリティっていうのがあるんだ。これはどういうことかというと、彼は文字通り物凄く変なおっさんで、下ネタの達人ということなんだ!


でも彼の映画分析の正当性というかアクチュアリティについては定かではないんだけど、僕はそんなことは気にしない・・・っていうのはね、ただ彼の映画分析は楽しむに値するものだし、僕はこれを映画史に残る知的エンターテイメントの一つだと捉えているんだ。とにかく僕はキミにこの作品を強くオススメするよ!是非、見てみてほしい。


なんというかね、僕はキミにメールすることが出来て、とてもハッピーに思っているんだ。だから時間があるときにはたまにメールをおくれよ。もちろん、学校で会ったときには前みたいにお話をしよう。僕のプアなイングリッシュに付き合ってくれて本当にありがとう(^0^)


・・・・なるべく原文に忠実に多少、脚色を加えて翻訳してみた。結果は気持ち悪いことこの上ない。ツッコミどころ満載のメールだけど
回顧展を先に進めたいので、次はリア二千からの返事にいってみよう。

Re: from Bill
差出人: リア二千 (リア二千@クオ高.com)
送信日時: 2008年5月7日 20:03:27
宛先: Imako Shunichi (ヒットマン@耳蝉.マーヴェラス.jp)


ハーイ!ビル!


私はビルって名前はクールだと思うわ。なんていうか、ミステリアスっていうか、特にあなたの見た目がビルって感じじゃないんで、あなたのミステリアス度を高めていると思うの。そうそう!あなたが教えてくれた映画!もう見たくてしょうがないのよ!今まで私が知らなかったり興味無かったりした映画なんかを見てみるっていうことは、なんていうのかしら・・・私のADD的症状に火をつけるっていうか、とにかく物凄くエキサイティングなことなの。


あ、そうそう。ホント、いつでもメールしてね。メールしてくれたら必ず返事は返すからね。それでね、あなたの英語なんだけどあなたが思ってるほど下手じゃないっていうよりかは、正直な話、ほとんどのこの国で生まれた人達より上手いと思うわよ。本当にお世辞とかじゃなくて。


ところでAPAペーパーは始めた?これ、凄く簡単なのよ。もしよかったらあなたが始めるまで待ってあげる・・・っていうのも、一緒にやったほうが効率良さそうな気がしない?


あとね、最終試験のエッセイだけど、前にも言った通り、とにかく設問に対する一般的なアイデアというのを出して、それを書き留めてみるの。で、それを元に色々と言葉を足して完成させれば大体のエッセイは書けるのよ。もちろん、あなたが前に言ってたように私だってテストの時は緊張するし、テストがある前の日の夜は本当に疲れるわ・・・。なんていうか、私の意識が宇宙に飛んでいっちゃうような気がして・・・。そうなのよね、私って日中しか物事に集中できたり、何かに取り組んだりできないの。普段でも夜は本当に疲れていることが多くて。


ところで力動精神療法についてはどう思う?荒っぽかったり保守的だったりする昔ながらの精神分析とは違うのよね。これ。


Enjoy the day! リア二千。


こんなメールもらったら嬉しいよね。普通。諦めかけてたけど、これでまた嬉しくなってたのは羞恥の事実。ところで最後の力動精神療法に関する質問ってのは、サイコロジーのクラスの最終試験であるエッセイで、個人精神療法の手法を一つ選び説明しなさいっていうようなやつがあるのね。これとあともう一個あるんだけど、まぁこの最終試験に先駆けてリア二千が俺に個人療法の話題をふってきたわけね。


今回は企画モノってことで、引っ張ってみようかと思う。一気に出すのはもったいない感じがしたので。ってことで次回はいつになるか分からないけど、近いうちに自虐史観回顧展の続きを行いたいと思っておりますので。ってことで今日はこの辺でね。で、回顧展だけど、さっきも書いたように、メールのやりとりは一瞬で終わったので、引っ張るほど続かないと思うのであんま期待しないでね。

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