祖国に感謝。

mimisemi2008-06-18

いや、回顧展の続きではないんだが、それにしても改めて今のルームメイトから離れられると思うと、あとちょっとで娑婆に出られるヤクザみたいな気分になるんだけど、考えてみると今のルームメイトは何気に最悪だった。キューティーの姉なんて比じゃないぐらい最悪なんだよな。ただこういう風に思うたびに記憶の鮮明さってのの違いを感じるんだよねっていうのは言うまでも無くキューティーの姉と仲が最悪だった頃は、この女が世界最悪の女だと思えたわけだけど、今みたいに他の世界最悪の女がいると、この女が世界最悪トップに登りつめて、キューティーの姉のランキングは下がるんだよね。


ところで今までルームメイトの色々なことに関して書きたくても書かないということを心がけてきたっていうのは、ブログで悪口書くなんてどうかな?って思ってたからなんだよね。まぁ書いてる俺の個人が特定できなくもないんで危ないかな?なんて無駄な心配もあったんだけど、思うに俺が書いてるのって悪口じゃないんだよね。悪口というのは相手を悪く言うことでしょ?所謂、中傷の類だよね。ただ俺が書いてるのってただの事実なんだよね。それはキューティーの姉にしても悪口ではなく、あったことをまぁ主観的に書いているだけで、まぁそれが悪口だと言われればそれまでだけど、それは批判に近いと思うんだよね。俺は基本的に悪口と批判は違うと思ってる。悪口というのはただ個人的に気に入らないからという理由で難癖つけて誹謗中傷を書きまくることで、「あのデブマジで死ね!」みたいなことが永遠と書いてあったら、それはもう誹謗中傷だろう。ただあのブタと言われてもしょうがないようなことをしてる人がブタと呼ばれてもそれはしょうがないことだと思う。福田首相がゾウリムシとか窓際族とかリストラサラリーマンとか言われてもしょうがないのは、あの本人の不甲斐なさにあるわけで、ちゃんとした政治をやってればこんなことは言われないんだよ。


あとね、凄く思うことは、嫌な人の傾向と対策みたいなのをネットの情報でシェアできれば、それって良いことだと思うのね。嫌なやつって大抵頭悪いからパターン化できるわけでさ、そういうしょうもない人間への対策法なんてのを生み出せるかも分からないんだよ。こんな信じられない嫌なやつがいた・・・ということが情報で出回れば、世の中にこんなどうしようもないやつがいるんだってことが分かって、人に無駄な期待とかしなくなると思うんだよね。上司のこんなやつがいて、会社とか仕事自体は好きなのに、こいつのおかげで俺はやっていけない・・・とかさ、そういう苦悩ってリアルじゃない?会社ってそういう不可抗力的な力関係が働く人間関係というのが生まれるヒエラルキー機関とも言えるようなシステムなわけで、その嫌な側面とか具体的に嫌だったことなんかをネットでシェアできれば、経験してない人も多くをそこから学べると思うんだよね。もちろんそれを一般化したりはできないんだけど、でも俺は昔、例えばバイトを選ぶときなんかに2ちゃんねるだったかの「絶対やってはいけないバイト」とか「バイトでの嫌な思い出」みたいなスレッドを見たりしてずいぶんと勉強したんだよね。これで見えてくるのは個々のバイトなりの特有のシステム的な難点とかこんな人間が深夜のコンビニのバイトには多い・・・みたいなさ、嫌なバイトを経験したもののリアルな情報なんだよね。所謂、一般的に出回ってる情報なんてのは嘘ばっかで「やりがいのある仕事です!」とかさ、「このバイトを通じて色々なことが学べました!」とかさ、広告側の視点みたいなのばっかりだったわけじゃない?ただ個人単位の情報が直でネットに出てしまうという今の状況だと、色々なことの内部状況みたいなのがリアルに見えてきたりするよね。で、俺は普段2ちゃんを批判しまくってるけど、2ちゃんのバイト系のスレッドには物凄くお世話になったことがあるんだよ。いや、ロムってただけだけどね、でも俺と同じような崖っぷちにいるような人間が嫌なバイトの経験を淡々と書いている・・・なんてさ、ネットが無けりゃ知りようがない情報でしょ?で、こういうただ単に苦労と苦痛だけに終わってしまったようなことでも、ネットに出ることでそれがさっきも書いたように情報化するんだよ。で、その極めて具体的な苦痛の経験というのを間接的に見る側は経験できるわけだよね。


一人の人間が経験できることなんて本当にごく限られているわけだけど、でも他人の生々しい経験も、その情報化されたものによって間接的に経験できるというのは今みたいな時代の最高のアドバンテージだと思うんだよね。あえてそんな嫌な話なんて読みたくない・・・って思うかもしれないけど、嫌なことを色々と経験すればタフになったりするわけじゃない?で、間接的にネットの情報だけを見て精神的にタフになれるとは思わないんだけど、でも世の中にはこんな酷い人がいますとか酷いバイトがありますとか理不尽なシステムがありますとかっていうのをね、こっちが損する前にそこに当たって砕けてしまった先人たちの経験というのを活かすことで回避できることもあるかもしれないし、例えばまぁ無いと思うけど、新しいバイトだなんつって期待して行ったらダメ人間の吹き溜まりだったとか、そういう理想と現実のギャップによるショックというのにワンクッション用意できるような気がするんだよね。右も左も分からない坊やがバイト先で最悪の思いをして引き篭もりになってしまったというのが俺の世代とか俺の一個前の世代ぐらいの特徴だとすると、今の場合、そうやってダメになった先人たちがいっぱいいるんで、これからのやつらは準備できると思うんだよね。それは俺らの世代が親父の世代から会社人間になるなんてロクでもないってのを学べたようにさ、俺らの次の世代みたいなのは俺らの絶望世代からまた色々と学ぶことが出来て、ポスト絶望世代的なね、もっとメタレベルの絶望を感じながら生きていくことが出来るんじゃないか?と思うわけね。それってのは素で絶望を感じてダメになっちゃうやつが多かったような俺らの世代よりかは全然タフだと思うんだよね。今なんて俺らみたいな世代が中学とかだった頃なんかよりいろんな情報があるし、選択能力さえあれば物凄い現実主義者になれると思うのね。リアルがネットに噴出してしまっている分、下手な幻想を抱く余地が無くなるっていうかさ、最初から無いような幻想なんて抱かないほうがよっぽど幸せなわけで、幻想を抱いてたんだけど現実的に世の中に出てみると最低だったみたいなギャップってのが今後は少なくなってくるんじゃないかな?って思うのね。っていうのは前の世代でそういうのがわんさかいてガンガン自殺したりメンヘラーになったり引き篭もりみたいになったりしてるんで、次の世代はそれを知ってるわけだよね。しかも過去よりかなりクリアにね。それって俺がさっき書いたようなポスト絶望世代的なタフネスを育める良いバックグランドになるんじゃないかな?って思うわけ。


そういう意味で無駄に覆い隠されてきたか、出る余地が無かったような絶望的な情報がネット上に溢れるというのは肯定的に見れるんじゃないかなって思うのね。ってことで俺が今回言いたいのはルームシェアなんてロクなもんじゃないよってことね。俺のケースが一般化できるとは限らないけど、でも立地条件にこだわりつつ200ドルぐらいケチってシェアをしたらルームメイトがこんなんで最低の暮らしだった・・・っていう経験をしたやつもいるんだよってのが具体的な形でネットに存在するって、さっき書いたバイトの嫌な経験と一緒で役に立つと思うんだよね。ルームシェアもさ、たぶん留学斡旋会社みたいな無駄に留学を薦めるようなのが良いイメージでしか伝えてこなかったわけじゃない?なんつーか俺にしてみればそういうイメージがあるんだよね。海外だったら家賃も高いしシェアでしょみたいなね。でもなんつーか俺みたいにそう思ってシェアしたはいいけど、ロクなことにならなかったっていうことで、今の物件より条件が悪いところでも一人暮らしできたらシェアのそれよりかはよっぽどマシなんて思ってるやつが少なからずいるってこととでね、むしろそういう経験からシェアはリスクだって考えられるような思考回路が誰かに伝わればそれって有用なことだと思うんだよね。あと良いイメージしかない留学ね。実際は挫折したり何も見つからずに帰国したりイリーガルになって不法滞在を続けつつバイトでその日暮らしをしてるやつとかが大勢いるっていうのもさ、知ったほうがいいというと変なんだけど、でもこれって事実なんだよね。どうもやっぱ留学って輝かしいイメージがありすぎると思う。実際はそうじゃないんだよね。例えば岡崎玲子女史のレイコ@チョート校なんて本があるけど、あの岡崎女史の留学生活というのは彼女の常人をはるかに上回る恐ろしい知性と行動力と適応力と、なおかつ幼少期にアメリカに滞在していたという裏づけがある英語力なんてのがあって初めて成立するわけで、凡人が留学したところでああいう風には0.00001パーセントすらもならないわけだ。俺はこの本を批判したいわけじゃなくて、こういう本を読んで留学に幻想を抱いてしまうというのは本当にやめたほうがいいということね。もちろん岡崎女史のケースは超エリート校の話なんでまず留学モデル足り得るわけがないし、これを読んでてもひたすら学校のレベルの高さと筆者の知性の高さに唖然とするしかないわけだけど、でもそれに付随してくるのが留学の華やかなイメージね。繰り返しになるけど、これは彼女のケイパビリティがあって成り立っているもので、凡人では絶対成しえない学園生活なのね。前にも書いたけど、パリだのロンドンだのニューヨークだのの学校に行ったところで、世界が一切変わるというわけではなくて、あるのはリアルな世界の延長なんだよ。日本でやらなきゃいけなかったようなことがこっちに来れば全く違うかというと全然そうじゃなくて、当然、人間は何かを食べなきゃ生きていけないわけだし、金が無いと生活できないわけだし、大学行くにもやらなきゃいけないことがいっぱいあるわけだし、嫌なやつなんてのはいくらでもいるわけで、全然華やかじゃないよってことなんだよね。エリートを除いた多くの人が言語の不自由さに苦しめられていて、そこから抜け出すのに四苦八苦しているというのが留学なんだよ。言いたいことが言えないというのは物凄いストレスだし、ある知り合いのタフそうなやつは、あまりにこっちに来たばっかりの頃は喋れなさ過ぎて部屋で泣いたって言ってたからね。こいつ全然部屋で泣きそうなタイプじゃないし、全然タフなやつなんだよ。でもこんなやつが泣いちゃうんだよ。喋れないストレスで。これが実体ね。


俺は普段からこっちにきて本当に良かったと書いているけど、それは俺が普通じゃないからというのがあるんだよ。それは特別だからと言いたいのではなくて、日本で無駄に色々なことがありすぎて、尚且つパーソナリティが徹底的に日本向きじゃないんで、その酷かった生活とこっちでの生活を相対化したときに、こっちが明らかに良いと思えちゃうような対比があるからよく思えるわけで、毎日のことで言えば良いことだけじゃないんだよ。それこそ今までのルームシェアの苦痛だのさ、こっちに来たばっかりで何もかもが新鮮という感覚で誤魔化されてたのが、こっちにある程度慣れてきた今では一気に露見してきちゃってる感じなんだよね。もちろんもう引っ越せるからいいんだけど、日本にバックグラウンドがあればこっちで頑張る価値なんてのがあるか分からないし、俺みたいなやつがこっちで頑張れるのは、やっぱり俺っていう普通とは違ったバックグラウンドとパーソナリティを持っているからで、んじゃあ日本でアノミーだったんで、みんなニューヨークに来ればハッピーになるのか?というと全然そうではないんだよね。たぶんこっちで頑張る人ってのは二種類あって、一つは言うまでもなくエリートね。で、もう一つは落ちこぼれ。落ちこぼれといってもネガティブな意味ではなく、日本にイマイチ順応できなかったっていうアウトロータイプね。だから自分で言うのもなんだけど、それは社会とか環境に適応できなかっただけでポテンシャルはあったりするんだよ。だからそういうアウトローがアメリカのリベラルな都市に来ると才能が一気に開花するということはありえるわけ。ただアウトローといってもやっぱりアウトローさ加減が普通じゃダメなんだよ。日本でもそこそこやっていけるアウトローだとダメ。それだったら日本でやってたほうがマシだからね。日本じゃ絶対無理!!!!!みたいなアウトローこそ、こっちでやっていかないと俺には居場所が無くなるっていうハングリー精神が働いてこっちに食いついていくみたいな態度が生まれると思うのね。アウトローっつっても犯罪者とかじゃなくて、俺みたいな脱線者ね。逸脱者というか。モロ日本での共同体での排除対象になりそうな存在ね。そういう意味での落ちこぼれね。それは社会から一方的に落ちこぼれだと言われただけで、実際、んじゃあ能力も落ちこぼれなのか?っていうとそうじゃないって人がこっちで色々と開花していく可能性があるってことね。だからこれらからも分かるように留学なんて本当に特殊なもんだよ。こっちでやっていくことの面倒臭さを考えると日本の大学でもやっていけるのにあえてこっちでやっていくみたいな、ただのチャレンジ精神だけで留学が成功するとは思えないんだよね。大学っつーか会社とかでもいいんだけど。あともちろん留学=永住ではないんだけど、はっきりいって留学なんて学位を取るとか、そのぐらいの長期的な目的が無いと全く価値が無いと思うんだよね。短期滞在なんて何にもならない。金に余裕があればホームステイでの思い出とか違った環境で得た生活経験だのさ、そういう内面的なものに価値を見出せるかもしれないけど、必死にお金を捻出して何かを得ようとして短期留学なんて絶対しないほうがいいね。何も得られないから。だったらその膨大なお金をもっと建設的なことに使ったほうがいい。


なんかさ、俺ってホント、こっちに来て大正解だった人間なんだと思うんだけどっつーな何もかもが上手く行ってるからね、まぁ問題はお金だけどさ、だからといってんじゃあ俺みたいな感じで生活してれば上手く行くのか?っていうと全然そうじゃないよなって思ったのね。さっきも書いたけど俺の留学って俺みたいな特殊なパーソナリティとバックグラウンドがあって成り立ってるわけで、どっちかが欠けてもダメだったと思うんだよね。特殊なパーソナリティだけじゃ日本が恋しくなるだろうし、特殊なバックグラウンドだけじゃこっちに馴染めない。両方特殊だから成り立っているんであって、これって普通じゃないんだよね。なんつーかつくづく思うのは、俺って普通の留学生が大学に行ってるっていうわけじゃないんだよなぁーってことね。普通じゃないからこそ成り立っていることがあって、それが凄まじいパワーになってるっていうのを本当に感じるよね。


前に日本が嫌なら脱出したほうがいいみたいなことをよく書いてた時期があったけど、それは俺の主観だから全然あてにならないね。俺がこっちでうまくやっていけているのは普通じゃないからなんであって、普通だったらこうはいかないわけで、手放しに留学なんてのを薦められないなって思うのね。まぁ俺が薦めたところでどうにもならないんだけど、俺がこんな苦痛なルームシェアを何年にもわたって我慢できてるのってモチベーションの揺らぎなさからなんだよね。ホント、こうやって引っ越すってなると、よくもまぁ今まで堪えてきたよな・・・って自分で自分を褒めたくなるぐらいなんだよね。こっちに何の価値もなかったら、とっとと居心地の良い実家の自分の部屋に一瞬で戻ってただろうなって改めて思うからね。なんかまぁー微妙だけどね。早く祖国に帰りたいって思わせるのが祖国の役目だろって思うんだけど、色々な事情があるにしても全く戻ろうと思わせないわが祖国の威力というのは計り知れないね。ってことでこんな苦痛なルームシェアを耐え忍べるだけのパワーをくれた祖国に感謝です。

PS。

本文と全く関係ないけど、いいの見つけたんで英語なんですけど貼っておきます。

http://www.redpepper.org.uk/article563.html

不幸論 (PHP新書)

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