増補・AUGUST UNDERGROUND’S MORDUM。

mimisemi2008-08-07

AUGUST UNDERGROUND'S MORDUM関連で妙なアクセス数があったんでおさらいをしておきます。


まぁこのAUGUST UNDERGROUND'S MORDUMってのは映画なんですけどね、当然ね。ただまぁそのマジな感じのクオリティが高いのがいわずもがなで、俺の中のグロ映画トップだし、今後も滅多なことではトップの座は変わらないだろうなってぐらいグロ描写が酷い映画なんですねー。映画について適当な解説をしたパンの記事があるんでよかったらどうぞ。


http://d.hatena.ne.jp/mimisemi/20080629


まぁ適当に補足をしておくと、これはFred Vogelっつーイカれた天才ゴア監督の映画で、Augustシリーズなるものがあるんだよね。Fred Vogel's August Undergroundというのが2001年制作の一作目で、二作目にあたるのがMordumね。で、Augustの最新作がAugust Underground's PENANCEってやつで2007年制作ね。ここでチェックしてみるがよい。


http://toetagpictures.com/site/


2006年にThe Redsin Towerなる映画をFred君は撮っているらしいけどチェックしてないんで分からん。っつーかAugustもMordumしか見てないんだけど、手に入るなら他のも見てみたいんだよね。Penanceは手に入りそうなんだけど、最初のやつがもう廃盤っぽくて無理なんだよね。まぁとにかく人を殺したりレイプしたりっつー倒錯しきった映画なんで内容は同じなんだろうけど、でもなんかね、ここまで凄いやつって見たこと無かったからさ、実際のやつとかはともかくとしてね、期待しすぎてはいけないけど、でもまぁ他のやつも気になるよね。Fred君のセンスに期待できるっつーか。


前にも書いたけど、これが何が凄いかって特殊効果なのよ。クローネンバーグも真っ青なぐらいのアナログな美術製作でね、例えば地下室で腐り果てている死体とかバラバラになった死体とか本物みたいに見えるんだけど、まぁ当然、偽物なんだけどクオリティが凄いのは、例えば死体の表情とかが本当の死体の表情だったりね、蛆虫とかは本当のを使ってたりね、ゲイコマなのよ。とにかく。俺は最初見たときは本物かと思ったもん。質感が凄すぎて。でも違うんだよね。本物だったら流通するわけないからさ、まぁそれはないんだけどでもまぁ本物との差なんて無いんじゃない?ってぐらい腐りかけの死体とか凄いんだよ。本当に。で、その地下室に入った後の殺人を楽しむ連中達の嗚咽が凄いんだよね。演技が凄くてね、マジで吐いてるし「なんちゅー臭いだ!考えられねぇー!グオェェェー!」とかって吐かれるとこっちも気持ち悪くなるし、腐敗臭とか死臭みたいなのが画面から漂ってきそうなぐらい凄いんだよね。あの後半の地下室のシーンは名シーンだね。俺的名画です。マジで。


グロさだけを前面に出しているわけではなく、出ている俳優っつーかまぁアマチュアなのかもしれないけど、あのマジっぽさが凄いんだよね。奇声を発したり金切り声で叫んだり、まぁハーシェル・ゴードン・ルイス2000人の狂人をちゃんとやればこうなるんだろうなっていう感じなんですよね。だからなんつーか一切の妥協を感じないゴアホラーっつーかね、HGルイスのが妥協の果ての芸術映画なんだとすれば、Mordumは純粋ゴア映画って感じね。そういうのが好きな人にはマジでオススメです。良い子は真似しないでねってレベルじゃないしね。真似したくてもやりたくないっつーレベルだから。いや、実際いいんじゃないかな。キチガイとかもこれを見れば。死体ってあんなに気持ち悪くて手に負えないものなんだよって思い知らされると思うんだよね。ところで世紀末倶楽部の死体特集とかって読んでる人いるのかね?まぁあんまいないと思うけど、実際の死体と映画の死体って違うのね。


やっぱそれを再現するっていうことに意味があるし、死体のシミュラークルじゃないけどさ、それが本物か否かなんてのはどうでもいいっつーレベルなんだよね。そういうシミュラークルなレベルに死体芸術が到達したっつーのがMordumだと思うのね。まぁレイプのマジっぽさとか殺人のマジっぽさとかっていう意味でも殺人・レイプ・虐殺のシミュラークル及び美学というかね、それがやはりヴァーチャルで行われているのにも関わらず、リアリティとして鑑賞者のイメージに焼きついてくるっていうのがこの映画の醍醐味であるし、鑑賞する時のメンタルダメージなんだよね。「でも映画なんだよな」って自分に言い聞かせないとそれが本物のように思えてしまうぐらいのクオリティを秘めているこの作品っていうのはこれ自体がもうすでに芸術なんだよ。だからそういう意味で俺はシミュラークルと美学って言葉を使ったんだけどね。究極的な残虐シミュレーション映画であるし、その特殊効果とか撮影の質の高さが映画なのか本物なのか?っていうような、ある意味で鑑賞者が自分の精神を守るために「これは映画なんだよな」って思いたいような防衛本能を麻痺させる効果があるんだよね。


この質の高さは「映画だから」っていう前提で見ないと本物だって思っちゃうレベルなのよ。だから例えば俺がリンクを書いたMordumのワンシーンなんてさ、無造作になんのインフォメーションも無く数分の動画として如何わしいサイトにアップされてると生生しいでしょ?まぁあの無造作感はある意味で映画以上かもしれないね。「衝撃動画!」みたいなタイトルであれだけアップされてたら相当怖いよね。だからこれが再三俺が言ってる質というかシミュレーションのレベルの高さなのね。「実は映画でした」ってオチが無いと不安でしょうがないっていうね、凄いでしょ?だから俺はこれを本当に芸術作品として評価してるの。ジョーダン23とかではなくマジでね。実際の殺人とかはともかくとして、生々しい殺人の描写とか死体の質感とかレイプだとかを極めればそれはもうアートですよ。シミュレーション・アートです。だからね、興味ある人は見てみてくださいよ。しみみみ耳蝉の大推薦映画なので。ってことで今日はこのへんで。


ヘンタイの理論と実践

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