ちょっと嬉しかったこと。

mimisemi2008-10-21

いやー解放されたよねっつってもね、スピーチのとフレンチが無いと学校は週3ぐらいでさ、しかも一日一コマぐらいだからね、今日なんてあれだもん、一時間ちょいの英語のクラスに行くためだけに1時間以上もかけて学校に行くって感じだったもんね。いや、やっぱ学校が遠くなったんで、どうせ行くならとんぼ返りは嫌で何かをこなしたいってことになるんだけど、まぁ無理だけどね。いや、ただそれが無理ではなかったんだよ。っつーのはね、まぁあれだ、The Namesakeという映画を見てエッセイを書かなきゃいけなくてね、英語の授業で。で、クラスで見させられたんだけど、一時間ちょいの中途半端なところで終わってさ、あとは借りて来るなりなんなりしてとりあえず良い映画だから見ておけってことで宿題になってたんだけど、まぁ例によって気にしてなかったんだけど、まぁあれだわ、学校に行ったしちょうどいいやってことでね、Barnes&NobleでこのDVDを買ったんだけど嫌な予感は的中したっつーのも俺は金を使わないために特に日本から帰ってきてからは一度もDVDを買いに行ってないんだよ。俺は買うことをやめるということが出来ないから予防策はそれが置いてあるところに行くことをやめるとか映画を見る習慣を無くすとかなんだよね。だけどNamesakeは買わなきゃいけなかったっつーかレンタルとか面倒だしこっちはDVDが安いからね、まぁ映画自体も結構良さそうだったから買ったんだけど、やはりついでが凄くなってしまった。


っつーのもプラトン的なパラダイムに自明的になりながらマトリックスを見てみようと思って半年ぐらいが経ったわけだけど、今回はなんとボックスセットを買ってしまったね。アニマトリックスとかも全部入ってるってやつ。俺がこんな典型的なアメリカ映画のボックスセットを買うなんておかしなことだけど、いやね、改めて見てみてねっつーか帰ってきてから早速見たんだけど、特に1は傑作だね。これ。当時は哲学なんて全然知らなかったし、世の中が盛り上がっているのを見て当時から皮肉屋だった俺は「ケっ!くだらない。俺なんてゴダールを見てるよ」とかって気取ってたんだけど、これはアクション映画というよりかは哲学映画だね。いや、そんなことは自明で当時なんてジジェクとかの文章も載ったりしたような、マトリックスを哲学者が語るみたいな本が出たりしてたんだけど、全然俺はこの映画の本質を理解していなかったね。


いや、青いピルを飲むのか赤いピルを飲むのか?というのはまさしくプラトンの洞窟の話と一緒というか、まぁこれはプラトン的なパラダイムの話だっつーのは公的にアナウンスされてたらしいんだけど、これって哲学的なバックグラウンドが無いとさ、そのアクションシーンとかカンフーシーンの派手さに気を取られすぎてそっちばっかにフォーカスしちゃうよね。でも実はこれはかなり深い映画・・・・というよりかはテロ映画なんですよ。これ。いやね、今の状態は2まで見て3はまだ見てないんだけど、全部まぁ見てたのね。でもそれは当時の話だから。哲学とシオニズムが混ざってたりしてわけがわからない話だとかって思ってたんんだけど、今見たらさ、これってよくアメリカが製作を許可したなってぐらい危ない映画だよね。機械の養分になってるような、自分たちの世界があると思い込んでいる一部の人間達が、そういった世界は嘘なんだと気がついてその機械に対して立ち上がって独立運動をするって革命そのものじゃないか!だから3はRevolutionsなのか?これは凄いよね。だって全部テロじゃない?パワープラントをオフさせるとかさ、いきなりビルに入っていってマシンガンを打ちまくって警備員を殺してって連合赤軍みたいなもんでしょ。これ。まぁこのマトリックスパラダイムだとそれは仮想世界の話だから殺人はそこまでシリアスじゃないんだけど、でもその世界で生きている人のことを考えたらまぁえらいこっちゃな。


で、そういったテロというかレジスタンス運動がさ、基本的にシオニズムに帰結してるっつーところが相当危ないんだよね。まぁ俺は大歓迎だけど、ここまで左翼的というか革命主義的な映画が大衆に支持されてヒットしたっつーのは凄いねっつーのはね、これって基本的に枠組みとしては宮崎駿と一緒なんだよね。宮崎のアニメはヒットするけど、その背後にある宮崎の左翼的イデオロギーというものまでは理解されていない。逆に理解してしまったら、例えば俺みたいな今まで宮崎アニメで育ってきたのにも関わらず、その背景にイデオロギーがあったということにショックを受けてほとんど全部受けつけなくなったみたいなさ、基本的にそれはメディアのやり方と一緒だからね。人畜無害に見えるものの背後にイデオロギーを置くことで、それを大衆に無意識的に認識させるっていうね。まぁ一種のプロパガンダ映画とも言うのかな。で、宮崎アニメは大半がプロパガンダなんだよね。これは前にも書いたことだけど、紅の豚赤旗の豚っつーか赤旗の宮崎ってことでさ、まぁ自伝的というか、自分を主人公にしてみましたみたいなアニメだし、千と千尋なんてのはもうマルクス主義丸出しだからね。あそこまでやられると鈍感な人でも気がついてしまう。いや、俺としてはいいんだよ。右翼的なプロパガンダをアニメでやられたりしたらたまらないっつーかヤマトとかがそうだけど、いやね、俺はその手法が嫌いなんだな。一見何でも無いものに見えるものの背後にイデオロギーを布置するというやり方が嫌い。だから宮崎アニメは好きなものもあったけど、現時点ではもう全て嫌いなんだよね。全くまともに見れない。それは俺のリテラシーレベルが上がったから見れなくなっただけなんだけどね。


ただまぁ大半の人はそれに気がつかないし洗脳もされないんだよね。ただの物語として見ていて宮崎駿イデオロギーなんて理解しない。逆に理解したら環境運動とか労働組合とかがガンガン活発化してるはずだよね。それはまぁアメリカも同じっつーのがマトリックスなんだけど、これってこんな俗っぽい大衆映画なのにも関わらずさ、トピックが凄まじく崇高で哲学的でなにより革命的だよね。危ないぐらい革命的だよ。もうね、全然あれ、戦艦ポチョムキンとかかなわないぐらい革命的よ。所謂、プロレタリアート文学的な、左翼的なパラダイムで描かれた左翼的な物語よりも全然左翼的。抑圧に抵抗するか?抵抗の先には辛い現実があるけど、そこには人間の本来の自由があるってまるでアナーキズムのステイトメントだよね。これを本当に単純にあの機械世界をプロレタリア世界だと考えればね、なんつーかマルクスで言うところの、False Consciousnessから覚醒した人々がZionに住んでいるのだとしたらさ、今の世の中がマトリックスで、Zionは革命家達の街ってことになるよね。まぁ単純過ぎるのは分かるけど、あの攻撃してくる機械ってのを単純に「権力」という抽象的な概念で捉えればもう一目瞭然なぐらいこれが自由のために闘う戦士達の物語というのが分かる。なんかこういう話をメインでやってるケン・ローチみたいな監督はお手上げだっただろうな。マトリックスに。


ただ恐らくは世の中で流行った理由はワイヤーアクションだとか斬新なビジュアルとかなんだとかってことだろうし、これは前のソフィーの世界でも書いたことだけど、ソフィーの世界がベストセラーになるような世の中であったら、もっと学校の哲学科とかが強化されたりとかね、哲学を志す人ってのが増えるはずなんだけど、そうじゃないのを見ると単純にこれがベストセラー小説として消費されたというのが簡単に分かるよね。もちろん本質的な理解をした人もいたかもしれない。でも大半がそうじゃないだろうっつーのは本質的な理解をした人達の口コミで広まった評判というのも、その口コミで広まった評判というものそれ自体がある種のポピュリズム的キャラクターを帯びてしまうので、流行った途端にそれはただの流行ものとして消費される可能性が高くなるんだよね。「今話題の!」で飛びつく人の大半はソフィーの世界を理解しないわけ。


で、マトリックスの場合、最初からこれは商業映画として作られているので、だから派手なアクションシーンとかワイヤーアクションがあったりする。ここがね、ポニョで言うところの有名俳優を声優に起用だとか、書き込まれた海の絵が凄いだとかっていうようなポピュリズム的要素で、また本質は違うんだよ。ポニョは見てないんで分からないけど、まぁどうせまた宮崎駿の実存の現れみたいな話なんだろうけどね、マトリックスの場合、そこに革命だとか自由だとか、まぁ本来的な意味で言えばアメリカの建国理念に則ったようなコンセプトがある。まぁプラトンを拝借してのことだけどね。これが凄いんだよ。カンフーアクションで目を引きつけておいて凄まじい本質を放つっていうさ、そのポピュリズム本質主義バランスが絶妙なんだよね。中身が分からない人でも派手なアクションシーンとかラブストーリー的展開に満足できるわけで、こういうところにもうすでに大衆映画としての成功は保証されてるんだよね。逆を言えば、マトリックスからカンフーやらアクションを除いたらね、タルコフスキーだとかみたいな、奥の深い晦渋な哲学SF映画になるわけよ。これじゃあ全然流行らないんだよ。だからポピュリズムとしてカンフーやらアクションシーンを取り入れている。でもこれだけは確実に言えるのは、そういったハリウッド的ポピュリズムのフィルムメイキングの上におまけで哲学を乗っけたのではなく、物語の核にプラトンの洞窟の比喩だとか、革命的なメタファーがあるんだよね。そこが凄いと思うわけ。いや、こんなに凄い映画だとは思わなかったよ。本当に。まぁ最近で言うところのっつーかウォール伝の話題で言うところの全てがデータっつーパラダイムはデジタルデビルサーガと一緒だよね。まぁサーガがマトリックスの後だからサーガがマトリックスに似ているって言った方が正しいのかもしれないけどね。サーガで言うところの太陽にいる神に値するのがマトリックスの設計者だもんね。ただそこにネオなりサーフなりっつーメシア的存在がいてさ、んでその完全に設計された世界が変わるだとかなんだとかっていうね、まぁありふれたパラダイムなんだけど、マトリックスは特に2の最後のさ、設計者の晦渋な説明とかね、すげー笑えるんだよね。失礼ながらアクション映画として見に来た人達はこの設計者が言ってることがさっぱり分からないだろうなって思うわけ。使ってる単語も難しいのばっかりだしさ、「分からないところが多かったけど、とりあえずアクションシーンは凄かった」って納得する人が大半っつーのを前提に作ってるよね。アクションシーンやカンフーシーンや派手なCGに自信があるから、物語のコアにああいう難しい概念を入れられるんだよ。小難しい概念だけの映画だとタルコフスキーとかパゾリーニみたいになるからね。それを見た目も飽きさせないで、しかも大衆映画としても成功させているのが凄いね。


なんかで読んだけどこのなんたら兄弟ってのはまぁ見れば明らかなように攻核機動隊から相当インスパイアされてこれを作ったんだよね。まぁそうじゃないって言われてもそうだろう。あの首にあるプラグだとかなんだとかっつーのは絶対攻核機動隊だろう。もちろん攻核機動隊も晦渋な映画だけど、ビジュアルとかで分からない人も納得させるだけのものがあるんだけど、それをもっと極端な形でやったのがマトリックスだよね。これはもう凄いよ。本当に。ポピュリズム的手法で凄まじく晦渋な政治哲学のドクトリンを広めてるみたいなそんな感じだもん。そういう政治家がいたら面白いのにな。


あ、まぁ3は見るからすでに長くなってるけど感想はまた後に書くね。今日は別にこんな長く書くつもりは無かったんだけど、まぁ相変わらずのことでね。で、そのちょっと嬉しかったことというのがね、これを書こうとしていただけなのにな。まぁね、本屋でDVDとかADDとか鬱の本を買った後に、Whole Food Marketだかっていうオーガニック系しか扱ってないような、ちょっとリッチなニューヨーカーが行くようなマーケットが学校の近くに出来たのよ。で、俺もその存在は知ってたけど、どうせ高いんだろうって思ってて行ってなかったんだけど、学校はほとんど意味ないし1時間しかないしってことで、なんか外を出てやることは無いか?ってことで買い物だって思ったわけね。最近ほとんど玄米しか食ってなくてさ、しかもフォレストヒルズのスーパーとかいまだにどこにあるか分からないんだよね。そんぐらい買い物に行ってない。だからまぁここで久々にパスタとかシリアルとかね、まぁ前にスーパーに行ったら買ってたようなまぁある意味でいつものやつを買ったんだけどっつーかやっぱ商品の質が良いのは分かるけど高いね。で、全体的に単価が高いなぁーとか思いつつレジで会計を済ませようと思ったらさ、なんかね、スカーフェイスの暗殺者役とかさ、パイのあの主人公が碁をやる爺ちゃんに似たような人が奥さんといてさ、で、会計を終えたんだかで帰っていくのを見たんだけど、「あーあの人に似てるな」とか一瞬思ったんだけど、ちょっと待てよと。似てるというレベルじゃないぞと。これは同じだろうと思って志村式な二度見をしたら本人としか思えないような風貌で本当にビックリしたっつーかそっくりさんだったら間違って映画のオファーとか来るなっていうぐらい顔が似てたんだけどね、家に帰ってからっつーかマトリックスを見た後に調べたらね、この俳優の名前はMark Margolisというんだけど、まぁ俺がさっき書いたパイとかスカーフェイスとかっつーか凄まじい数の映画に出てる名脇役みたいな人なんだけどね、あーあれは本人だったなって確信したのが、この人がトライベッカに住んでるってことね。俺の学校があるのはトライベッカなんでもう間違いない。その辺に住んでるから買い物に来るわけでさ、もう間違いないよね。いやーちょっと感動だったよ。日本人の有名人には会ったことがあるよっつーかすれ違ったというかね、アンタッチャブルの柴田は東京駅ですれ違ったし、あとムーミンなんかはもろ地元が一緒なんで俺だけじゃなくて家族の目撃談が多いんだけど、あと茅ヶ崎だと小川とかさ、あのハッスルの人ね。あとウドちゃんと成田空港ですれ違ったことがあったりもしたかな。たださ、今回の場合、まぁアメリカ人の有名人っつーか俳優を間近で見たわけだよね。これって初めての経験だよね。いやぁーすげーな。本人だったとはね。やっぱり俳優はハイソな感じのスーパーで買い物するんだねって思ったね。で、俺がずーっとガン見し過ぎてたからなのか、あっちも俺が見ていることを気づいてる感じだったけど「何?なんですか?」って感じじゃないのね。そこはさすがに俳優で「あー俺のこと知ってるんだな」っていうようなガン見され慣れている感じだったね。でもなんか他のアメリカンは気がついてなかったのかな?まぁ結構通好みな俳優だからね。こんな亜細亜人にガン見されてあっちもちょっと躊躇したに違いない。でもこの人、ただの知ってる俳優っていうよりかは、どっちかというと俺の好きな作品に出てることが多いからね、だから嬉しかったんだよね。


ってことだけを書こうと思って早く寝ようと思ったのにまたいろいろと余計なことを書いて長くなって寝るのが遅くなってしまった。まぁまだまだ書きたいことがあるんだけど、続きはまた今度ね。

マトリックス

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