ハズウェルのFact Mixっつーのがあるんだけど久々にぶっ飛んだのを聞いたって感じ。Factってのは雑誌らしくて他にもオウテカだのオーブだのもFact Mixってのをやってるんだけど、そのまぁハズウェルの回とでも言うのかな？DJやってるのは知ってたけど聞いた人の話だとUK Garageとノイズを混ぜてたり4つ打ちテクノと轟音とかっていう想像もつかないようなスタイルなんだけどさ、いやー聞いてみたらそれが分かった感じがするんだよね。
http://www.factmag.com/2011/04/04/fact-mix-236-russell-haswell/
キース・ジャレットのライブのオープニングの喋りの後にYasunao ToneとHeckerの例の万葉集のノイズがいきなり鳴りだしたかと思ったら次はラロシフリンのストリングス系のなんかのサントラ。で、その後にAlexのトーマスがサントラやってたやつのオープニングのレクタムのショボい電子ノイズみたいなやつのサントラが始まってさ、で、その後はBernard Herrmannの情緒的なサントラが始まって、んでその後にいきなり軍事演習みたいなののフィールドレコーディングが始まったりと、とにかくカオスなんだよね。この非線形感が凄いのなんのって。で、めちゃめちゃやってるってわけじゃなくてやっぱりなんかハズウェル感があるんだよね。なんか独特のすげー変なセンスっつーか。なんかとにかく異様で気持ち悪いんだよね。本人も気持ち悪いけどミックスはもっと気持ち悪い。
この人って本当に理解不能なんだよなー。いきなりUpicに凝りだしてわけわからないアルバムをHeckerと出したと思ったら変なフィールドレコーディングのCD出すしさ、で、なぜかWarp周辺の連中と知り合いなのかWarp系のコンピにリミックスで参加してたりするんだけどこれがまたテクノファンが買ったらハズウェルのだけ飛ばしたくなるようなトラックでさ、なんか元のやつにプラグインのエフェクトかけただけとかさ、本当に意味分からないんだよね。人脈で色々と仕事できてるんだろうけど在野にいたらただの変人で終わってるだろうっていう。一生フリーターだろうなぁーこんなの。親の資産があるのかなんなのか何やって食ってってるかさっぱり分からんし。
そういう訳の分からなさに惹かれてきたんだけど今回発見したミックスはまぁーその凄さと言ったら・・・。とにかく聞いてみてほしいんだよ。もう唖然とすると思うよ。マジで。バカなのか天才なのか本当に分からないんだよね。なんかでもやっぱりミックスってこういう価値だよね。やっぱり。それこそ俺が普段批判してるようなwell-madeなもんじゃなくて荒っぽいけど凄まじい個性があるやつっていうさ、そういう意味でハズウェルの作品ってネット時代とか関係ないよね。もうとにかく異彩を放ちすぎてる。
あまりにこのミックスに感動したんでさ、トレースしたようなの作ろうかなーと思ってるんだけど劣化しそうで迷ってるんだよね。あとさ、昔からのあのハズウェルの意味の分からないライブレコーディングへの異様な執着ね。CDにもテープ録音のやつとか汚いエアー録りのやつとかがLPになってたりするしさ、実際、このミックスでも後半はほとんどライブレコーディングばっかになるんだよね。しかもFermers Manualとか灰野さんとPan Sonicのライブ音源とかとにかく意味分からんのね。それをミックスで並べるかね？っていう。で、エアー録音できれいな音じゃないんだよね。それがまたいいんだけど。
とにかくハズウェルの頭は完全におかしいってのがよく分かるよ。あとURの北欧でのライブ音源とかさ、URなんて普通トラックもののCD聞くじゃん？言わばケンイシイのどっかのフェスでのライブ録音みたいなもんだよね。ケンイシイとかだったら普通ライブ録音とかじゃなくてCDに入ってるトラックで聞くじゃん？なのになんでライブ音源なのか？っていう。ジェフ・ミルズのやつとかも客の歓声が入ってるライブ音源だし本当に意味分からない。で、URのライブ音源からのインキャパの似非テクノみたいなさ、「え？これがインキャパなの？」っていうようなリズムボックス鳴らしたままのすげー変なトラックがあってさ、元はカセットで出てたやつの恐らくBox is Stupidからのリマスター盤を使ってるんだけどこれまたURのライブ録音から唐突に始まるんだよね。なんか一回ハズウェルの顔面を殴りたいぐらい変なミックスなんだよなぁ。
こんなの絶対作れないでしょ。なんか悔しさとかじゃなくてさ、なんかもう圧倒的な個性にただ呆然とするだけって感じなんだよね。なんなんだろう？この天然感。途中いきなりニューウェーブとかになったりするんだけどこれがまた唐突で凄いんだよね。こないだYou Tubeの件でさ、ラバダブのマッシュアップを落として300回以上聞いたって書き込みしてくれた人がいるけど、確かにアクセス数が少ないって聞かれてないなら意味ないじゃん！ってことにもなるけど聞く人はめちゃめちゃ聞くとか気に入るってやつを作るのが重要だよね。
っつーかやっぱそれだよなぁー。昔からそう思ってきたけど改めてそうだなぁーと。だから仮にこのハズウェルのミックスをトレースしたやつを作ったとしても多分また10人位しか聞かないんだよね。でもその10人に衝撃を与えられれば十分なんだよね。元々広く聞かれるようなものじゃないし、んでも威力は凄まじいっていう。そういうのが作れればいいんじゃないかな？って思ったよね。ってことで新作ミックスを作ろうと思ったわけだ。ハズウェルにインスパイアされたミックスってことで。
いやぁーもう呆然だよ。本当に。唖然とするミックスだわ。あまりにも強烈で。んでまぁそのミックスを作り始めたんだけどさ、予想通りラッセルの感じってのは全然出ないっていうか似るのは唐突さだけでなんかすげー俺のカラーが出ちゃうんだよねって当たり前か。まぁ完成したらアップするので。それにしても2時間は長いよなぁー。後半結構グダグダだし。それにしてもまぁ凄いミックスなんだよね。是非聞いてみてほしいわけよ。
ってことでじゃまた。
あとラズウェルのpodcastがあったんで貼っとくわ。
http://thesweetestnoise.com/2011/04/15/podcast2-a-mixtape-by-russell-haswell/
あとインキャパの例の似非テクノがあったんで貼っておきます。
