躁鬱奇想天外さんへの返信。

躁鬱奇想天外! 2022-02-07 06:01:05 

 

 

短文コメントなのでコメント欄で返信してくださってもよかったんですけど、わざわざエントリーまで書いてくださってありがとうございます。 西村さんはたしか芥川賞受賞後に笑っていいともに出てたんですけどそこで「受賞前から年収は500万くらいあった」と言ってたのをおぼえててなんか実はそこまで苦労人か?というと受賞前から一応肉体労働はやめてて文章書くだけで飯は食えてたみたいなんですよね。

 

 

そっちでいうと高橋源一郎は30まで肉体労働とか風俗のボーイをやってたり、村上春樹も30まで飲食店を経営してましたけどそこまではがっつり肉体労働はやってなかったみたいなんですよ。 まあそれなりのお金があったというのは西村さんの冗談かもしれませんけど、お金の有無はおいといてもあの厭世観とか女性観は本当だったんだなという感触はあります。

 

 

耳セミさんが貧困系といってますけど、ビートニクとかも元々エリートがやってたのでまあ著者がも実際に貧困でないといけないか?というとそんなこともないんですけどね。なんか西村さんと同じタイミングで芥川賞を受賞してた田中慎弥さんとか車谷長吉さんとかはあのまんまな感じはしますね。

 

 

↓これが西村さんの生前のご自宅のリビングらしいんですが、この部屋からはあんまり退廃的な感じはしないのでびっくりました。

 

https://i.imgur.com/Lbp8G1s.jpg

 

 

なんか宮台さんの話といっしょで耳セミさんも言ってますけどこういう人てもう出てこないんだろうなとは思いますね。昭和でいう「男の一人酒」みたいなものて成り立たないというか今の若い人ってお酒もたばこもやらないストレートエッジなわけじゃないですか。

 

 

なんかこういう「男くさいもの」というか「男の美学」がどんどんなくなっていってる時世なのでさみしくはなりますね。現代人はさみしさの紛らわし方をもっと学んでるような気がしてて。まあ今でも空気階段の太ってるほうの人には似たものを感じますから、いるにはいるんでしょうけどね。

 

 

その香港の方って数年前に来日して神社?で会った人ですかね?しかしすごいですね。さすがニューヨークというか。調べたら西村さんの英語wikiもあるので海外でも知名度はそれなりにあったりするんでしょうか?それで思い出したんですが、今アメリカで太宰治の人間失格がめちゃ売れてるみたいですね。「No Longer Human」てタイトルでアマゾンで全書籍でも200位のランキングにいてレビューが6千件くらいついてて4.8くらいついてるんですよ。

 

 

これは今に始まったことじゃなくて耳セミさんがいたときのアメリカでもこうゆう日本の文学が読まれる土壌はあったんですかね?多分ライ麦畑でつかまえてを読むような感覚で読まれてるんじゃないかなあとは思うんですけどね。村上春樹はわりと読まれてるってのは知ってるのですが。

 

 

村上春樹はランニングして筋トレして書いてるのに対して西村さんはまあふ酒タバコやりまくりで運動しないてという、結構対照的ですよね。 その耳セミさんが書いてる「明日のことが分からない実存的な不安」というのは本というか物語というものが登場してきて生まれたのものなのかあと思いました。

 

 

それこそここ小説とか生まれて何百年のあいだに生まれた要素のような気がしてて。「自分の一生」とか「人生」て小説とか本が教えてくれるというか、それ以前は「人生」ていう概念はあったのかな?というか耳セミさんが言ってる「不安」てのもなかったんじゃないかなあと思います。

 

 

縄文時代て一万年くらいあったわけでその間に「人生」という概念もないだろうし「将来の不安」とか「1年後どうしよう?」ていうのはなかったんじゃないかなあと。 あと耳セミさんに聴きたいんですけど「西村賢太みたいな音楽」てなにか思い浮かびますか?あったら教えてください。お願いします。

 

 

私は耳セミさんのブログで知った坂口恭平さんているじゃないですか?あの人音楽もやっててなんか坂口さん経由で知った前野健太とか豊田道倫とか加地等なんかは西村さんの作品と似てるなあと思いました。あと耳セミさんの西村賢太作品で一番好きな作品はなんですか?

 

やはり疎い分野について憶測で書くとダメっすね(笑)西村さんはある意味、苦労人だとは思いますがお金にはそこまで困ってなかったんですね。適当なこと書いてすみませんでした・・・。

 

ところで「男くさいもの」とか「男の美学」みたいなのって僕の永遠のあこがれなんですけど、確かに空気階段のもぐらに限らず芸人全般が昭和的な男の美学で生きている人はいますよね。

 

芸人的にそういう生き方をしていると売れるからっていうパフォーマンス的な意味もあるのかもしれませんが、でもやっぱり売れている芸人でも明日どうなるか分からないみたいな感覚は常にあるみたいで、その辺の先の分からなさとべらんめぇな感じって昭和的ですよね。あと貯金しないで全額色々なものにお金を使って常に背水の陣で生きているみたいな人も好きですね。保険を張らないっていうかなんていうか。

 

現代の人って真面目過ぎるんじゃないですかね?決して良い人が多いってわけじゃないんですが、僕の昭和のイメージってどうしようもない人もどうしようもないんだけど可愛げがあるから人情で周りから可愛がられて生かされてるみたいな人が結構いたと思うんですけど、今って社会不適合者のレッテルを張られて終わりですもんね。そういう意味で面白い人が育ちにくい土壌なのかなとは思いますね。僕はモロに周りに生かされているのでこういう生き方ができるわけなので(笑)社会的に見ると機能不全みたいな人間でも面白いやつは面白いんだっていう思いは凄くありますよね。

 

香港の友人はそのおっしゃる人ですね。アメリカンネームがダレルの人です。西村さんの海外の知名度は分かりませんがというか文学に詳しくないのでなんとも言えないんですがダレルは主に中国語訳で読んでいると思います。それにしても太宰がアメリカでブレイク!って初耳でした。村上春樹はアメリカでも大人気でっていうか村上春樹自体が海外を意識しているというか、英語にしても全く違和感がないような書き方をしてるだとかなんだとか、全く好きではないんですが一時期大量に一気読みしたときにそんな情報もどっかで読んだ気がします。

 

太宰がアメリカでブレイクしている理由は全然分かりません(笑)こうなんじゃないか?と思うことはあるんですが、また適当に書くとアレなので書かないようにしますね。アメリカの学費が高い英語学校に通っていた時は生徒も金持ちが多かったんですが、南米だかの医者の息子のすんげーおぼっちゃま感があるやつが日本文学が大好きで川端康成が大好きだって言っていましたね。こういうメジャーどころは読んでると知的な感じがするっていうところはあるんじゃないでしょうかね。

 

あと学費がそこまで高くない大学に入るまでの繋ぎで入っていた英語学校ではアドミンの黒人のおばちゃん三島由紀夫が大好きだって言ってましたね。ただあの軍国主義的というか、政治的思想には全く共感できないけど、表現や文体の優雅さが凄い!って言ってて、なんか変な話、アメリカのこういう知的階級みたいな人たちのほうが下手な日本人より日本文学読んでるんじゃないかな?っていう印象はありましたね。ちなみに三島は小説読まない僕でも読んでいてエッセイなんかも好きで今でも大好きですね。憂国という短編が一番好きです。

 

ところで西村賢太的な音楽ってことなんですが、パっと思いついたのはCock ESPみたいなスカムバンドとかですかね。

 

https://www.youtube.com/watch?v=ZybQaUn0xFw

 

ブルージーなんだけど狂っているっていう意味だとガチの統合失調症だった角谷美知夫なんかもちょっと通じるものがありますね。

 

https://www.youtube.com/watch?v=_D0RS0OCY7E

 

あと渡邉浩一郎なんかもそうですね。なんかまぁようは自己破滅型ってことですね。ただパンクスとかは自己破滅型とか言いながら儲かってきたら商業主義に走ったりする輩が多かったのと、ロックなんかもそういう傾向があるので、こういったアングラのガチの自己破滅型が西村賢太っぽいかなと思います。

 

https://www.youtube.com/watch?v=kCGfZT24-JY

 

最後に僕が好きな西村賢太作品ですが、読んだのがだいぶ前なのでうろ覚えなんですが、基本僕はすぐ読める短編集が好きで無銭横町とかどうで死ぬ身の一踊りが好きですね。一番好きなのって言われると正直選ぶのが難しいです。実際は一回読んだっきりなので「一番好きなの」って言われるほどそこまで鮮明に内容を覚えているわけではないというのがあります(笑)本を手に取って読んだら思い出してくると思いますけどね。