行方不明の象を探して。その162。

今まで見れなかったのになんで。とりあえずダウンロードして保存した。この時、異常に眠くなり、幻覚を見た。頭がおかしくなりそうだ。また眠くなった。さっきまで寝ていたのに。なぜか郵便物が大量に届く。見るのも嫌になる。眠いんです。でも寝たらまた自分を見てしまうかもしれない。

 

書くことはこの世の避難所に属することです。日常の凡庸な空間に身を置くことを最大の苦痛だと感じているあなたにとっては書くことは楽園を意味します。ありふれた世界に入り込めるものは象を必要としないでしょう。

 

止まらずに書くことだけがあなたの仕事です。象があなたを攻撃することなく無関心なままでいてくれるおかげであなたは生きられるのです。最後までやり通せば自分自身を発見することができるという保証があります。つまり書くことはオントロジーなのです。その救いを求めてジャンプします。人が書ける世界から離れる勇気が必要です。

 

しかしそれによって測定可能な距離を越えて隙間に入り込んでしまいます。高みに行くのではなく隙間に入るのです。象の近くでもなく遠くでもなく象の中でもなく、ではここはどこなのでしょうか?あなたのいる世界が象の世界のように開かれていないので、どこなのだろう?という疑問が生じるだけです。

 

言語的には問題があっても概念的には問題ないのです。しかし象とのコネクトをし続けられるような透明性の中に安住してはいけません。常にコネクトする意識を持ってその透明性を保たないといけません。ある時、一切、象と関係できなくなる場合があります。

 

外に出れば新鮮な空気が吸えるはずだ。もちろん家の中にも空気は漂っている。ところで文学とは霊的交通である。霊的交通は誠実さを要求する。したがってこの厳密な道徳は当然、悪の認識による共犯関係から出発してあたえられるものであり、またこの共犯関係こそ強烈な霊的交通を基礎づけるものなのである。

 

だからといって書かないというのはただの時間の無駄である。書くことで透明性が得られるわけではないのだが、雑事に捕らわれないことが重要だ。常に意識を先鋭化させる必要がある。その先端ならどんな物質でも貫けるような鋭さと強度が必要で、それがあるから象とコネクトできる。もちろん維持は大変だ。神経衰弱のようになったりもする。強制ではないので無理にやる必要はない。やりたい人間だけがやればいい。自分はやりたくてたまらないからやる。

 

文学とは無垢のものではなく元々罪深いもので、ついには自分の正体を暴露せざるを得ないものである。現実の世界では行動ばかりが権利をもっている。我々はこの本の中でゆっくりと時間をかけて説明したいと思う。

 

「裸、むごいこと……」

 

それから立ち上がるとレインコートをまとい走り出した。そのおかげで今、体が動いているのだと思いながらも右手を見ると生まれて初めて見たような気がした。まさか体まで、と考えそうになったところでやめた。きっと疲れているだけだ。壁や天井を見ても見知らぬ場所だとしか思えない。確かに形は似ている。しかしいつもの見慣れた部屋とは明らかに違っていた。いつからそう感じるようになったのか。いつ裸だと気づいたのか。裸になる前はどう感じていたのか。どこからか時計の針の音が聞こえてきた。

 

途方に暮れたまま中に入るだけの勇気もなく彼女が戸口の前に立っていた。酒池肉林の音がした。自分でも震えているのがわかったが、彼女はそんな震えを楽しんでいた。彼女は思った。

 

「中へ入ればみんな裸のあたしを見るわ」

 

彼女は壁に寄りかかって身を支えた。マントを開くと長い指を自分のオマンコに差し入れた。不安と大いなる苦悩に凍り付いたようになり、耳を澄まし、指についた、よく洗っていないオマンコの匂いを嗅いだ。辺りは静かになった。若い女の声が物悲し気な場末の小唄を歌っていた。

 

彼女はオマンコの匂いを嗅ぐぐらい、何もすることがないのにそろそろうんざりしてきたところだった。そこで、彼女は、こんなふうに思案していたのだ。オマンコにキュウリを突っ込んだものをしばらく入れておいた後、ぬか漬けにつけて出来上がったキュウリはどんな味がするのかしら?とかね。頭はボーッとしていた。

 

オマンコという穴があれば、すぐさま彼女もその穴に飛びこみたいと思っていたのに、それどころか、穴から出ることができるのだろうか?なんてことは夢にも考えなかった。オマンコの中は暗くて何も見えない。次に、アナルの周囲を見ると、戸棚や本棚がいっぱいに並んでいる。バリバリに落ちていっていると彼女は思っていたのに、バリバリというのはおかしいので、どんどんと、とかずんずん、と落ちて行った、というほうが正しいみたい。

 

彼女は長い低い広間にいて、その広間は、天井からさがった一列のランプにくまなく照らされていた。広間はぐるっと扉になっていて、全てがオマンコの形をしていたのだが、どの扉も錠がかけてあって、貞操帯を連想させるような、スチームパンク的ゴシックとでも言ったらいいのかしら?

 

彼女は広間の片側をずうっと歩いて行き、また向かい側を引き返しながら、どの扉にも当たってみたのだが、真ん中まで歩いてくると、どうしたらまたオマンコから出られるかしら、と考えすぎて頭が割れそうになっていた。彼女は広間の若者の横に座ると足を相手の脚にぴったりとくっつけ、その手を取ると自分の股の間に入れさせた。若者はオマンコに触れると叫んだ。

 

「おまえ、なにしに来たんだ、ウンコしに来たんじゃないのか?ええ?もし出なかったらどうするんだ?」

 

万里江は悲しげに言った。

 

「なに、このざまよ」

 

雨に濡れた黒髪はいくつかの塊となって顔にへばりついていた。彼女はその美しい顔を振り立ち上がるとマントを脱いだ。結局、ウンコが出ました。それが物凄い量で下で食べてた山下さんが

 

「ちょっと待って、いっぺんには食えん」

 

といって立ち上がっちゃうところがおかしいですね。でも口の中がウンコでいっぱいだから何喋ってるのかよく分からないんですけど。

 

万里江はしかし、ただ一言呟くように

 

「……夜明け……」

 

とだけ言った。そして頭をがくっとさせてしまった。具合が悪いのだ。具合が。おかみが訊ねた。

 

「まだウンコする気かい?」

 

誰一人答えられなかった。万里江は自分のグラスを持ち上げて、その中に小便をした。

 

「お飲み」

 

中年の男は万里江の小便を飲み干した。

 

「でもいい子ですよ、この娘は。おしっこが甘い」

 

と中年の男は言った。

 

「もう向こうへお行き。さもないとおしっこをひっかけてやるから」

 

と万里江は言った。彼女はテーブルの上に乗るとうずくまった。

 

「そりゃ願ってもない幸せだよ」

 

と中年の男は答えた。首は全く動きが効かずにし阿部るときにも顎が動くだけだった。万里江は再度、おしっこをした。

 

若者は顔いっぱいに尿を受けている中年の男のいきり立ったペニスを手で強力にしごいてやった。中年の男は顔を赤くし尿だらけになった。若者は女がやるように中年の男のペニスをしごき続けた。

 

「うぉぉぉぉぉ!!!あぁぁぁぁ!!!」

 

凄まじい雄たけびをあげながら中年の男は溜まりに溜まった精液を吐き出した。凄まじい量の精液があたりに飛び散った。中年の男は全身をびくびくと震わせながら、あえいでいた。万里江はおしっこを続けていた。テーブルの上の瓶やグラスの真ん中で彼女は両手で尿を自分にふりかけていた。彼女は両股を尻をそして顔を尿でびしょびしょにした。

 

「見てよ、あたし、美しいでしょう」

 

と彼女は言った。しゃがみこみ自分のおまんこをちょうど中年の男の頭の位置において、彼女はその両唇を恐ろしいほど開けて見せたのだった。万里江のうんこまみれの中年男二人がおぞましい勢いでファックし始めた。体中に万里江のうんこを塗りたくって中年男のペニスをしゃぶりまくっている。

 

「ファックしてくれファック!」

 

「ゲロしてくれ。顔にゲロをしてくれ」

 

男はペニスに吸い付くのをやめて、自分のペニスをしごきながら相手の男のゲロを顔で受け止めた。

 

「もっとゲロしろゲロ。ゲロだゲロ」

 

男は喉に手を突っ込んでゲロをした。大量の胃液とゲロが男の口から放出された。それを相手の男は口で受け止めた。その受け止めたゲロを咀嚼してから飲み込み、喉に手を突っ込み相手の男にゲロを浴びせかけた。ゲロをしていた男はゲロを受け止めた男のゲロを受け止めてさらにまたゲロをした。ゲロゲロゲロのループ。

 

万里江のうんこもビチビチにその辺にぶちまけてあるのに、おっさん同士のゲロとはどういうことか。とにかくもうあれだ、床はそこいらじゅうめちゃくちゃだった。精液、体液、胃液、尿、うんこ、ヨダレ、マン汁、ビール、とにかくドロドロ。万里江はゲロ中年ではない男のペニスをまたフェラしていた。そして万里江はそのペニスを噛みちぎった。中年男は大声を上げて呻いた。しかし誰も気にしていなかった。

 

あえて気になるところと言えば万年ヌルヌル床に血が加わったということだろうか。デンタタは顔がオマンコでありながらも攻撃はしなかった。万里江は顔がオマンコじゃないのに口で男のペニスを噛みちぎった。どういうこっちゃ。意味分からん。

 

血まみれになった万里江は別の男のペニスをしゃぶろうとしたが、男たちはおっさんのようにまたペニスを噛みちぎられるのではないかと恐れた。しかし一人の勇敢な男が屹立した一物を万里江の口マンコに突っ込んだ。万里江はペニスを噛みちぎらなかった。それどころか気が狂ったのではないかというぐらいの勢いの、元々狂ってはいるにしても、相当なフェラをした。そのおかげで勇敢な男はもがきながら遂に背中が折れるばかりに身体を弓なりにして息も絶え絶えにわめきヨダレを流し、万里江は笑みを浮かべながらその死の痙攣に答えた。