シュトラウスとコジェーヴの往復書簡。

mimisemi2009-03-19

とりあえずTyrannyの本文とコジェーヴの反論だけは読んだ。シュトラウスの本文に関しては大雑把に昨日書いた通りだけど、コジェーヴの反論に関してはっつーか俺はまだまだ英語の読みが完璧じゃない上にシュトラウスだのコジェーヴだのという最上レベルの哲学者の文を読んでいるわけで、まぁ最初からウォール伝でやるつもりはないんだけど、まず書評なんて出来ないね。やってもネットに溢れている読みが適当な書評ぐらいしか出来ないと思う。俺としてはあれほどみっともないものは無いと思うし、そういう意味ではしつこいようだけど仲正昌樹が言う、ドクサレベルのことをネットに書きなぐるなんて品の悪い事だっつーのは大いに賛成できる。ただ便所の落書きレベルということを自明の上で書く文なら、それは発信者の自由じゃないかってことで、これに関しては仲正の意見には全く賛成できないね。仲正はああみえてかなりの知的エリートなんだよね。それこそ一般的に知的エリートだと思われている論壇で活躍しているような知識人とかトークショーに出て笑いと現代思想をごっちゃまぜにしながら語り合っている知識人なんかよりよっぽど正統な知的エリートなんだよね。だからこそリベラルアーツ教育の重要性をマジで語ったり、便所の落書きはするな!なんてマジで思っちゃうんだよね。


これはまぁある意味で頭が良い人の難点かもしれないね。パンピーの頭が理解できないっていう。いや、でも仲正昌樹は日本の知識人にしては珍しいぐらい正統な人だよね。信頼性が高いし知的欺瞞を嫌うような人でなおかつアイロニストなんで、まぁ俺の一番好みのタイプの知識人なんだけど、彼も恐らく童貞なんだよね。いやーやっぱ童貞って凄いな。そんなことを考えてたら童貞フォーミュラってのを地下鉄を歩いているときに思いついたんで書くねっつーのはね、耳蝉=3.14ってことなのよ。答えはなんでしょう?っていうとさ、チェリーパイってことなのよ。無限の創造性を持った童貞ってことね。そういう意味で個別の11人のマークとも一致するんだよね。あと関係ないんだけどチェリーパイで思い出したんだけど、クリームパイっていうのをまぁアメリカのスラングで中だしのことを言うんだけど、Youpornで人気になっている動画が「ビックリクリームパイ」ってやつでさ、まぁやらせなんだろうけど、中だしものでね、で、中だしされた後に女が「えっ?あれれ?」みたいなリアクションをするんだよね。そのサプライズ人事が男のリビドーを駆り立てるんだろうね。アクセス率がすげー。あと前にもやらせじゃないマジの中だしハプニングみたいなやつで、たったの10秒ぐらいなんだけど、すんげーザーメンがでまくっててさ、マンコからダラーっと半端じゃないぐらい垂れてくるんだけど「な・・・なんなのよこれ?出過ぎで心配だわ」なんて言ってる動画が何千万だかっつーアクセス数を稼いでたっけな。Youpornのアクセスランキング上位のやつって大抵がセンセーショナルなやつが多いんだよね。カレッジガールの乱交パーティーとかさ、野外乱交とかさ、かなり生々しいようなやつが多いんだよね。冒険してるねぇーっていう。


あ、そんなことじゃないんだ。ずいぶん崇高な話から一気に下ネタになった気がするんだけど、まぁコジェーヴの反論でしたね。まぁはっきりいって読みづらかったんで断片的にしか理解してないし覚えてないんだけど、まぁ割と誰でも気がつきそうなことをコジェーヴは言っててさ、賢人独裁っつったってその賢人が考える真実なんてのも相対的なもんじゃない?だから未来にどうなってるかどうか分からないよね?でも内輪だけで政治やってたらその真理がリアルポリティクスに対してワークしなくなったり、内輪だけにそれが内輪の人間には分からないんじゃない?っていうこととかね、あと哲学と政治は別モンっつーか、例えばリアルポリティクスにおける政治っつーか哲学にしても実務を伴ったものから耕される政治なり真理なり理論じゃないとそりゃーダメでしょうっていうね、ただの哲学者がリアルポリティクスやるっつったって無理でしょうっていうね、哲学者が政治の外から言う真理なり哲学ってのとリアルポリティクスにおける政治哲学ってのは違うかもしれないし、むしろ大半のユーズフルなセオリーなり哲学ってのは政治という実務によって編み出されたり磨かれるもんなんじゃないの?とかね、あとはまぁーあれだ、賢人が政治にコミットするのはいいけど、まぁあくまでそれはアドバイザーレベルでいいんじゃない?っつーのも言ってたね。


どれもこれも言えてるのばっかなんだけどさ、でもコジェーヴシュトラウスってすんげー仲良しでさ、第三部のコジェーブとシュトラウスの報復書簡を読んだんだけど、1932年ぐらいから1965年ぐらいまでの30年以上もの残っている断片的な往復書簡が書き起こされて、んでまぁバロウズギンズバーグの麻薬書簡みたいになってるんだけど、内容がさ、結構笑えるっつーか、お堅い著書やら論文からでは分からないような彼らの人間性っつーか日常が垣間みれて面白いんだよね。コジェーヴ「いやーそれ分かるよ。俺もさぁー5時間図書室で働いて、んでその後、狂ったフレンチ野郎のゴーストライターで2時間費やしてさ、んでクラスも2つ持ってるから大変だよね。メシのためにやんなきゃいけないことが多くて困ったもんだ。日曜ぐらいしか書き物とか出来ないんだよね」みたいなさ、シュトラウス「相変わらず金銭的にきびしーよー!ところで図書館でホッブズの初期のやつを見つけたんで送るね!」とかね、まぁこんなファンシーじゃないけど、まぁ現代風に書くとこうなるかな。で、あまりに可愛いっつーかレベルの高い哲学者の日常が垣間みれるのが面白いんで、俺流の翻訳をウォール伝に載せようかな?って思ったんだけど、俺の英語がまだ甘いからやめにした。遊びでもちゃんと翻訳できてればそれはいいと思うんだけど、英語力が怪しいとダメだよね。別にオーセンティックな翻訳をやるつもりは全くないんだけど、でも遊びにしてもまぁ最低限の翻訳するだけの英語力は必要でしょうってことで、まだ無理だなっつーのと時間的にも全然ダメだなっつーのはあるね。


でもコジェーヴシュトラウスも素敵なんだよね。貧乏しながらもプラトンの読み込みだとかさ、ずーっと哲学やってんのね。それが凄くかっこよくてさ、なんか往復書簡を読んでて彼らの当時の姿がまるで小説のように浮かんだんだよね。で、すんげー憧れたわけ。何十年もずーっと哲学やってるなんて素敵なおっさん達だなぁーってさ、30年もずーっとメールやってるわけだから。ましてやさ、途中なんてあれよ、コジェーヴだと思うんだけど、確かプラトンだかまぁ哲学の細かい議論をし始めてさ、それがまたメールレベルじゃないんだよね。まぁ普段のやり取りもメールレベルじゃないんだけど、まぁやっぱレベルの高い哲学者の往復書簡はレベルが高いんだなって圧倒されたね。こんなやりとりがあったと思うともう胸キュンなんだよね。あまりに素敵過ぎて。あ、んでメールっつってもあれね、Eメールじゃなくて国際メールね。まぁあえて言わなくてもいいか。1950年とかにEメールは無いからね。で、まぁさ、この往復書簡ってのがパリとアメリカのやり取りで送った後、返事が来るのが1ヶ月後とか半年後とかそんな感じなんだよね。


二人ともいつも忙しそうでさ、そう思うとメールって凄いよね。一瞬で送れちゃうし受信できちゃうんだからね。で、歴史上の人物の名前がふつーに出てきたりするのが面白いんだよね。「クリティークは潰れるらしいからサルトルがやってる雑誌に載せてもらうかもしんない」とかさ、「メルロポンティーがやってる雑誌があるんだけど」みたいなのとかさ、「ルカスのあれ読んだ?」とかさ、「ハイデガーの新しいやつ読んだ?」とかさ、リアルタイムなんだよね。まぁ時代が時代だから当たり前なんだけど、それにしてもまぁ当時の雰囲気とかがなんとなくうかがえてすんげー面白いんだよね。「ヘーゲルのイントロダクションのやつ凄い良かったよー!」とかシュトラウスが褒めちぎってたりさ、すげー仲が良いんだよね。結構後期だったと思うんだけど、なんたらヘーゲル学会みたいなのがあるから参加しない?みたいなお誘いがシュトラウスからあって、んでゴジェーヴが考えとくよとか言いつつ、その後、まぁ丁重にお断りしているんだけど、その理由ってのがさ、「哲学的なディスカッションには興味無いんだよね。なにしろキミとクレイン以外からディスカッションによって何かを学べたって試しが無いから」みたいなことを言ってるわけ。凄いフレンドシップっつーか相互的な理解っつーか実力の認め合いだよね。コジェーヴのレベルの高さは想像に容易いんで、ふつーの秀才が集まる哲学学会みたいなのには興味が無かったに違いない。あとあれなんだよ、シュトラウスのOn Tyrannyに関するレビューをコジェーヴに書いてくれない?ってシュトラウスがお願いしているときにさ、「キミは僕の頭を完全に理解している人だから反論が怖いよ」みたいなことを言ってるんだよね。いやー素敵な関係だよね。


まぁそんな感じで意外な収穫っつーか楽しみでしたね。コジェーヴシュトラウスのやりとり。まぁ本に収録されているのはふつーのやりとりが半分ぐらいで、あとは高度な哲学の話とかなんだけど、これぞ哲学学者じゃない哲学者同士のやりとりだなっつー感じがして凄くなんつーか知的に興奮したね。ってことでした。今週はプレゼンがあったりテストがあったりでやることが多いんだけど、でもやっぱ本を読んじゃうんだよね。どうしても読みたくなっちゃう。一応まぁ勉強しとくかな。明日テストだしっつってももう寝る時間なんだけど。

Godel's Proof

Godel's Proof