エントリーを。

クリトリスピーナッツのブリンブリン凄いよね。割と前から知っているユニットが大躍進ってのを見たってのはあんまりないかも。そもそも日本語ラップで世界ヒットって邦楽史上初なのでは?でもあれよね、凄まじいシナジーよね。マッシュルのオープニングのあの振り付けがTiktokの踊ってみたでバズってその後に割とリアルなヒップホップの人たちにも届いてYoutuberとか芸能人にも届いて楽曲分析みたいなをしてる動画が流行って拡散されてさらに楽曲のアクセス数と認知度アップ!っていうね。

 

しかもTHE FIRST TAKEの効果が凄くてR-指定が全部歌ってんの?っていう知らない人からすると驚き!みたいなのがまたあってこの一連の流れが極めて現代的なヒットの仕方でなおかつローカルではなく世界ヒットだってところがすげーっていうかクールジャパンやなって思ったね。

 

松永もDMCで2019年に優勝するぐらいだからスクラッチ半端ないしMステとかに出てた謎の何もやってない形だけの後ろにいるだけのDJじゃなくてマジでライブ録音でスクラッチするっていうのも衝撃を与えたみたいでっていうか「これ録音流しててエアスクラッチじゃね?」って思った人が動画見直して「リアルにやってる!」とか音源の抜き差しとか所謂「MPC的な操作を生でやってる!」とかもあんまり音楽に詳しくない人は分からないけどヒップホップやってる海外のラッパーとかにもリーチしたおかげでそういうところも発見されて「やべーよ!これ」ってのがあって、んで小学生も曲のキャッチーさからみんな歌ってるとか、なかなかこういうのないだろっていうね。

 

R-指定はラッパーなのにサグ感が全くなくてそれがコンプレックスとかって漢さんとの対談とかで言ってたような気がするけど、R-指定と松永のヒップホップなんだけどめっちゃ文化系の大学生みたいな良い意味での平凡さが凄く良い方向に転がったよね。サグ感があったらポップにならんだろうし全身に入れ墨入っている人のラップを小学生が歌うってことはないし仮にあっても教育委員会から「歌うの禁止!」とかってなるだろうし、何もかもが良い方向に行った結果、ミラクルが起こったって感じがするんだよねっつってもすんげーR-指定と松永の積み重ねの結果ではあるんだけど。

 

でもまぁいろんなシナジーがなければあそこまでヒットしなかっただろうってのを考えると無料音楽がデフォルトで音楽じゃ食えない!っていうセオリーをひっくり返したっつーとあれだけど、逆にネット世界じゃないとああいうヒットの仕方はしなかったという良い例よね。滅多にあることではないと思うけど。

 

いやーマジでブリンブリンだろう。相当税金で持っていかれそうだけど何億入るんだろうなー。すげーヒップホップドリームだな。ネットだけのヒットか?っていうとラップとDJとトラックメイキングっつーすげー身体的なものだからTHE FIRST TAKEがあんだけのアクセス数になるわけだしライブで観たい!って人もガンガン増えるだろう。まぁ元々人気あったんだろうけどさらに!って感じだよね。

 

俺的にアツいのがAI音楽やべー!とかって言われてる世の中で超絶的にフィジカルでこれぞ人間!っていうものでヒットしたってのとその経緯がシナジーもあるけどR-指定と松永の長年の努力の結晶!っていうね、仕掛けるのが巧みな代理店とかプロデューサーがなんかやったとかじゃないところがアツいよね。曲もキャッチーで最高だけど背後のストーリーとその背後のストーリーから曲の二番目に繋がるリリックとかにアツさを感じる俺としてはやっぱり音楽ってストーリーあるよねって思うんだよね。そういうの抜きで聴くべきだ!って意見もあるけどストーリーがあるから余計に楽しい!っていうものもあるわけよね。

 

アシッドだってそうですよ。ストーリーが好きってのはあるよね。全くベースの代替にならなかったゴミシンセのTB-303が60ドルだかで売られててそれを買ったピエールがマニュアルもついてなかったから使い方分からないんだけどたまたまつまみが全部フルテンでデフォでやばい音が出るようになってて「これやべーぞ」ってなって曲作ったっつーさ、まぁ俺って音楽としてはパンク聴かないけどパンク精神が好きなんだよね。拾ったギターで勢いだけで録音しちゃった!とかギターウルフ的なギターだけもってシールドアンプに突き刺して一発録り!とかね、まぁシカゴハウスとかが好きなのもそれなんだよね。

 

なんつーか坂本龍一みたいな超エリート音楽家とは対極的な存在じゃん?悪い言い方すると持たざる者っていうかさ、音楽好きの不良みたいなのが安い機材でかっこよさを追求したら唯一無二のものになった!とかね、まぁ逆にそういう不良音楽ってエリートには作れないしマネしてもああいうサグっぽいグルーヴ感は出ないわけよね。まぁそれで言うとヒップホップにも通じるんだけどっていうかシカゴハウスとかって凄くヒップホップ的だよね。ゲットー出身で成り上がる!みたいなね、ただ日本の中流がマネしてもゲットー育ちじゃねーだろ!っていう突っ込みが入るわけでさ、でもまぁ憧れる人は憧れるんだよね。

 

あとあれ、全然話トブけどユニオンで掘ってたら新蒸気波要点ガイドってのを見つけてさ、存在は知ってたけどヴェイパーウェイヴ自体結構聞いてたし俺も作ってたからいいやーとかって思ってたんだけど中身見たら面白そうだから買ったんだよね。んで特にヴェイパーウェイヴ論とかを昔の俺みたいに長々とかますつもりはないんだけど、オリジンとしてCurd Ducaに全く触れられてなかったから言及したいなって思ったんですね。

 

curdduca.bandcamp.com

 

当時は一部の実験音楽マニアにしか知られてなかったと思うんだけど、Curd Ducaって本名なのか知らんけどコカ・コーラみたいになってるじゃん?ジャケが。ヴェイパーウェイヴでよく言われる消費社会がどうのとかっていうああいうコンセプトをヴェイパーウェイヴが出る数十年前にやってた人だよね。俺の得意分野であるプランダーフォニックスというよりかはヴェイパーウェイヴってCurd Duca的な発想なんだよね。エディットとかチョップド&スクリュードというよりかはCurd DucaのEasy Listeningシリーズみたいに90年代のPCの内臓音源で鳴らしたようなエレベーター音楽にまたPCについてきてる備え付けのドラムキットで4つ打ちにするだとかね、今ってMIDIって強力なツールなんですよね。

 

強力なSerumとかAvengerみたいなシンセで鳴らせば一瞬でEDM完成!みたいな感じだけど90年代は機材が無いとMIDI対応してるDTM始めましょう!みたいなDTMスターターキットみたいなのについてくるMIDI音源で鳴らすしかなかったからまぁすんげー安っぽさの代名詞みたいな感じだったんだけどそれを逆手にとってcheesyな感じをやるっていうね、スイッチドオンワーグナーとかもあ、Curd Ducaのアルバムだけど、ウェンディーカルロスのバッハのやつのワーグナーバージョンです!って感じなんだけど、ワーグナーの曲をPCの内臓音源のベース音源で鳴らしました!とかGhostっていうSFXのカテゴリのMIDI音色で鳴らしました!ってのがそのまま入っているっていうヴェイパーぶりでヴェイパーウェイヴ以上にヴェイパーウェイヴなんだよね。

 

ただヴェイパーウェイヴの本を読んでも思ったんだけどコンセプト自体は後付けか評論家みたいな人たちが評論で後付けしたりだとかして、ただまぁ作者たちは若い世代が多いから実は昔にもそういうのはあったってのは知らなかったりして、だからこそまぁ良かったんだけどPeople like usとかStockhausen&Walkmanとかを死ぬほど聞いてた俺としてはあんまり新鮮味は感じなかったんだよね。ショッピングモールの音楽をアンビエント化とかってのもまぁヴェイパーウェイヴ自体が元祖からするともう13年ぐらい経ってるからアレなんだけど、Postal2ってゲームあるじゃん?あれでゲームの残虐性とのギャップでミッションを確認するときにショッピングモールとか通販番組で流れてそうなボサノバ風のミューザック的なものが流れるとかCheesyっつー表現って実はいたるところであったんだよね。

 

ただまぁヴェイパーウェイヴの盛り上がりでそういうのが加速化してみんなやるようになったのとまぁ誰でもできるからね(笑)もちろんセンスは必要なんだけどセンスだけあればできちゃうからね。ただ改めて本を読んでいろんなヴェイパーウェイブをガイドを頼りに聴いてみるとやっぱり優れたアルバムはちゃんと音楽的センスがある人が作ってるなってのがすげーあるよね。ただ日本のシティポップをスローにしてリバーブかけりゃいいってもんじゃなくて切り抜いてくるところとかリバーブの質感とかにすげーセンスが出るわけで、やっぱそういう音響的なテクスチャのセンスとかコンセプトとかって意味であれは玄人芸ですねって思ったね。方法的には誰でもできるけど実は誰にでもよいのは作れないってのは全然音楽と同じだなっていうか音楽だってAIがもっと凄くなったらそれこそ方法的には誰でもできるって時代になるでしょう。

 

でもまぁ肝心なのは内容だからね。これを「スローにしてリバーブかけたか!このセンスよ!」ってところはAIじゃ代替できないからね。今のところは。まぁそういう音源選びとエディットってDJ的でもあるしそういうのはトラディショナルな意味では作曲とはされないけど作曲の定義がテクノロジーの発達で変わって来てるからエディットもスクリュードもマッシュアップも作曲なんだよね、ってのは俺が昔から言っていることでありますって今更言ってみる。やっと時代が俺に追いついてきたな(笑)

 

ヴェイパーウェイヴ的なものって実は探せばオーパーツは色々あって例えば沖縄のイメージアルバムっつって全部MIDIのベタ打ちで沖縄風の音階の曲だけが入ってるアルバムとかね、まぁブックオフとかリサイクルショップの100円コーナーにあるCDが売れてた時代に無駄に作られてたジブリのテーマのオルゴールバージョンとか(笑)ああいうのも言っちゃえばヴェイパーウェイヴだよね。まぁヴェイパーウェイヴはそういうのを全面的にコンテキスト化したってのがでかいんだけど、それで言うとテムリッツの難解なIntersticesっつーアルバムとかも今聞けば分かるって人は多いと思う気がする。

 

comatonse.com

 

あとはEvolとかかな。Megoからのリリースもある連中なんだけど「Rave Synthesis Approximations Of György Ligeti's Continuum」ってのがあってって他にもいっぱいあるんだけどレイヴのフーバーの音でリゲティのContinuum鳴らしてみましたっていうそれだけのやつなんだけど(笑)ヴェイパーウェイヴ的というよりかはそれをじっけ音楽作品として出してしまうっていう言わばジャンクみたいなものとか既製品に極めて近いものを「音楽作品」と作者が自ら言うことで音楽作品にしちゃうっていうまぁある種のモダンアート的うさん臭さとかを逆手に取ってる感じとかね、ヴェイパーウェイヴもEvolもそういうつもりはないんだけどモダンアート的な腐ったものに対する凄いクリティークになってるのがいいんだよね。

 

ただモダンアートと圧倒的に違うのは実があるってところだね。まぁこれは好みの問題だけどヴェイパーウェイヴはまぁスクリュード自体がDJ Screwが愛飲してたコデインシロップとアルコールのカクテルで酩酊して聴くとラリってくるっていうかスピードダウンが凄くサイケに聞こえてくるっていう酩酊とかドラッグと切り離せないってのはあるにしてもヴェイパーウェイヴはそこのドラッグ的部分が80年代とか90年代のノスタルジーとかZ世代にしたら生まれてない時代への憧憬みたいなもんで俺らの世代で言うところのウォーホールのファクトリーとかNo Waveとか東映のヤクザ映画とかの時代への生まれていなかった時代への憧憬みたいなもんで、そこがまぁ代替になってるんだよね。知らないのに勝手に想像してラリるっていうドラッグなしでラリる感じね。

 

ヴェイパーウェイヴは酩酊あってのものだから「シティポップを遅くしただけでしょ」って解釈は大間違いで勝手に作られたノスタルジーの世界で酩酊するっていうドラッグ音楽なんだよね。そういう意味でサイバーパンク的で実際にレトロなサイバーパンク的なモチーフのものもあるし、ドラッグカルチャーがあるところだと45回転のレコードを33回転にしたら「うわ、なんかめっちゃイルやな!」って感覚が出てくるんだよね。トビながら聞いたらラリるかもな!っていう発想がある。そこをまぁネタ元として参照されまくっている日本にはドラッグカルチャーが無いという面白さもあるよね(笑)

 

でもあれだ、AIでシティポップとか昔のスーパーで流れてたような音楽を無限に生成できるようになったら版権とかの問題なしでヴェイパーウェイヴ作りまくれるよね。ネタ元が尽きないっつーかね、まぁその前に作るのに飽きそうだけど(笑)まぁヴェイパーウェイヴ自体を生成もできるけど遅くしてリバーブかけるって作業はやりたい!って場合、ネタを無限生成できるってのがね、まぁ意味合い変わりそうだけど。ヴェイパーウェイヴって元ネタがあるから面白いってのもあると思うんだけどネタ元がAI生成のミューザックかって思うとなんか冷めそうだよね(笑)

 

というより著作権とかもういいんじゃないか?って思うのね。まぁ俺は基本、元々が極左だからなんでもかんでも極端にレフトになりがちなんだけどサンプリングとか解禁でいいんじゃないですかね?って思うんだよね。みんなビビってやれないわけだしヴェイパーウェイヴもあれでしょ?極めて規制が緩いBandcampでもやっぱり申し立てがあると削除されたりしてるわけで、かといってまぁAIの台頭があるわけなんだからだったら二次利用自由!ってやったほうがね、結局、AIに生成させたほうが訴えられるリスクが低くて良いっつってそれ使うって動機の人も多いだろうから発売されたすべての音源は音素材として使ってオッケーです!ってことになったらまた違う二次創作文化ができそうな気がするんだよね。大ネタガンガン使いまくってるハウスとか今でもあるけどそれをホワイト版とかプロモオンリーっていうテイで出すアナログと違って正規のアルバムとして出せたほうが音楽業界として良いと思うんだけどね。AIに持っていかれるよりよっぽどいいと思うんだよな。

 

「これ4つ打ちにしたらかっこいいだろうなー」って発想が無限に出てくる人とかもいるわけで、そういうエディットに長けてる人っているわけじゃん?まぁね、サンクラとかでエディットとかはガンガンアップされてるし昔ほどすぐスニッチで削除!とかはなくなっている気はするけどなんかサンクラっつーより堂々と正規のアーティストのアルバムとして発売できたほうがいいと思うんだよな。

 

レコード掘ってるとたまにフィルターハウスとかも入ってたりするんだけどいつも思うのが別に一秒だろうが20秒だろうが著作権侵害は侵害なんだけどそのまま流すとあれだからフィルターかけてぼやかしたってところもあるんだろうなって当時から思ってたんだよね。でも中には曲まるごと使ったほうがかっこいい場合もあるわけでさ、まぁそれってヴェイパーウェイヴ的だよね。作曲っつーより曲まるごと使っちゃうっつーかさ、で、ただビートだけ乗っけるっていうそのビートのチョイスにかかってるっつーかさ、ベン・シムズのKillaプロダクションのEditシリーズとかめちゃめちゃかっこいいじゃん?あれでいいんだよなーって思っちゃうんだよね。かっこいいトラックに最強のビート乗っければかっこいいに決まってるんだからそれでいいわけだしなんで1から作らなきゃいけないの?っていつも思うんだよね。

 

1から作ったほうがかっこいいのが作れるって人はいいけどかっこいいのが確定しまくっている曲に恐ろしくかっこいいビート乗っけたほうがかっこいいのが確定しまくってるって場合のほうが多いと思うんだよね。音楽は作曲から再生産・リサイクルの時代に!とかって90年代からポストモダンの思想とかを出しながら語られてた感じがあるけど相変わらず訴訟だの盗作扱いされるだのっていう音楽の進化と人の認識が合ってないっていう不調和があるからそのあたりを抜本的に変えないとダメだよね。

 

あとまぁ著作権っつって囲い込みをして利権で飯を食うってのは音楽自体の発展の妨げをすることで飯を食ってるようなもんだってことだよね。規制することで金が入るからそれで飯を食うみたいな。でも一旦、全部の音源の使用がフリーですただまぁクレジットだけはいれてくださいってなったら何ができるか?って考えてみてほしいんだよね。まず作る人増えるよね。AIで作れるようになるからもうダメだって思う人とんでも音源なんでも使っていいならエディット無限に作れるから金がどうっつーより楽しみとしてやるっていう人増えるよね。それこそシティポップ総当たりで何千曲選んで全部4つ打ちにしてみるとかね。

 

なんか結局金なんでしょ?金が欲しいから権利とかって話になるんだよね?でもさ、オープンソースにしたほうが絶対いいよ。明らかに面白いの増えるもん。まぁただあれか、楽曲制作の参入障壁がAIによって下がるからあんまり関係ないのかな。まぁAIは学習させてるソースに金払ってないっつーのでごちゃごちゃ言う人が増えてるみたいだけどね。あとこれは世代関係なくやたら著作権とかを重視する人とフリーでいいじゃん!って言う人ね。もうこれは思想の違いだからしょうがないね。まぁただ話は音楽の話に限定したいかな。絵とかデザインの世界の話は外野過ぎて分からないから。ただ音楽に関してはオープンソースでいいと言い切れるかな。実際にヴェイパーウェイヴの本を読んで知らないのを結構色々と聞いてみて改めて思ったんだよね。グレーだけど音源の二次利用するだけでこんなに名作が生まれるのか!と思うとエモいんですよね。人間の創造性に感動するところがある。

 

オープンソースとAIのダブルになったらおもしろそうだよね。音源ぶち込んで安室ちゃんのトラックをグライムにして安室ちゃんにグライムスタイルのラップさせてくださいっつったらAIが生成しちゃうみたいなね、まぁもう可能なんだろうけどネックなのがやっぱ著作権じゃないですか?明らかに面白いのにね。安室ちゃんは引退してるしグライムやらないし(笑)

 

でも文化財として凄い人材なんだからコモンズとして使ったほうがいいって発想にはならんのかな?90年代の浜崎あゆみの歌唱スタイルとボイスで2010年ぐらいのEDMが流行りまくってた頃の曲調にしてくださいとかね、面白いよね。あんま上手く行かなかったり思ったようにならなくても音楽の知識って理論じゃなくて歌手とかジャンルの知識があるだけで色々なバリエーションが作れるっていうね、まぁだったら浜崎あゆみとか安室ちゃんに金が落ちるようにすればいいんじゃね?って話だけどこの辺がまぁあれなんだろうな、ギャラが高そうな歌手であればあるほど採算合わなくなるよな。AI生成してトラック作った作り手だって金欲しいわけだし(笑)っつーかまぁ金は誰でも欲しいね。労働からの解放とか将来の不安とかまぁ大体金で解決できるからね。DJファンクの名言は最高なんだよね。

 

「オペラとかをやるやつもいるけど俺はハウスをやるんだよね。金になるから」

 

んであれだ、AIの生成って全く面白みがないけど本格的に曲を作ってる人たちもAIを使い始めるのはDAWにビルドインされるようになったらだと思うんだよね。例えばDJファンクのレコードを録音してビートがかっこいいからDAWに貼りつけてDAWにビルドインされたAIにビートだけ抜き出してオーディオバージョンとMIDIバージョンを生成してっつったら生成してくれてさ、んでパッドが欲しいから抜き出したビートからまたプロンプトで90年代のジャングルのアートコアみたいな音色の白玉のパッドをループさせて。んでこれもMIDIとオーディオバージョンでみたいな、DAWで作る際に打ち込みとかサンプル素材を選んだりピアノロールでちまちまやってたことをAIがやってくれるようになったらまぁ作ってる感あるしそもそもまぁこれは昔から言ってることだけどやってることってこれだからね。

 

既存のモノの切り貼りなんだよね。聞いてきた音楽のボキャブラリーとか音色を思い出してこの辺はUR初期の荒いハードコアっぽいシンセが欲しいなってもうすでに思った時点である意味、URの初期を概念的にサンプリングしてるようなもんだし、そういうのの組み合わせで曲ってできるわけで、前にも書いたけど全く音楽って概念が無い世界から音楽が生まれることはないわけですよ。言語と同じですね。

 

ただまぁ作り手は勘違いして「俺が作った」とかって思ってるかもしれないけど結局はサンプリングとか盗用なんですよね。似すぎると盗用になるから盗用ではなく影響に留めておくとかね、ただまぁ初期レイヴとかなんてサンプリングしまくりだけどね。89年とかでサンプリング大変だったのにも関わらずレイヴ文化ってなんでもありな感じだからサンプリングが派手なんだよね。初期レイヴ音源は面白いよね。あとベルギーのニュービートとかもクラフトワークとかアートオブノイズとかサンプリングしまくってるし。

 

まぁそんな感じでDAWビルドインAIで決定でしょう。さっきの続きだけどDJファンクのレコードを録音してDAWに読み込ませてビートだけ抜き出してその上にアートコア系の白玉パッドを入れました。んで次どうする?って時にこっからシンセリフとかを入れたバージョンを作ってくださいとかって指示したらDJファンクのビート+白玉パッドの未完成の曲をDAWのAIが解析してサジェストをいくつか出してくるっていうね、まぁ頼りっきりで上手くいくこともあればデトロイトテクノ風のリフを入れてくださいってがっつり指示してもいいし、まぁそこはあれよね、白紙から何かやるのかもう頭の中にあってそれを形にするのかどうかって話で、その作業が効率化されるんだったらAI大歓迎よね。打ち込みがダル過ぎてしょうがなくてやりたくない俺としてはAI最高よ(笑)ただプロンプトだけで全部作るってのは全然面白くないから全く興味ない。

 

やっぱDAW内蔵のAIで作る曲ってのが楽しいよね。任意でSerumのこの音色を使ってくださいとかってのもできたりだとかまぁあとプラグインであるけどね。音声ファイル読ませてそっからAIが音色作るっつープラグイン。使ってみたけどいまいちだったからあんま使ってないけどああいうのも精度の問題だからね。時間の問題っつーか。

 

あとまぁあれよね、多分、AIが生成するものって凡庸だけどMIDIで出してくれれば元々DAWで作ってた人からすれば素材が空から降ってくるようなもんでそれを過激化したり歪ませたりっていくらでもできるから自由度が高いよね。AIが作ってるっていうよりAIアシスト感があるから作ってる感が失われないし。

 

そもそもDJファンクの特定のトラックのビートがかっこいいからこのビートをベースになんか作りたいって思った時点で俺的にはもうそれは作曲だからね。そこがレコードを聴いてこのビート使おう!と思うサンプリング感覚とDJファンク風のビートを使ったテクノを作ってくださいってAIに丸投げするような作り方との大きな違いだよね。まぁただ結局、最終的にアウトプットがかっこよければプロセスなんてどうでもいいから、だからまぁ俺はオープンソースのほうがかっこいい曲ができる確率が跳ね上がるだろうって思うからオープンソースのほうがいいって思うんだけどね。別にそれが他人のトラックをベースに作ったものだろうがネタ丸ごと作ったものだろうがエディットしたりビートを変えたりした時点でそれがミュージックコンクレート的な異化作用と同じだからね。

 

元々ピエールシェフェールの発想の根底にあったのが影響を受けていたシュールレアリズムとかなわけで、電車が通っているのに唐突に円状の缶みたいなものがテーブルで転げまわる音が鳴るとかブニュエルっぽいっつーかまぁシュールレアリズム的よね。現実音をエディットすることで異化作用を及ぼして音というよりかは人の認識にアクセスするっていう感じだよね。

 

つまりは発想としては電車の音だったらみんなが知っている電車の音じゃなきゃいけないわけね。100年後の電車らしき移動手段のものの音って今はだれも知らないから(笑)その時代の電車の音が鳴っているっていうことでそこで音が現前するんだよね。それは音を聞いて「電車の音だ」っていう風にトリガーさせることが大事なんだよね。なのにも関わらず山奥で鳴いている山奥特有のリバーブがかかった鳥の声が同時にしている、なんかおかしいぞっていうのがまぁ認識にアクセスして異化作用を主観的に起こさせるっていう手法なわけじゃん?

 

音楽のエディットもそうなんだよね。元はシティポップなのにごっつい現代的な音圧がエグいキックが入ってる!とかこれも異化作用だよね。ただまぁこれは現実音と違って音楽そのものだからシティポップが元々持ってたキッチュなグルーヴ感がモダンなリズムの音色によって異化されてかっこよくなった!とかまぁフィルターハウスとかと同じ原理だけど、でも人によっては元ネタ知ってる人だと「えーあの曲がこんなフィルターハウスに!」ってのがあるわけじゃん?知ってても知らなくてもかっこいいっていう。ただまぁ依然としてミュージックコンクレート的な異化作用ってのはなされているっていうね。

 

まぁでもこれって面白いよね。話長くなるからそろそろやめるけどハウスのビートを聞いて「ハウスのビートだな」という認識を引き起こしているのかビートそのもののヴァイブスを感じているのか?ってところだよね。よく言うじゃん?日常風景って記憶したものを引っ張り出してるだけで実際に目の前にあるものを見て一個一個認識してるわけじゃないっていうね、まぁ脳の経済化ですよね。そんな一個一個新しく認識してたんじゃ脳のカロリー消費やばいからコストを下げるために記憶を使ってるってことだよね。でもそれは音楽もそうなんだよねっていうか概念全般そうだよね。「知っている」ということはすでにそれは引き出されるものになっているわけで、実際にそれを聞いてたり見ているか?っていうとそれは分からないわけで。

 

そういうところのマジックの面白さとかイルさがヴェイパーウェイブとかエディット系とかマッシュアップの真骨頂だと思うんだよね。「うわ、なんか違う!」ってところに人は感動しているわけで、そういう異化作用を起こさせる蓋然性みたいなのを高めるのってやっぱ音素材が腐るほどあるっていうリソースに尽きると思うんだよね。オリジネーターなんて数えられるぐらいしかいないじゃん?発展させるのは模倣者だからね。エディットとか模倣とか盗用とかって悪質なものは当然除外してクリエイティヴなものにおいてはもうそれは人間的創造力の賜物でしかないわけよ。でも「これやりたいけど著作権がアレだから無理」っていう認識が入った時点ですでにブロックがかかっちゃうんだよね。例えばJASRAC管轄の音源には手を出さないとか(笑)ディズニー系はやくざの取り立て並にエグくエージェントスミスが来るから使わないほうがいいとか(笑)やくざって怖いから(笑)身を守ることを優先してそこでクリエイティヴィティを選択する人は限られてるよね。

 

あとあれだ、創造性といえば一昔前だけどティーダのちんぽ気持ちよすぎだろうってのがネットミーム文化みたいな感じでバズったけど最終的にスクエアからの申し立てで削除されたけどあれに異を唱えなきゃいけないんだよね。そもそもワッカがインターネットミーム化してる時点でスクエアにとっては得しかないわけで、んで作り手も見る側も面白いコンテンツを見る権利ってのがあるわけでそれを著作権だ版権だっつーことで削除するってのは文化的に如何なものか?ってところなんだよね。

 

それが日本の伝統工芸だったらリスペクトされるのにMAD動画だから低俗なものとして削除されるみたいな差別もあると思うんだよね。ハイコンテキストじゃなくて昔のニコ動みたいなアングラサブカルチャーだから下層民みたいな扱いをして削除してオッケーみたいな差別あるじゃん?でも人間の創造性が介在しているものはそれがアングラサブカルチャーであれ人間国宝が作ったものであれ差別しちゃいけないんだよね。そこは同等にリスペクトをしなきゃいけない。あとまぁ創造性ってスピっぽくなるけどギフト的なものもあるじゃん?人間だけじゃないなんかが降りてきてるっていう神聖なものであるわけでなおさらそれが神的なものだったら人間が差別しちゃいけないよね。まぁそれはカルチャー全般そうだわ。高尚な文化だからオッケーでこれはサブカルだからくだらねぇーから削除!とか人権とか創造の権利無視!とか絶対ダメなんだよね。そういうのって人は自然に選別してるけど創造性に貴賤はないからね。

 

まぁそんな感じで長くなったんでこの辺で。

 

んじゃまた。あとあれだ、ずーっとアシッド作っててまた作ったやつサブミットしたんでアップされたらまた告知するんでよろしく。