行方不明の象を探して。その252。

汚い話だけど下痢便の時の「ブリブリ」って音がアシッドっぽかったりすることもある。それは糞の話だから汚いからダメとかっていう差別がある時点でアシッド的におかしい。多様性の時代でしょう?ファッションアシッドとかはやめてくれ。サブカルとは違うんだ。ロスサンプラーズの303バージョンみたいにアイドルが303を演奏するユニットとかやるやついたらマジでピー。

 

昔はピーなしで書いてたからはてなアラートってのがしょっちゅう来てたんだよね。テロとかその他のやばいことを書いている内容だって勘違いされるんだって。アシッドー。ヒップホップにもロックにもレゲエにも音楽だけに還元されないそれらしい生き方ってのがあるのに対してなんで打ち込み音楽は例えばあいつは「ハウサーだよなーやっぱ」ってのがないんだろうか?って思うてきた。

 

でもそれはハウスがハウスだからなんであってアシッドは元々文化とか概念だから文化だって気がついていないだけでヒップホップやらロックと対等な大きい文化なわけです。サブカルチャーじゃないんです。あいつは超オブスキュアなアシッドの7インチを求めて朝から晩までレコード屋ハシゴしてるんだってーとかってマジでアシッドですよね。本当に好きなんだろうね。そんなのアシッドに狂っていなければできない所存でございます。

 

303を使えばアシッドなのか?っていう概念エラーの典型があれですね、チャランジット・シンを元祖アシッドとして祭り上げるエラーですね。いや、あれはTB-303をベースラインとして使っただけで、確かにまぁラーガをシンセでやるってのはサイケではあるけどもそれ言い出したらウェンディーカルロスとかのムーグの例もあるし、そもそもアシッドってのはビヨビヨさせるっていう誤用を「これヤバい」って発見したものがアシッドなわけで、元祖がPhutureなのは揺るぎないんです。このヤバいビヨビヨを永遠と聞かせようという概念でしょ?この音やばいっしょ?っていう概念っしょ?

 

チャランジット・シン自体は好きですよ。あのゲッチングのE2-E4みたいにラリってくるからね。でもアシッドハウスの元祖ってのは言い過ぎというより概念エラー。アシッドってのはそういうもんじゃない。それだったらレコードの数は少ないにしても303をベースラインとして使ってたレコードはあるからね。それがアシッドか?っていうと違うでしょ?

 

そういう浅さだの「これは違う!」とかってひたすら言い続けるっていうのは疲れますよね。そういうのを何十年もやってきたけどもうネタが無くなるんですよね。アシッドにしてもそうですよ。700曲作る前にネタが尽きます。だからAbletonとかに乗り換えてみれば違うアシッドが作れるかもしれない!とかDAW自体を変えちゃうみたいな話にもなるわけですね。

 

ブルーの尻軽な窓は半透明でこちらからは彼岸が見える。が、あちらからは見ることはできない。この関係は僕らに似ている。

 

「君が僕よりこんな長くしゃべるとは思わなかった。今は電話代がかからなくていいよね。昔こんな会話しょっちゅうやってたらさ、電話代だけで何万っていっちゃうよね。昔はインターネットもモデムだっただろ?って知らないかな。基本的にずーっと電話しっぱなしっていう状況でネットをやることになってたから一分いくらっていうお金がリアルタイムにかかっていたんだよね。だからネットやり始めは最高で請求が月6万きたことがあった」

 

「その当時だったらアレね、セックスせざるを得ないわね。ネットでシコるにしても・・・」

 

「シコる。いいね。女の子がシコるって言うとエロい」

 

「あっそ。何の話だったっけ?あ、ネットね。コストね。ようは。オーガズムに達するコストが安くなったし女性の膣が必須じゃなくなったからそりゃ少子化は進むわよね」

 

「でも見つからなかったし届かなかった」

 

「見つからなかったわね。確かに」

 

「僕はどんな風に変わったんだろう?」

 

「半分皮を被っていたペニスの先端を露出させて片手で揺さぶっているうちに、牡蠣汁が女肉から飛び出してきて、肉襞のトンネルを欲望で満たすんじゃないかしら?」

 

「どおりで生臭いわけだ」

 

「ウフフ。確かにそうね。とても生臭いわね」

 

「でもそれは僕がどんな風に変わったか?ということの答えになっているんだろうか」

 

「オメコ汁でご飯を食べてみてはどうかしら?」

 

「それは比喩的に?ようは風俗嬢のヒモになって生活するということ?」

 

「新鮮な牡蠣汁でご飯を食べてみてもいいと思うのよ。比喩ではなく本物の牡蠣汁で」

 

「カキ汁ってことになるとゼンズリをかいたときに出る汁も牡蠣汁なんじゃないか?」

 

「それはカキ違いね。あたしが言っているのは魚介類の牡蠣よ。ねえ、あなた知ってる?あなたはあたしの気持ち一つでそのまま死んじゃうかもしれないのよ。あなたと電話していることはあたししか知らないし、あたしが真実を隠しているのよ。そのことを知ってる?あたしがこのままどっかに行っちゃったら、あなたはそこで死んじゃうことになるのよ。叫んだって誰にも聞こえないし、あなたが部屋にいるなんて誰も知らないし、それにあなたがいなくなったって、誰も気がつかないんじゃないかしら。会社にも勤めてないし滅多に外にも出ないし、まあそのうち誰かがあなたがいなくなったことに気づいて警察にでも届けるだろうけど、その頃にはもうあなたは死んじゃっているし、きっと死体だってみつからないわよ」

 

「たしかにそのとおりだね。君の気持ち一つで僕はここで死んでしまう」

 

「そういうのってどういう気持ちがする」

 

「牡蠣臭いよ」

 

と言った。

 

「生臭そうには聞こえないわね」

 

電話するときには相手が誰だろうがポコチンをいじる癖がある。皮を伸ばしたり亀頭を撫でたりして、一説によると緊張を和らげるためだったか、緊張した結果、ポコチンをいじるんだったか、とにかくあの時にヤッちゃんが言ってたんだよな。

 

幼稚園の時に眠くもないのに昼から夕方にかけてお昼寝の時間というのがあって、部屋中に布団を敷いて園児たちが幼稚園総出で寝るという狂った行事だったのだけど、そこで仲良しのヤッちゃんと隣通しで寝ることが多かった。というのも眠くないのに寝れるわけがないし、ヤッちゃんもそういう類の子供で、といってもたまには寝ていた気がする。

 

そこで布団に入りながら手の匂いについたものはなんでしょうクイズってのを発明したんだよね。そこで素手でちんちんをいじりまくった手をヤッちゃんに

 

「何の匂いでしょう?」

 

って嗅がせるという、そもそもいい匂いがするわけじゃないので、臭かったらもうその時点でゲーム自体が終わる自己破滅型のゲームだったんだけど、ヤッちゃんは手の匂いを嗅いで、おしっこ臭かったりしたと思うから、多分、ちんちんだろうと思って

 

「ちんちんだろそれ」

 

って言ってたような気がする。じゃあ次は俺の番だと言わんばかりにヤッちゃんも手の匂いはなんでしょうクイズを出してきて、その時に

 

「どうせちんちんでしょう?」

 

って聞いたらヤッちゃんは

 

「いや、わかめだよ」

 

って答えたんだよね。で、実際嗅いだらわかめっぽかったので、それ以来、増えるワカメちゃんとかインスタントのワカメスープを飲むたびにヤッちゃんを思い出すようになるんだけど、破滅していくものって美しいじゃないですか?

 

なんかそれをデカダンクイズとでもしたかったのか、もしくはロックンローラーの夭折なのか、思いっきり指をアナルに突っ込んでグリグリ掻き回したものを、なんでしょうクイズのお題としてヤッちゃんに提示したんだったな。

 

いや、ちんちんの匂いとか幼稚園児なら笑えるレベルでしょう。おしっこ臭かったりヤッちゃんが言うようにわかめっぽかったりするけど、アナルの匂いというのはレベルが違う。クイズとか遊びというレベルではない人体の匂いがするわけで、そのクイズは破滅へと向かっていったのだった。その件のアナルに突き刺した指をヤッちゃんに嗅がせたら、臭すぎて一瞬で布団に潜っていった様は外敵から身を守る貝の類のスピード感だったと思う。その日はそれ以来、完全に無視されて、それから仲が悪くなった気がする。

 

あ、でも仲が悪くなるまでにはいくつかのプロセスがあって、外敵から身を守る貝になったヤッちゃんを説得して、絶対に次は変なことしないからという約束をして、またその壊れかけのデカダンゲームを始めたのだけど、二回目もさらにまたアナルの匂いを嗅がせる結果になってしまい、クイズが完全に自己崩壊したと同時に、ヤッちゃんとの関係性にも亀裂が入ったんだったな。

 

考えても見て欲しいんだよね。なんの匂いでしょう?って言って手の匂いを嗅いだら強烈なアナルそのものの匂いがしたら、そりゃ誰でも貝になるよね。仮に布団がそこになかったら、何か隠れられるところに凄まじい速度で逃げ込むはずなんだよね。特別にヤッちゃんが貝だったとは思わないのね。貝ざるを得なかったというかね、でもそこまで貝になる機会を与えたというのは罪深いと今でも反省しているんだよね。

 

ヤッちゃんとのデカダンクイズのことを連想していたら彼女が何を喋っていたのが、聞いているようで全然聞いていなかったんだよな。

 

「あたしの方は実感が湧いているわよ」

 

と彼女が言うので、何のことだ?と思って

 

「殺し方にもよるよね」

 

なんて答えてみたりした。悪い癖で自分の存在を確認するのに変な方法を使ってしまうのだけど、この時ヤッちゃんへの罪滅ぼしとイカれた彼女との会話の板挟みになってしまって、自分の存在を確認するために両手で頬を撫でていた。これは手で、これが頬なのだ、と確認した。身体は確実にここに存在している。それさえ確認できればよかった。

 

Prick your fingerは針で指を刺すことだけど、finger your prickになると途端に「おちんちんをいじること」になる。そう思うと電話中にちんちんをいじりたくなるのは不安とか電話自体が好きじゃないというのがあるにせよ、やはり頬を撫でるような感じで、おちんちんをいじることで存在確認をしてるのかもしれない。

 

「ねえ、いっちゃうときに、ひょっとして他の男の人の名前呼んじゃったことあるかもしれないけど、心当たりある?」

 

「いや、ないかな。いつもパフォーマンスよ!って言いながらイクことが多いよね。で、その男って何なの?その男のことが好きなの?」

 

「うん、とても」

 

と彼女は言った。

 

「すごく、すごく好きなの。いつも頭から離れない。でも彼はあたしのことがそれほど好きなわけじゃない。ていうか、ほかにちゃんとした恋人もいるし」

 

「でもつきあっているの」

 

「うん。彼はね、あたしの身体がほしくなると、あたしを呼ぶの」

 

と彼女は言った。そうは言っても多くの勘違いがあって、例えば木曜日の午後に美しいガラス製品や美しい食器を何の理由もなく壊し始めてはいけない。ただ音を出すだけ。目的地も花も指輪もない穴だらけの暗い車を出て、恩田が前の席に、池田が後ろの席に座った。夜中に二人しか知り得ない場所で婚約して、その足跡を埋めたとしたら、それが愛なんだ。

 

婚約の星たち、素敵でしょうね。今、片手をハンドルに、もう片手をラップでグルグル巻きにしています。彼はタフな運転をしている。分かるよ、もう一回やりたいなぁ。こうやってみんなと一緒にいる時間。結婚したいから、一緒に来てほしいと言われた。その憧れの理由を僕は知っている。車内で僕たちは資産と野菜だけを食べることについて話し続けていた。

 

僕たちが平日にゲームに使用する家の地下にワークアウトしてからはハンバーガーとアトランティスがテーマになる。僕たちは夢の中で一緒に描かれているのです。まあ、実際には、僕は変化が正しいという夢の影だと思うし、とても宇宙的なスケールは、それが僕の心を壊すために必要なすべてを垣間見た駆け落ち。